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2009年08月25日

将来推計人口と年金

 将来推計人口は、わが国の将来の出生、死亡、国際移動について、妥当と思われる仮定を設定し、設定に応じて将来の人口規模、年齢構成等の人口構造の推移等を推計するものです。(具体的な資料は、以下の国立社会保障・人口問題研究所のURLにあります。)今回の推計では、直近のデータである平成17年国勢調査結果に基づいて、人口推計は2055年まで行っています。

将来推計人口と合計特殊出生率
 人口推計にあたって、いくつかの仮定を設定するのですが、重要なのは合計特殊出生率です。推計にあたり高位、中位、低位の3通りに設定されています。2005年の実績値が1.26であり、50年後の2055年には、高位1.55、中位1.26、低位1.06と設定しています。ちなみに、前回平成14年推計では、2050年に合計特殊出生率は、高位1.63、中位1.39、低位1.10となっていました。
 押さえておきたいのは、65歳以上の老年人口比と、生産年齢人口比です。2005年から2055年に老年人口比は20.2%から40.5%、生産年齢人口比は、66.1%から51.1%と予測しています。すると、2005年が働き手3.3人に1人の老人を支えていたのが、2055年には1.3人で老人1人を支えることになります。

マクロ経済スライドとは
 現在の年金給付にあたっての、大きな約束事を見ておきましょう。マクロ経済スライドは、マクロ経済指標の変化に応じて自動的に給付額を上下させる仕組みです。
 物価の変動に応じて年金額が変動しないと、物価変動による不利益を年金受給者は被ることになります。そのために物価変動による年金額が改定されますが、問題は改定する比率です。この改定率を決めるために、現在採用されているルールがマクロ経済スライドです。マクロ経済スライドでは、改定率を基本的には経済全体の総賃金(労働者当り平均賃金×労働力人口)の伸び率に合わせて調整しようというのです。スライド調整率とは、公的年金被保険者数の減少率と平均余命延びを勘案した一定率で、2025年までは年平均0.9%程度の値をとります。つまり、少子化で年金の担い手が少なくなる影響と高齢者が増える影響を考慮して、物価の上昇率に比べて0.9%伸びを抑えようということです。

 人口に関する予測は、戦争や大災害がない限り、大きく外れることがないといわれます。人口が減少する社会が進むなか、65歳定年、それ以上に定年制度そのものが今後議論されるかもしれません。これらの議論の前提に将来推計人口があるということを押さえておきたいものです。

井戸美枝

井戸美枝

井戸美枝いどみえ

井戸美枝事務所代表

神戸生まれ。関西大学社会学部卒業。 ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士・キャリアカウンセラーとして、相談、講演、執筆活動を行う。複雑なお金にかかわる動きを、かんたんに読み解く経済エッセイストと…

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