2014年06月03日

教え子たちの成長

 何度かこの連載にも登場している私が地元で教えるシンクロの子供達。いえ、もう子供達というより選手と表現した方がいいでしょうね。そう自然と思えるぐらい、選手達を見ていて「いつの間にこんなにたくましく・・・」と思うことが最近何度かありました。

 私は選手としては21年、しかしコーチとしてのキャリアはたったの4年半。自分でやるのと教えるのとではまるで勝手が違い、選手に対してどこまで高いレベルを求めればいいのか指針や確信のようなものもまだつかめたとは言えず、ここまで手探り状態でした。

 難しいと感じたのは、技術を教える以上に、「上手くなりたい!」という純粋かつ一番上達するのに必要な"強い欲求"をいかに持たせるかでした。
 毎年全国大会で決勝に残るような強豪クラブに比べて、練習量がおよそ半分ぐらいは少ない我がクラブは、その分を何で補填するのかといえば、それは1回の練習に懸ける集中力と、得た感覚に対する記憶力。さらに別の仕事との予定の兼ね合いで私が練習を見にいけない日もあるので、練習メニューは伝えておきますが、この時担当し始めたばかりの選手達の年齢は小学校高学年であり、この年齢で課題を自主的に把握し、克服していくという自主練習もできなければなりません。ベテランでも厳しく自分を追い込んだり、高めることは難しいですが、それをこの年齢から要求していかなければなりませんでした。

 その選手達も今は中学と高校に進学しています。現在、私がその選手達に対して感じている成長は、自主練習が非常に上手くなったこと。自ら体力的に辛いトレーニングメニューを立てて取り組む者もいれば、前回の練習で注意されたことを意識して反復練習し、再度私が見た際にはもう克服できている者もいます。そして、お互いに課題を直し合うときに掛ける言葉や内容が的を射ており、かつ解りやすく相手に説明できる力がついている者も出てきました。

 そしてもう一つの成長は、演技の振り付けや表現に「自分はこうしたい」「こう伝えたい」という意志が出てきたことです。以前は、私が考えたものを伝えて覚えていく進め方でした。
 当初の選手達はまだ技術も振り付けのアイデアも、音楽に対してどうリズムに乗るのかも、基礎を教える段階だったので、進め方としては段階を経ていたかと思います。そこから新プログラムに取り組む度に少しずつ私のイメージや取ってほしいリズムを伝え、選手達が自分で創作する箇所を増やしていくうちに、今シーズンは特に私が想像する以上の出来栄えで、非常にセンスのよい動きを取り入れていたり、細かいリズムとダイナミックな音を効果的に使い分けていたり、緩急がついていたり、顔の表情も自然と曲奏に合っていて自分の世界観を持って演じていたり・・・。本当にめざましい成長ぶりであると思います。

 あとは、少ない時間の中でどこまで体に動きを染み込ませ、体力を維持して力強く泳ぎ切ることができるか、ここが課題です。

 練習量の差など、厳しい条件の中でも工夫を凝らし、いかに選手に自信をつけさせて試合に臨んでもらうかというコーチとしての手腕が問われるところでもあるので、私も選手に負けず指導者としての成長をしなければならないと思っています。今シーズンの大会はこれからが本番になります。全国大会に行くだけではなく、印象に残る演技をして帰って来たいですね。