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2025年05月19日

距離の詰め方

第2回「距離の詰め方」

多くの企業様から聞こえてくるのは、若い人とのコミュニケーションの取り方についての悩み。どうしたらうまく距離を詰められるのか、皆さん悩んでおられます。さて、あなたならどうやって距離を詰めていますか?

うまくいかないやり方

昨年、私のマネジメントを担当してくれていた30代の彼が異動になり、新たに20代の若者がついてくれることになりました。また最近マネジメント会社の人たちとも交流していないので、これを機に、多くの人に自分を知ってもらおうと考えました。私がやろうと思ったことは、まずは電話をかけて挨拶し、アポをとって一人ずつランチをする。そして自分の人となりを知ってもらい、どういうことをやりたいか、その思いを語ろう。そうすればきっと自分を理解してくれるだろう、と。そしてこの思いをその会社の管理職の方に相談したのですが、それはやめたほうが良いというのです。どうしてでしょうか?まず、いまの人達は、特に用もないのに自分の時間を遮られるのを嫌がります。ましてよくも知らない相手からの電話だランチだ、というのは愚の骨頂であると。何かのきっかけで、流れの中でそういう時間をとるのはよいが、あまりにもゴリゴリやっていくのは得策ではない、という話でした。確かに自分は一生懸命で自分を売るために自分側のことしか考えておらず、相手がどう思うかという視点は欠けていました。そしておそらく、これが多くの昭和世代の人たちに欠けている視点であるかと思うのです。ですので、ふだんからメールなどでさりげなく交流しておき、顔を合わせるタイミングができたときに自分をさりげなく伝えていく、というスタンスのほうが相手には受け入れやすいはずです。

少しずつ少しずつ

人と人との距離感の感覚が、昭和といまではかなり違います。先日、お世話になった保育園のベテランの先生と話す機会があり、どうやって若い先生との距離を詰めているかを伺ったところ、「毎日事務室の前をタイムカードを押すときに通るでしょ。そのときによ~く観察してるの。ちょっとした服装や髪型の変化とか持ち物とか。それて帰りがけにちょこっと声を掛けるの。“そのバックいいねー!”とかね。そうやって少しずつ詰めていって、やっと“あのさ今度の運動会のことだけどね”って重い話ができるわけ」と言っていました。なるほど、これだけ時間をかけているのかあと驚いたと同時に、相手の中にズケズケと入っていく昔のやり方は通用しないなと感じました。

明るく楽しく軽やかに

ふだんの部下との付き合いでも、モノを言うのは日々のコミュニケーションの積み重ねです。相手を観察し、相手が嫌がらないように声をかけていく。相手が気を使わない関係になっておく。真面目に真剣に、というより明るく楽しく軽やかに。権力や威厳や恐怖で支配するのではなく、部下がのびのびと自分を発揮できるような環境をつくる。そうしてある日、部下から声をかけてくれるようになれば、あなたと部下との距離はだいぶ縮まっていると言えるでしょう。ここの距離の詰め方が、このあと何をするにも必要になってきます。皆さんの健闘を祈ります!

川村透

川村透

川村透かわむらとおる

川村透事務所 代表

「ものの見方を変える」という視点の転換を切り口に、モチベーションアップ、チームビルディング、リーダーシップ、コミュニケーション、問題解決など様々なテーマで講演、研修を行う。自身の体験と多くの研修・講演…

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