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2012年12月10日

恥をかいた分だけ人間関係の輪が広がる  ~毎日、恥をかいていますか?

私は毎日、いくつかの恥をかいています。「恥をかく」という経験は、普通の人であればできる限り回避したいと考えるのではないでしょうか。日々の生活において、人は大抵、恥をかかないように、一般の社会常識に基づいてそれなりの注意を払って行動するのが普通だと思います。

私は毎朝4時30分に起床し、6時15分に家を出て書斎に向かいます。書斎までは歩いて13分ですが、その間、様々な人々を見かけます。その中の一人に、80代と思われるおばあちゃんがいます。

そのおばあちゃんは、朝早くからいつも同じ場所に座って外の新鮮な空気を満喫しています。朝、私がその場所を通ると、おばあちゃんは、「おはようございます」、「このところ、ずいぶん寒くなりましたね」、「いってらっしゃい」というように、その都度、簡単な挨拶をしてくれます。現在は、私自身、おばあちゃんとの会話は「朝の楽しみの一つ」となりましたが、正直に言いますと、最初に話しかけられた時はかなり驚きました。

話しかけかれるようになってからしばらくして、「他の通行人の人たちにも同じように挨拶をしているのだろうか」と疑問に思うようになりました。そこで、いつの日か、歩きながらおばあちゃんが座っている場所を通る人たちの様子を見てみると、おばあちゃんは、そこを通るほとんどすべての人々に挨拶していることがわかりました。

おばあちゃんは、特に、精神的な病を持っているわけではありません。都心に住んでいると感覚が麻痺しがちになりますが、本来、相手を知っているかどうかにかかわらず、「早朝において行き交う人々に挨拶する」という行為は、言うなれば、”ごく自然な行為”として捉えることができます。

例えば、カリフォルニア州などのアメリカ西海岸地域では、朝、ウオーキングやジョギングをしていると、行き交う人々に”Hi! Good morning!”、または、How you doing?と、笑顔で声をかけることはごく普通の行為です。西海岸地域は、自然環境・気候共に、そこに住む人々の心をハッピーにさせる好条件の生活環境であるため、行き交う相手と面識があるかどうかにかかわらず、朝の挨拶は普通に行われています。そう考えると、私自身、「東京の閉鎖的な生活スタイルにかなり毒されてしまっていたのだ」という見方もできます。

本来において、そのおばあちゃんにとって「知らない人に挨拶する」という行為は、ごく自然な行為であり、”極めて日常的な習慣”なのだと思います。実際、自分から積極的に挨拶すると、朝の過ごし方が楽しくなり、心の中で「もうこんな時間だ。今日もあの人が来るかな!」など思いを巡らし、「自分はこのコミュニティーで意気揚々と生活しているんだ!」というような”生き甲斐”さえも感じるようになります。

挨拶は一つの例ですが、毎日、色々な人々とコミュニケーションを図るとき、「恥をかいてみよう!」と思いながらコミュニケーションを図ってみると、多くの場合、相手との距離感がなくなり、かなり打ち解けて話ができるようになるものです。

「恥をかいた分だけ、人との輪が広がる」、このように考えると、「毎日、積極的に恥をかこう!」という気持ちになれます。もちろん、社会生活において、守るべき一定の常識・マナーはありますが、それを守るという前提において、読者の皆さんも積極的に恥をかいてみたらいかがでしょうか。

毎日、積極的に恥をかけばかくほど、一般世間に蔓延する「しがらみ」や「固定観念」がいかに無意味なものか、”確かな実感”として感じるようになると思います。

生井利幸

生井利幸

生井利幸なまいとしゆき

生井利幸事務所代表

「ビジネス力」は、決して仕事における業務処理能力のみを指すわけではありません。ビジネス力は、”自己表現力”であり、”人間関係力”そのものです。いい結果を出すビジネスパーソンになるためには、「自分自身を…

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