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2014年12月05日

楽しんで調査すると本音が聞こえてくる

 先日、某化粧品メーカーさんからの依頼で、クレンジングについての新商品開発のため、30代女性の属性調査を行いました。集まっていただいたのは、都内に住む女性誌「VERY」を愛読しているという、5人の女性。オシャレな女性の取材は、私のライフワークですが、二時間一本勝負で、どれだけ彼女達との距離を縮められるかが、ヒアリングの極意です。           
 
 まず、自己紹介の前に、着ているお洋服、靴、バッグ、時計やジュエリーなど、全身のコーディネートをチェック。ファッションはその人の価値観を表すサインなので、「何かを聞く」前に必ず確認しておきます。司会は、座談会を仕切っていただく美容ライターに任せて、一番端の席から、彼女たちの表情に注目して、「どこで不安な顔になるか」「どこで輝く顔になるか」を見極めることが大切な仕事です。

 最初の30分は、一人5分ずつくらいで自己紹介。どんなライフスタイルであるかに始まり、テーマである「クレンジング」について、何をどう使っているかを具体的な商品名をあげて話していただきました。ここまでは基本的なヒアリングのスタイル。そこから、いよいよどれだけ隠された本音を引き出せるかが、腕の見せどころです。

 話を聞いていくと、VERYを愛読しているという共通の価値観を持ちながらも、一人一人、思い入れのある愛用品が違っていたことから、それぞれの商品にたどり着くまでのクレンジングヒストリーがあったことに注目。ここに至るまでのプロセスをきちんと聞くことが重要です。なぜならそこには、仕事・恋愛・結婚・出産、あるいは離婚といったそれぞれの生き方があり、20代の頃から比べると、歳を感じながらも40代までにはまだ時間がある、女性としてもっと輝きたいと願う「女心」が見え隠れしていて、そこに消費の動機があるからです。

 座談会の終盤、初めは少し緊張して不安そうだった彼女たちの顔が、イキイキと輝いてきました。そして別れ際に「今日は本当に楽しかったです!」と満面の笑みとともに、感謝の気持ちを伝えてくれた時に、今日のヒアリングの結果報告は、クライアントのために必ず役立つものだと確信しました。なぜなら女性は、心から「楽しい」と思える時にこそ、本音を話してくれるからです。

中村浩子

中村浩子

中村浩子なかむらひろこ

株式会社ヴィーナスプロジェクト 代表取締役社長

大学在学中より、光文社「JJ」において、ファッション・ライフスタイル担当の特派記者となる。その後、小学館「CanCam」を経て、光文社「VERY」、「姉VERY」、「STORY」の創刊記者を務める。オ…

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