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2011年03月01日

やっていいことと悪いこと

 わたしも含めて、講師をしているからって、素晴らしい人間でも何でもない。
泣いたり、笑ったり、やきもちやいたり、失敗したり。伝えたいことがあって、
聴いてくれる人がいるから講師をさせてもらっているだけで、りっぱなわけでも何でもない。

 そんなことは分かっている。それでもやっていいことと悪いことはある。
「感謝」とか「マネジメント」なんて話をしている講師に、
「人を出し抜く」などということはやって欲しくない。
なのに、そんな講師もいる。

 わが社でも事件は起きた。自分が大切に育てたつもりの講師だった。
「講師になりたい」と、やってきたメンバーを0から講師として稼げるようにした。
彼らのマネジメントをしながら、一緒に成長したいと思っていた。

ところが、リーマンショックで数字を落とした時だった。
彼らは、わが社の顧客名簿に、
「大谷さんの許可を得ているので、直接仕事をください」と、営業をかけた。

わたしは、まったく知らなかった。
お客さんからそれを聞いた時のショック。

 何もお客さんを一人占めするつもりなんてない。
わたしから離れたいならそれでもいい。ただ、おとなの離れ方をして欲しかった。
嘘でも自分が講演で話をしているように、「感謝」と「つながりを大切に」を
形だけでも実践して欲しかった。

 かなりショックだったわたしは、講師も辞めようかなあと…、思っていた。
「わたしこそ、信望なかったのかなあ」と、真剣に思った。
なまじっか、自分が講師としてのスキルとテクニックを教え込んだだけに、
そんな人たちを講師として世に出したことが、すごく悲しかった。

この一年間、いろんな場所で、彼らが呼ばれて、
そんなことを知らないお客さんたちに、
「やっぱり、大谷さんとこにいた人たちは違うね。良かったよ」
と、言われるたびに、悪口を言うのも嫌だし、つらかった。
だからこそ、自分が、この世界にいることが嫌になった。

 そんな中で、わたしを立ち直らせてくれたのも、仲間の講師だった。
自分が「講師塾」で育てていたメンバーだった。
「僕たちは、大谷さんとやって行きたい」「大谷さんのマインドを伝えたい」
そんな言葉をくれた。めちゃめちゃ嬉しかった。

もう一回、自分が信頼できる講師を、売って行こうと思った。
もう一回、自分が大好きな講師が世に出る手伝いをしたいと思った。
これがわたしの本音。講師は、口先だけであってはいけない。
お金のためだけであってもいけない。
これがわたしの信念。

大谷由里子

大谷由里子

大谷由里子おおたにゆりこ

(有)志縁塾 代表取締役

故横山やすしさんのマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし、一時は“伝説のマネージャー”として騒がれた大谷由里子氏。その後もベンチャー企業の社長やフリーのプロデューサーとし…

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