2009年09月25日

聞いて初めてわかる子どもの気持ち 事例紹介

親業訓練(ゴードンメソッド)では、子どもがイヤな気持ちをかかえていると、親にわかるときには能動的な聞き方での対応が適しているといっています。
今回は、能動的な聞き方をしたことで、意外な発見をした事例をご紹介します。

4歳の娘を連れて外出したとき、バスの発車時間が迫り走ることになりました。上手に走れない娘は転んで、両膝をすりむいてしまいます。

娘 あーん、あーーん!!
母 痛いね。 すごく痛いのね。
娘 あーん。あーん!
母 痛かったね。転んじゃってイヤだったのね。

母親は転んで痛かったから泣いたのだろうと思い、能動的な聞き方で『親が理解した子どもの気持ち』を確認しました。
両膝をすりむいて痛い...その気持ちが親にわかってもらえたとき、子どもの泣き方に少々の変化があるはずなのに、泣き止む様子がありません。親は、よほど痛かったのだろうと思い、抱っこをしてから、もう一度 能動的な聞き方をしてみました。

母 我慢できないほど痛いのね。
娘 あーん。あーん。 (抱きつきながら)くやしい...。
母 ん? くやしいの?
娘 (泣きながら)練習したのに。
母 練習? 練習したのにくやしいの?
娘 お外をいっぱい走って練習したのに...くやしい。
母 そうか! お外を走る練習を沢山して、上手に走れるようになったのに
   転んじゃってくやしいんだ。
娘 うん。 大丈夫。 歩ける。(まだグズグズしながらも歩き出す)

母親はこんな感想を言っていました。
娘の思いもよらない気持ちを知ることが出来、かつ、自分で乗り越えようとする
力を見せつけられ、すごいと思いました。 自分の子どもに感動しました。
まだまだ幼いと思っていた娘が、急に成長したように感じられ、嬉しかったです。

親は、子どもと毎日一緒に生活をし、子どもの様子を見ているのですから、泣いている子どもの気持ちは手に取るようにわかることがあります。
子どもが泣いているとき『〇〇がイヤなんだろうな』『〇〇が欲しいんだろうな』とか、『そろそろ昼寝の時間、眠いからぐずっているんだろう』等など。
そして、それはたいがいの場合、当たっている。
そう感じることは、ほとんどの親が体験していることでしょう。

あなたの子どもがぐずり始めたとき『きっと○○なんだろうな...』と感じることがあったら、それを言葉に出して確認してみませんか。
もし、あなたの理解が子どもの気持ちにぴったり当てはまっていれば、たぶん「うん」という答えが返ってくるでしょう。そして同時に、子どもは、自分の気持ちを理解しようと努力している親を知ることになります。
仮にあなたの理解が違っていた場合、子どもは自分の気持ちを親が正確にわかるようにと、さらなる表現方法を探し、それを実践することになります。

この事例では、親の理解が違っていたので、子どもは泣くだけではなく、自分の気持ちを言葉にし、表現しています。それによって、親は気付かなかった子どもの気持ちを知ることになるのです。
能動的な聞き方は、双方の気持ちが通い合うばかりでなく、子どもの自己表現の促進にも繋がるのです。

それにしても、転べば痛い → 痛いから泣く
どうやら、子どもの気持ちはそれほど単純なものではなさそうですね。

※能動的な聞き方についてはコラム(3)(4)でご紹介しています。