「決断」は、「断つことを決める」と書く。
「何を断つかが大切だよ」
と、かつて、いろんな社長に言われた。
「始めることよりも止めるほうが難しい。まして、人に止めさせるのは、もっと難しい」
と、わたしにおっしゃったのは、ある製薬会社の社長だった。
「何年も研究しているのに結果が出ない。でも、19年研究してもダメでも
20年目にうまく行くこともある。逆に30年研究してもダメかもしれない。
会社としては、これまでも何億もつぎ込んでいる。そして、何人もがその
研究に打ち込んできた。その研究を『止めよう』と言うのは、本当に
つらいんだよ」
そうおっしやった。
先日、昔の仲間と飲みに行った。彼女は、ヘビースモーカーだったけれど
タバコを吸わなかった。
「医者にタバコかお酒がどちらかを止めるように言われたの。お酒を止めるの
寂しいからタバコを止めた」
そう言っていた。タバコ嫌いのわたしとしては、結構嬉しい。(笑)
50歳を過ぎてからいろんなものを手放してきた。セミナールーム、
広いオフィス、めんどくさい人間関係。
「常に身軽でいたい」
そう思った。理由は、簡単。やりたいことがいっぱいあるから。やらなければ
ならないことに縛られたくなかったから。
ところが、不思議。手放したつもりが、また、他から新しいものが入ってくる。
いろいろ断ったつもりが、ぜんぜん、断ててなかったりする。断ったはずの
人間関係が戻ってきたり、形を変えて、別のものが入ってきたり。つくづく
「決断」って、おもしろいと感じている。
それでも、今年、大きなものを3つ断つ決心をしている。どれも10年以上も
続けてきたものばかり。それらを断った後、どんな世界が待っているのだろうか。
どんなことが起きるのだろうか。今は、ワクワクしている。きっと、年末には
このエッセイを読んでくださっているメンバーにも報告できるはず。ところで、
みなさんは、どんな「決断」をされますか?


大谷由里子おおたにゆりこ
(有)志縁塾 代表取締役
京都ノートルダム女子大学卒業後、吉本興業株式会社に入社。 横山やすしのマネージャーを務め、宮川大助・花子,若井小づえ・みどりなどを次々と売り出す。 23歳の時には、テレビ番組「花王名人劇場」のプロ…
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