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2025年09月05日

感じの良い表情の習慣

表情の影響力

ここまで主に「言葉」についてのポイントを中心にお伝えしてきました。
ただ、第4回でも触れたように、コミュニケーションはもちろん言葉だけで行われているわけではありません。表情や振る舞いといった、言語外の情報も大きな影響力を持っています。
特に表情はもっとも目につきやすいものでもあり、相手に与える印象や情報の大部分を担っていると言えます。

本心で言っているのに、「本当にそう思って言ってる?」と聞かれるとか、別に怒ってなどいないのに「怒ってるの?」なんて言われることが多い場合、表情の印象と言葉の内容にギャップがあることが考えられます。

気持ちの良いコミュニケーションを望むならば、言葉と表情を揃えて伝えることがとても大切なのです。

自分の顔は自分が一番見ていない

ところで皆さんは、自分の顔を普段どのくらい見ていらっしゃいますか?
1日のうちで鏡を見る時間はトータル何分くらいになりますでしょうか。これを講演や研修などで尋ねると、平均的に長くても20分前後くらいと答える方が多いです。2〜3分くらいとおっしゃる方も少なくありません。中には「鏡は全く見ません」という方もいました。

仮に20分としたとしても、1日は24時間あるのです。そのうちの20分を自分が見ているのだとしたら、残りの23時間40分は誰が見ているのかといえば、自分以外の人たちです。寝ている時間を引いたとしても十数時間あります。

つまり、“自分のもの”でありながら、自分が最も見ないのが“自分の顔”なのです。

そう改めて考えてみると、「自分の顔なんだからどうでもいい」というわけにはいかないですよね。周囲の人たちは、あなたの顔を見ながら、その影響を一番強く受けているわけですから。

人間は日常生活において、80%以上の情報を視覚から得ていると言われています。どういうものが目に入ってくるかで、感情にも大きな影響を受けています。怖いものを見ればドキドキしますし、不快なものを見れば嫌な気持ちになりますし、美しいものや可愛らしいものをみれば温かい気持ちになります。

そして、良い気分になれるものを好きになります。素晴らしい景色や可愛らしい動物を見て、気分が良くなることでそれを好きになり、「また行きたい」「また見たい」「また会いたい」という気持ちが生まれてくるのです。

つまり、あなたがどんな顔をしているか、そしてその表情からどんな印象を受けたかが、相手があなたに抱く好感度に直結するということです。お互いの好感度が高いほど、コミュニケーションも温かくスムーズなものになりますから、気持ちの良いコミュニケーションを望むならば、表情も含めてしっかり意識を持っておくことが大切なのです。

良い表情を生み出すコツ

とはいえ、ではとりあえずいつもニコニコしていようと思っても、なかなかそうはいかないものです。生きていれば色んなことが起こりますし、不安や心配は尽きず、ストレスが溜まることもありますよね。

表情は無理やり作ることもできますが、それをしてもしんどくなってすぐにやめてしまうでしょう。貼り付けた表情を長く持続するのは困難です。

ならばどうしたら良いかというと、自然と良い表情になれるような“行動”を意識することです。表情は行動に自然とついてきます。例えばスキップしているときは自然に笑顔がこぼれやすいですが、下を向いてトボトボ歩いていると暗い表情になりがちです。好きなペット等と触れ合っている時は優しい顔になりますが、大嫌いな害虫を見たら険しい顔になるでしょう。

それぞれ、そういう表情をしようと思ってしているというより、そういう表情になるような行動をとっているから自然に表情がついてきているということです。

ということは、良い表情が生まれやすい行動を増やしてみれば、良い表情が増えることになります。例えば、なるべく顔を上げて胸を張って歩くようにするとか、人や物に対して嫌な部分を探すより良い部分を探すようにするとか、ほんの少し行動を変えるだけでも表情はかなり変わってきます。

なにから手をつけたら良いか悩んだ時は、言葉の使い方を変えてみてはいかがでしょうか。例えば、「すみません」を「ありがとう」に変えるだけでもいいのです。「すみません」は謝罪のイメージが強く、どちらかと言うと“萎縮”や“恐縮”といった気持ちと表情を生みやすい言葉です。これを「ありがとう」という“感謝”と“喜び”が詰まった言葉に変えることで、言った方も言われた方も良い気持ちと良い表情を生み出すことにつながっていきます。

自分の顔は自分が一番みていないと申し上げましたが、自分の言葉は自分が一番近くで聞いています。つまり、自分が使う言葉については、その影響力を最も近くでもっともダイレクトに受けているのは自分自身なのです。

ですから、「美味しい」「嬉しい」「楽しい」といったプラスの感情を表す言葉を増やすようにすると、それを耳元で聞いている自分の気持ちがプラスに動きやすくなり、それが良い表情を生むことにもつながっていくと言えます。

“笑う角には福来たる”という言葉がありますが、良い表情こそが、良い状態や良い結果のタネです。自分の表情にもう少しだけ興味を持って、良い表情を生み出す行動を増やしていきましょう!

山本衣奈子

山本衣奈子

山本衣奈子やまもとえなこ

プレゼンテーション・プランナー

<ご本人からのメッセージ> 私は大学時代は演劇を専攻、在学中にイギリス・ロンドン大学のドラマ科に留学しました。演劇というと、ストイックな役作りや身体表現をイメージされることが多いのですが、演劇は総合…

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