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2009年09月04日

メディアの中の「女の時代」

天地人

私が子供の頃観ていたNHK大河ドラマは、男の生き様が描かれていた。
私のような単純でいわゆるミーハーな人間にとっては、
その主人公こそが憧れの対象となっていった。
記憶に残っているところでは、石坂浩二さんが演じた上杉謙信、
加藤剛さんが演じた平将門、
そして80年代には渡邊謙さんの伊達政宗。
たぶん相当視聴率も高かったのではないだろうか?

世間で女性が注目されるようになると、
大河ドラマの主人公が女性になることがあった。
「女太閤記」「春日局」である。
あの大河ドラマの主人公が、戦国武将ではなく、女性であること
「時代は変わった」と思った方も多かったのではないだろうか。

そして現在放映中なのが「天地人」。
主人公の直江兼続は上杉謙信の跡継ぎ景勝の家老として
歴史に残る賢人のひとりである。

主人公が男性から女性に代わる、という変化には敏感に反応する人も多いが
私に言わせれば、「天地人」ほど大河ドラマに革命的な変化をもたらしたものはない。

それは何かというと
男が「女の目線」で描かれていることなのである。
そしてそのことに、だれも違和感を覚えないことなのである。
主人公はたしかに男性である。
が、彼らを取り巻く母、妻、恋愛関係になる女性たちが一様に「美しく」「強い」。
そして男たちはその掌から一歩も出られない、という印象なのだ。
さらに言えば武将たちのキャスティングは「イケメン」、
それも「細マッチョ?」なイケメンぞろい。

脚本が小松江里子さんであることが大きな要因なのかもしれないが
時代はこうなっている、ということが本当に感じられる
興味のつきない「天地人」である。

「マンガの女性作家たち」
大河ドラマより早くから、実は男性マンガ誌には
当たり前のように女性が進出している。
「めぞん一刻」「うる星やつら」の高橋留美子さんはその代表だ。
たぶん小学館のドル箱作家だろう。

講談社の「モーニング」誌では逆に
「社長 島耕作」が唯一「男の世界」を守っているのが面白い。
ついに大企業の社長に登りつめた主人公、見事なまでの出世物語だ。
当然、銀座でもモテる。孫もできた。
団塊の世代が望んできた夢をすべて実現してきた。

その「モーニング」のやはりビジネスマンガ「エンゼルバンク」には
必ず勝間和代さんのエッセイが掲載されていることも面白い。
団塊の世代は広兼憲史さんに、若い世代は勝間さんに……ということなのか。
私が好きな「チーズスイートホーム」も女性作家こなみかなたさんの作品だ。

おなじく講談社の「少年マガジン」には「ツバサ」という作品がある。
作者はCLAMPさん。
女性らしい優しいタッチのSF冒険恋愛ファンタジーが
男性誌に違和感なく光を放っている。
どうも作者は女性「グループ」らしい。

ほんの一部しか紹介していない。まだまだ女性作家は漫画誌で活躍しているのだ。
変化はじわりじわりと進行している。
ぜひ女性の進出ぶりをみなさんの目で確認していただきたいと思う。

相沢正人

相沢正人

相沢正人あいざわまさと

キラー・コンテンツメーカー

1957年東京都生まれ。 成城大学文芸学部芸術学科卒業後、(株)光文社に入社。「茶髪」「公園デビュー」「シロガネーゼ」など生活する街に根ざした数々のヒット企画をネーミングと共に展開。同時にモデル発掘…

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