2010年02月25日

風力発電の魅力

 最近、温暖化対策として新エネルギーが大変脚光を浴びております。石油や石炭、天然ガスを燃焼させますと二酸化炭素を発生し、温暖化の原因になりますが、風力発電などの新エネネギーは発電時に二酸化炭素を発生致しません。今回は注目される風力発電について触れてみます。


【風力発電の長所】

 太陽光発電と異なり、風力発電は風があれば夜でも発電は可能です。広い地域に設置され、その数量が増えれば、お互いに補完しあうことができ安定的な電力供給も可能です。風力発電機において、発電量はローターの半径の2乗、風速の3乗に比例します。羽根の位置が高いほどよく風を受けます。これらのことから、一般に風力発電は大きい方が有利です。風力発電の設置コストは、25~30万円/kW程度ですが、規模により異なります。


【風力発電の短所】

 よいことずくめの風力発電ですが短所もあります。
人家に近接して設置された場合、住民のめまいや動悸、耳鳴りなどの低周波騒音の人体への影響の問題、希少猛禽類の幼鳥の回転羽根へ衝突の問題、風光明媚な観光地などでは風力発電機の設置によって景観が損なわれるという景観問題、日本では冬季の日本海側でよく発生する落雷問題等があります。

 また、日本のように大陸の東側ある地域には台風がありますが、ユーラシア大陸の西側に位置するヨーロッパには台風が襲うということはありません。同じ事はアメリカ大陸でも言えます。西海岸のカリフォルニアをハリケーンが襲う事はありません。日本では、数年に一度襲来する台風に耐える強度を風車に維持することが大きな課題となって来ました。


【ヨーロッパの風力発電】

 風力発電はヨーロッパでは大変普及しており、立地的には日本よりヨーロッパが向いています。理由は、適度な風速の風が年中吹いているためです。

 2020年にはEUの全電力需要の13%を風力だけで賄える見込みです。政策的には、ほとんどの国が固定価格買い取り制度で普及を進めています。普及の最も進んでいるデンマークでは既に国全体の電力の2割が風力発電によって賄われ、なおも普及を進めており、2025年には5割以上に増やせるとしています。

 ドイツで普及している「固定価格買い取り制度」は、風力などの自然エネルギーによる発電に対して、自家発電した電力をむこう20年にわたって、通常電力料金の3倍程度の固定した価格で買い取ってくれる制度です。設置時に補助金は出ませんが、日本のように住宅用のみを対象としてかつ余った電力のみを買い取るという方法ではありません。

 風力発電などの新エネルギーを既存の電力系統に連系する場合、日本ではその量はせいぜい5%程度といわれております。ヨーロッパの場合、各国の電力網は繋がっておりますので、新エネルギーで発電して余った電力を外国に売ったり、逆に電力が足らないときは隣国から購入することも容易です。一国一国単位で考えた場合に、電力系統への連系の割合を大きく設定することがヨーロッパでは可能です。 


【日本の状況】

 
風力発電(出力10kW以上)の累計導入量は2007年3月時点で約1400基、総設備容量は約168万kWです。1基あたりの出力では、2007年度では設備容量1メガW以上の機種が大部分を占めるようになっています。海外機の独擅場であった2メガW以上の大型機についても国産機の開発が進んでいます。風力発電設備の大部分は輸入品であり、2007年度の国産機の割合は設備容量ベースで16%、基数ベースでも23%です。


【今後の課題】

 昨年11月に太陽光発電の新規買い取り制度が始まりましたが、風力発電を併設していますと買い取り価格が4分の1に減ります。すなわち、太陽光発電だけなら1kWhあたり48円で電力会社に余剰電力を買い取ってもらえるのに対し、風力発電を併設していると、太陽光発電以外の電気が配電線に流れないようにする逆流防止装置を設置しなければ12円前後に抑えられます。

 現状の日本の制度では太陽光発電に重点を置いていますので、上記のような矛盾が生じています。現在、日本でもドイツなみの固定価格買い取り制度の早期の導入が計画されています。そうすれば上述のような矛盾が生じないようになるでしょう。

 日本において風力発電の立地としては、北海道や東北、日本海側が相対的に適しているといわれております。平地が広がる北海道は一番の普及場所です。尚、太陽光発電は、西日本、太平洋側が立地に比較的適しております。より日照時間が長く、より強い光が当たるからです。

 風力発電は太陽光発電と同様に温暖化対策になる有力な新エネルギーです。国の政策の動向を見極めつつ、その特徴をよく理解して風力発電に取り組まれることをご期待致します。