2013年10月15日

内的モチベーションに火をつける

第5回コラム「自発的モチベーション」では、自発的なモチベーションが生まれる環境を書きました。それは、

・自主性が与えられるとき
・自分にとって興味のある分野の上達・熟練につながるとき
・自分を超えた大きな目的につながっているとき(世のため人のため)


の3点でした。今回は、その方法について考えてみたいと思います。

まず1つめの「自主性が与えられるとき」。たとえば、仕事でぱっとしない部下に忘年会の企画などを任せると、水を得た魚のようにイキイキしたりすることってありませんか。これも自主性のなせる業。そのエネルギーを仕事に活かしてもらわない手はありません。たとえ、自分のほうが上手に早くできる仕事でも「好きなようにやってみて」と任せてみる。任されると人はそれに応えようと頑張ってくれるはず。どうしても不安なら、まずは失敗しても上司がリカバリできる範囲で任せてみましょう。

2つめの「上達・熟練」ですが、人は同じ作業をより早く、うまくできるようになること自体に喜びを感じます。工場の「カイゼン」活動などもそう。作業がルーティンワークや単純な作業ほど、この視点は有効です。なので「今1時間かかっている請求書作成業務を15分でするには?」「5日かかっている取引先への確認作業を1日にするには?」などというチャレンジを投げてみましょう。そうすることで創意工夫がはじまり、できたことで達成感を味わえるはずです。

そして最後の「自分を超えた大きな目的」。たとえば、新幹線の車内清掃を行うJR東日本グループの鉄道整備株式会社、通称「テッセイ」。彼らは「清掃」という仕事を「おもてなし」というレベルにまで昇華しています。列車が到着し出発するまでの7分という時間の中で、車内清掃をし、乗り降りするお客様に笑顔で声をかけ、子どもを楽しませるグッズまでも用意している。彼らは「バイト代さえ稼げばいい」という自分の枠や実際の「清掃」という作業をも超え、「お客様をもてなす」という目的の元で働いているからこそ、やりがいも感じ、プライドを持って仕事ができているのだと思うのです。

何もしなければ、これらの視点はきっと見過ごされています。マネジャーの仕事とは、それを気づかせることなのです。仕事内容を変えるのではなく、とらえ方、見方を変えるだけでいいのです。ぜひ仕事に対する見方を変え、部下のモチベーションに火をつけてください。

次回は、第8回「新しい動機付け要因―周囲からの称賛について」です。どうぞお楽しみに。また、当コラムへのご質問、感想など、お待ちしております!