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2016年08月25日

一瞬にベストを尽くすということ

灼熱のリオオリンピック。
2週間行われるオリンピックのスタートを切った競泳は、最終的にはメダル7個を獲得した。
男子400m個人メドレーでは萩野公介選手が金、瀬戸大也選手が銅、60年ぶりのダブル表彰台。男子800mリレーでは52年ぶりのメダル獲得3位だった。さらに、男子200mバタフライではマイケルフェルプス選手に0.04秒差で銀メダルの坂井聖人選手。女子はベテランの選手の活躍がチームを支えた。200m平泳ぎで8年越しのオリンピックで夢を掴んだ、金メダルの金藤理絵選手。3度目のオリンピックで病気を乗り越え「全て出し切った」200mバタフライ銅メダルの星奈津美選手。なんとも言えない、感動と彼ら彼女らの思いが感じるレースばかりだった。
競泳だけでなく、開会式直後で「チームニッポン」を勢いづける競技では柔道も前階級メダル獲得という素晴らしい結果だった。井上康生監督の涙も印象的だった。

何故、人はアスリートの姿に涙するのだろうか。

私は、現役を引退して初めて「見る」オリンピック。当事者ではないオリンピックは大人になって初めてだった。今までは気がつかなかった、とても大切なことに沢山気づかされた。

現役時代は、一喜一憂することを恐れていた。
レースに集中しなければならないからだ。「どんなことにも動じず、自分のやるべきことをやる」常に、戦い人でなければならなかった。

こんな背景や生きているフィールドで1つの物事の見方が変わるのか。

今回のオリンピックで感じた。

全ての競技で、アスリートの輝かしく、戦う様が心に響いた。
準備は長く、苦しい。
でも戦うのはあの一瞬なのだ。彼らのやりきった後の本物の涙に心が潤う。

陸上競技で100m、3連覇を果たした誰もが知っている、ウサイン•ボルト選手がレース後に「観客の声援は背中を押した」と話していた。

アスリートが「する側」で、私たち視聴者は「みる側」。ホスト国、それぞれの競技団体、コーチ、スタッフ全ての関わっている人々を「支える側」。

各々、スポーツにおける役割は計りしれない。

でもここで言っておきたい。アスリートが居なければ、スポーツは成り立たない。スポーツ産業が東京オリンピックへ向けて様々な分野で広がりを見せているが、「アスリートファースト」の重要さ。

あの、感動を与えてくれるアスリートがいるからオリンピックがあり私たちはエネルギーをもらい、感情に刺激をされ、スポーツは素晴らしいと気がつかされる。

東京2020。あと4年たった4年。

アスリートはあの4年に1度のあの舞台に懸けている。日本だけでなく、世界中のオリンピックを目指すアスリートが少しでも良かったと思えるオリンピックになって欲しい。また、見る側、支える側にとってもソフトな部分のレガシーに期待したい。

スポーツの力を信じて。

伊藤華英

伊藤華英

伊藤華英いとうはなえ

競泳オリンピアン(北京/ロンドン五輪 水泳女子日本代表)

べビースイミングから、水泳を始め、15歳で日本選手権に初出場。女子背泳ぎ選手として注目される。2008年日本選手権女子100m背泳ぎで日本記録を樹立。初めてオリンピック代表選手となる。その後、怪我によ…

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