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2009年05月25日

藤巻健史の「納得!知っ得?日本の経済」

【今月の経済講師】
藤巻 健史/FUJIMAKI JAPAN. 代表取締役

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一橋大学商学部卒業後、三井信託銀行へ。
1980年にはMBA(経営学修士)を取得。
三井信託ロンドン支店勤務を経て、
1985年外資系金融機関モルガン銀行に転職。
東京支店長などを歴任し、東京屈指のディーラーに。
2000年モルガン銀行を退社し、
現在、株式会社フジマキ・ジャパン代表取締役。
一橋大学経済学部や早稲田大学院でも講師(非常勤)を務めている。

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「100年に一度のチャンスをつかめ」

 日本のニュースは実体経済の暗い話ばかりで、景気回復のきっかけなどまったくないように思われる。
 
 しかし、世界の株価(MSCI World Index)は大底の3月9日からこの2ヶ月間で37%、米国株価(S&P 500 Index)も34%も上昇している(5月12日時点)。米国金融株は2.5倍から4倍である。日本の悲観論に満ち溢れた報道だけを見聞きしていると驚きかもしれないが、今、世界の株式市場は熱いのだ。
 
 米国株価市場の4月の上昇率は2000年以来の最高幅だ。ある米国人は「雪だるまを作るため雪玉をころがしていると雪がくっついてくるがごとくに株式市場に資金が戻ってきている」と言っている。

 特に今回の経済危機の大本だった金融株の最近2か月間の回復はすさまじい。3月5日に$0.97 と$1を割ったCitigroup株は5 月14日には$3.55と3.7倍にも上昇している。ほぼ同じ頃$2.53 だった Bank of America Co株は $11.31と 4.5倍である。JP Morgan Chaseの株価($35.54)など私が勤めていた頃(世界に冠たる銀行と評価されていた頃)と同レベルに戻っている。

 これらは、極めて明るいニュースである。米国金融危機が終わったと考えられるからだ。たしかに偉い先生方の中には「金融危機はまだ終わっていない」と力説する方も多い。しかし米国の株式市場はそうは見ていないわけだ。もしまだ金融危機が終わっていないと市場が思っているなら金融株はこれほどまでに上昇しない。確かに一人一人の市場参加者は偉い先生方ほどは頭がよろしくないかも知れない。しかし全体としての市場はかなり頭がいいものだ。

 それが私の30年に及ぶディーリング経験からの結論だ。私は市場の声を信じる。
もし市場がみるように金融危機が終わりならばすべてがうまくいく可能性がある。

 今回の危機を振り返ってみよう。サブプライムローン問題で金融株が急落しそれにより一般株も下落し、それがゆえに景気が悪くなったのだ。これは逆資産効果と言われる。株価や地価が落ちるとこれらを持っている人々が元気をなくし消費を落とす。米国のGDP(国内総生産)の7割は個人消費だから、個人消費が落ちれば景気が悪くなるのは道理である。

 「危機の大元だった金融株が大きく値を戻し始めた」ということは今までとは逆の回転が起こり始めた可能性がある。プラスの資産効果が効いて景気が良くなる。それを見て株価がさらに上がるという好回転が始まるのである。

 よく「株価は6か月先の実体経済を予想する」といわれているが私は株価には予想以上のものがあると思っている。予想するだけでなく株価自身が実体経済を引っ張り上げたり引っ張り下げたりするのだ。その意味で株価上昇は実体経済の将来にとっても極めて明るいニュースなのだ。
 
 ところでこの危機に対処するために世界の中央銀行は大量のお金を供給してきた。昨年ノーベル経済学賞を受賞した米国のクルーグマン博士の「日本をインフレにするには日銀がヘリコプターでお札をばらまけばよい」との発言はかなり有名になった。今、世界中のあらゆる中央銀行はヘリコプターこそ使っていないものの、お金をばらまいている。一定量のモノに対してお金がジャブジャブになればお金の価値が下がるのは道理である。お金の価値が下がることをインフレという。とくに日本は、財政の累積赤字額がとんでもない額にのぼっており将来のインフレリスクは他国よりも高い、と考えられる。
 
 こう考えてくると、「明日すぐに」とはさすがに言わないが、遅から早かれインフレにならざるを得ないと思うのだ。そうであれば安いうちに少しでも株や不動産を仕入れておきたい。それこそ私自身が今インフレ対応型のポートフォーリオを大胆に構築している理由である。そしてつい最近「100年に1度のチャンスを掴め」(PHPビジネス新書)を上枝した理由でもあるのだ。

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