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2024年03月13日

再生可能エネルギーの動向と展望

FIP制度の実施により、発電事業者が安心・安定して再生可能エネルギーの発電事業を営むことができるようになりました。また、PPA制度により企業が資金を準備することなく、太陽光発電所内を設置できるようになりました。これらの制度により再生可能エネルギーの導入が飛躍的に拡大しています。今回は再生可能エネルギーについて触れます。

再生可能エネルギーについて

再生可能エネルギーとは、自然界に存在し、枯渇することなく永続的に利用できるエネルギーのことです。中でも、日本で強力に推進されている再生可能エネルギーとは、次の5つのエネルギーを指します。(1)太陽光発電、(2)風力発電、(3)バイオマス、(4)水力発電(3万kW未満の中小水力)、(5)地熱発電です。
上記の中でバイオマス発電は多様です。バイオマスとは生物由来の有機物資源を指しますが動物の排泄物なども含まれます。バイオマス燃料としては以下のような燃料があります。

  1. 木質燃料:廃材、間伐材、薪や、木質ペレットなど
  2. バイオ燃料:サトウキビやトウモロコシなどから化学的に作り出したエタノールを指します
  3. バイオガス:生ゴミや汚泥、家畜排泄物などの有機物を微生物で分解させて作り出すメタンガスを指します
  4. 植物油:最もよく使われるのはパーム油です。木質燃料と同様に、さほど高度な処理はせずにそのまま燃料として燃やすことができます

脱炭素・温暖化対策として再生可能エネルギーの利用が進んでいます。RE100は、Renewable Energy 100%の略称で、事業で利用するエネルギーを100%再生可能エネルギーにすることを目標とする国際的な取組みです。日本からは81社(2023年8月現在)が参加し、その数は年々増加しています。世界全体では400社以上が参加しています。

RE100に対して、日本国内では再エネ100宣言・RE Actionが推進されています。この活動は中小企業、自治体、教育機関、医療機関等の団体が使用電力を100%再生可能エネルギーに転換する意思と行動を示し、再エネ利用を促進する新たな枠組みです。現在、352の企業・団体が参加しています。

再生可能エネルギーのFITおよびFIP制度

日本における再生可能エネルギーの導入は、1990年代から太陽光発電の設置に補助金が出されるなど、まず太陽光発電を中心に進められました。そして、再生可能エネルギーが大幅に拡大したのは、東日本大震災後です。2012年7月に、再生可能エネルギーで発電した電気を固定価格で電力会社が買取る制度が実施され、再エネの導入は飛躍的に増加しました。
FITとは2012年に導入された固定価格買取制度のことで、再エネ設備から発電された電気をあらかじめ決められた価格で買い取るよう、電力会社に義務付けた制度です。これにより再生可能エネルギーが急速に拡大し、再生可能エネルギーの普及を牽引してきました。
FIPとは2022年から導入されフィードインプレミアム(Feed-in Premium)制度のことです。再エネ発電事業者が卸市場などで売電したとき、その売電価格に対して一定のプレミアム(補助額)を上乗せすることで、再エネ導入を促進させる制度です。プレミアム(補助額)は次の式で決まります。

プレミアム=基準価格-参照価格

ここで、「基準価格」は、再エネ電気が効率的に供給される場合に、さまざまな事情を考慮してあらかじめ設定された価格です。「参照価格」とは、市場取引などによって発電事業者が期待できる収入分のことです。FIPの導入により、太陽光発電を中心に再生可能エネルギーの導入が飛躍的に拡大しています。

カーボンニュートラルの推進

2020年に日本は脱炭素のカーボンニュートラルを強力に推進することを表明しました。その政策の2本柱は、以下の通りです。

  1. 電力部門の脱炭素化は大前提: 発電においてCO2を出さない、出しても回収し地中などに処理して大気に放出しない。再生可能エネルギーの利用を拡大する。
  2. 非電力部門の電化を推進: 経済活動などで化石燃料は使わず、極力電気を使う。さらにはCO2を出さない水素燃料を使う。

上述の様にカーボンニュートラルの実現には、再生可能エネルギーの一層の導入が極めて重要です。2021年に策定された第6次エネルギー基本計画においては、2030年度の発電電力量・電源構成の見通しが、次のように示されています。

2030年度の発電電力量・電源構成の見通し(経産省資料)

2030年度の発電電力量・電源構成の見通し(経産省資料)

太陽光発電のPPAとリース

太陽光発電設備を導入する際は融資を受けるのが一般的です。なぜなら、100万円以上の大きな設置費用がかかるためです。また、出力100kW以上の太陽光発電では、初期費用で数1,000万円~数億円かかります。
太陽光発電のPPAとは、「Power Purchase Agreement」の略であり、直訳すると「電力購入契約」となりますが、発電事業者側の視点から「電力販売契約」と訳されることもあります。需要家の所有する敷地や屋根のスペースなどをPPA事業者に提供し、PPA事業者がそのスペースに無償で太陽光発電設備を設置します。そこで発電された電力を需要家が消費し、使用した電気料金をPPA事業者に支払うシステムです。電力会社の送配電網を使用せず、託送料がかからないというメリットがあります。
太陽光発電におけるリースとは、リース業者所有の太陽光発電設備を一定期間借りる契約のことです。契約期間中は毎月固定の費用「リース料金」を支払います。自動車などのリース契約と同じく、対象の設備や商品の購入および設置費用を分割で支払うイメージです。
契約期間中は、太陽光発電で発電した電気を自家消費したり売電したりできます。また、売電収入を得たり自家消費で電気代を削減したりした場合でも、毎月のリース料金は固定されているのが特長です。リース契約終了後は、太陽光発電設備を譲り受けられる場合もあります。譲り受けられない・譲り受ける必要がない時は、リース業者によって撤去されます。

温暖化対策の脱炭素・カーボンニュートラルの推進で、発電時に基本的にCO2を発生しない再生可能エネルギーの導入普及が強力に進められています。新たなFIP制度の実施や、再生可能エネルギーの導入のPPA制度の開始などによって、今後も再生可能エネルギーの導入が飛躍的に進んでいく事でしょう。再生可能エネルギーの導入に関して、自己所有の場合においても、国や自治体の補助金を活用することができます。再生可能エネルギーの益々の発展を期待いたします。

進藤勇治

進藤勇治

進藤勇治しんどうゆうじ

産業評論家

経済・産業問題、エネルギー・環境問題、SDGs、コロナ問題をテーマとした講演実績多数! 経済・産業問題やエネルギー・環境・災害問題、SDGs、コロナ問題などについて最新の情報を提供しつつ、社会…

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