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コラム 政治・経済

2020年10月12日

withコロナ社会の展望と企業

最近はwithコロナという言葉がよく使われます。withコロナとは、少なくとも短期的には撲滅困難を前提とした新たな社会経済活動や生活様式を意味します。コロナの完全な終息の見通しが立たない状況が続いている限り、危機管理の対策としてwithコロナの長期戦も想定しておかなければなりません。今回はwithコロナ時代を展望してみます。

業界別のコロナの影響

コロナにより経済は大きなダメージを受けていますが、コロナが終息しない状況が続けば、影響を受けている業界は一層過酷な状態に陥ります。コロナで業績に大きな影響を受けている業界の例は次の通りです。

観光・交通関係の航空、鉄道、バス、タクシー、ホテル、旅館、旅行代理店業界等は、コロナで人の移動が極端に減少した影響を受けました。ただ、最近はGOTOトラベルの効果も見られるようになりました。早期の回復を期待致します。

自粛や休業要請により消費落ち込んだ業界としては、飲食店、百貨店、テーマパーク、アミューズメント等を挙げることができます。飲食店については、GOTOイートの効果を期待致します。

需要の低迷や海外での部品製造が滞るなどが原因になり、不動産、鉱業、鉄鋼業、製造業、自動車等の業界が大きな影響を受けました。ただ、現在中国ではコロナが一段落して生産が再開されており、機械や自動車の部品が日本に輸入されています。コロナで人の移動が止まっていても物資の移動は可能ですので、日本の製造業の早期の完全回復を期待致します。

一方、コロナで業績の下がった業界もあれば、上がった業界もあります。業績の上がった業界の例は次の通りです。

スーパーマーケット、家電、物流、ネット通販、インターネットメディア、ゲーム等の業界は、巣ごもり消費が増えて業績が上がりました。テレワークや学校の休業等により、リモート関連の機器、オンライン教育等の企業は業績を伸ばしました。コロナ対策として、ドラッグストア、マスク、消毒液、医薬品、医療機器のニーズが増え、業績を上げました。

業界・業種ごとの売上の増減

次に具体的に、業界・業種ごとに売り上げにどれだけコロナの影響があったか調査例を見てみます。コロナで売上が減少した業種は下記の通りです。数値は本年4月~6月の売上を前年比で示されています。なお、飲食店は業種、業態が多種多様ですので除かれています。

  • アパレル 93.1%
    コンビニ 90.0%
    百貨店 82.1%
    アミューズメント施設 70.3%
    交通機関 40.9%
    旅行代理店 1.4%

次に、コロナで売上が増加した業種の調査例は下記の通りです。

  • 手芸用品店 171.1%
    金融サービス 146.5%
    自転車販売 145.0%
    スーパーマーケット 114.8%
    ネット通販 114.2%
    家電量販店 108.1%
    薬局 106.4%

上記の例は主に小売りベースの売上の増減です。数値を比較しますと、巣ごもりの影響が大きいものと感じられます。中でも旅行代理店の売上の落ち込みには厳しい状況が窺えます。

コロナのワクチン開発

コロナの終息には有効なワクチンの開発が必要とも言われています。通常のワクチン開発は薬害を防ぐために十分な治験を行いますので、少なくとも開発には4年以上かかります。しかし、コロナの場合は、世界は1年以内にワクチンの開発を目指しています。

さて、AIDSを引き起こすウイルスであるHIVは非常に変異しやすいので、ワクチンの開発はできません。また、インフルエンザウイルスは様々な型があります。インフルエンザ予防接種は、毎年流行するウイルスを予測して数種混ぜて接種しますが、予側が外れることもあります。このようにワクチンの開発が困難であったり、また効果が必ずしも期待できない場合があります。

日本においてもコロナのワクチン開発が行われていますが、米国のファイザー社と英国のアストラゼネカ社においては世界をリードして開発が進んでいます。日本政府は両社から国民全員分の接種に向けて供給を受けることで合意を交わしています。なお、ワクチンで健康被害が生じた場合、製薬会社の代わりに国が賠償する方向です。

コロナの治療薬としてアビガンがようやく承認される見通しとなりました。治療薬の開発には多くの臨床試験が必要です。欧米に比べて感染者数の少ない日本では思うように臨床試験を進めることができないようです。日本におけるワクチンの開発における治験にも同様な困難があるようです。

withコロナの社会を考える

2015年にビル・ゲイツ氏が講演で、「私たちの世代が最も恐れ準備を進めるべきなのは次の疫病大流行である」と述べています。現在のコロナ禍を予見していたのでしょうか。ゲイツ氏の先見性には驚きです。

コロナ禍が今後どのように進んでいくか、まだはっきりとした見通しは立っていません。コロナが終息せず、withコロナの時代が続くことになりますと、人類にとっては大変厄介で困難な時代となります。そのような場合は、社会は根本的に変質せざるを得なくなります。

コロナに関して、様々な指摘が聞かれます。幾つかを紹介します。

「コロナにより、世界経済は根本的に変質する」

リーマンショックのときのように、3,4年もすれば世界経済は回復するかどうかは分かりません。厳しい事態を想定して、世界経済の変化の方向を見定めて、うまく対応ができた企業が発展や生き残りを勝ち取ることになるのでしょう。

「人類の歴史はコロナ前とコロナ後に分かれる」

人類は何度か重大な歴史的転換期を経験していますが、withコロナとは、相当の覚悟を持って対処していかなければならないのでしょう。

危機管理の観点からは、極めて厳しい事態をも想定して対処しなければなりません。常に敏感に情報を収集し、冷静沈着に判断され、この未曽有の危機を乗り切られることを期待致します。

進藤勇治

進藤勇治

進藤勇治しんどうゆうじ

産業評論家

経済・産業問題、エネルギー・環境問題、SDGs、コロナ問題をテーマとした講演実績多数! 経済・産業問題やエネルギー・環境・災害問題、SDGs、コロナ問題などについて最新の情報を提供しつつ、社会…

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