現在、生井利幸事務所・銀座書斎では、2012年度社会貢献活動として教養講座、「哲学」(総論・各論)が開講されています。この教養講座は、一回限りの講座ではなく、年間を通して計14回受講できる通年制の連続講義(講義は、わたくし生井利幸が行っています)。この教養講座の受講費は一切無料としていますが、受講希望者は事前に選考試験を受ける必要があり、第一次試験は小論文試験、第二次試験は面接試験となっております。現在、この教養講座を受講している受講生はすべて、そうした厳しい試験を通過した方々。そのため、講義においては、すべての受講生が「極めて厳格な雰囲気」で講義を受けています。
銀座書斎で開講されているこの教養講座「哲学」は、言うなれば、古代ギリシアにおいて哲学者・プラトンがアテネの西郊外に開設した「アカデメイア」(紀元前387年開設)を、わたくし生井利幸が現代社会において再現した”学問所”。したがって、銀座書斎で行われる哲学の講義は、そのすべてが、「公平無私な学問の精神」を基盤として行われ、講義を受講する受講生においても、世俗的な損得勘定や私利私欲を一切捨て去り、まさに、「無の境地」で学問を学ぶことが期待されています。
損得勘定・私利私欲を捨て去るということは、つまり、「世俗的な利益を期待することなく、清らかな心で”無の境地”に入る」ということ。人は大抵、(1)「・・を学んで・・の資格を取りたい」、(2)「すぐに役に立つ知識・スキルを身に付け、給料を増やしたい(キャリアアップを図りたい」という如く、何らかの利益を追求して勉強するのが普通。しかし、この講義を受ける受講生はすべて、そうした世俗的な損得勘定は一切捨て去り、「学問を通して真理を探究する」という崇高な理念の下で極めて熱心に勉強に励んでいます。
無心の境地で勉強する人はまさに「本物」。本物の勉強意欲に「曇り」「限り」はありません。教養講座の受講生におけるその勉強ぶりは、まるで”新進気鋭の学者の卵”のような様相です。
この「無の境地」を基盤とする学習経験。わたくしは、このような学習の精神を企業研修に取り入れることができるものと考えています。企業研修は、通常、社員に対して「即戦力となる知識・スキル」を教えるもの。しかし、実際、すぐに役に立つ知識・スキルは、”一時的”には役に立ちますが、個々のビジネスパーソンの仕事人生において数十年規模のスパンにわたって威力を発揮するものではありません。
では、真の意味で「価値ある企業研修」とは一体どのような研修内容を指すのでしょうか。それは、「ビジネスの根本の根本」を教える研修であると、わたくしは捉えます。具体的には、(1)「ビジネスの根本の根本と何か」、(2)「本来において、個々の企業体は一体どうしてビジネスを行うのか」、(3)、「企業は、自らのビジネスを通してどのように一般社会に対して貢献していくことができるのか」、(4)「企業が哲学するべき『人間の幸福の追求・実現』とは何か」等、わたくしは、ビジネスにおける根本問題について研修を行う企業体が増えていくことを切望しています。
個々の企業体が、(世俗的な利益追求の実現ではなく)社会貢献の実現という観点から「無の境地」を基盤として社員研修を行うと、実に、「相当なる成果」が出ることが予想されます。もちろん、このような観点からの研修を行うには「妥当な事前準備」が必要とされ、研修を行う講師における教養・見識においても「相当なる”深さ”・”濃さ”」が求められます。
「私利私欲・損得勘定を捨て去り、真に価値のあるビジネスを行う」、わたくし自身、このような厳格な精神を堅持して正しいビジネスを行っていた会社が潰れたという話は聞いたことがありません。一方で、(1)「簡単な方法で簡単に利益を出そう」、(2)「大勢の人々を騙して商品・サービスを売り続けよう」、(3)「商売は、”いかに人を騙すか”で決まる」という考え方でビジネスを行う会社は、「一時的に儲けることができても、やがては鍍金が剥げ、倒産!」という結末を迎えます。実際、「詐欺まがいの会社が倒産!」という話は、実に頻繁に耳にします。
わたくしは、常に、多くの企業体が、「正しい経営」、そして、「正しいビジネス」を実践していくことを強く願っています。一度しかない仕事人生、そして、その仕事人生は、本当にあっという間に終わってしまう”極めて短い時間的空間”。そうした短い時間的空間だからこそ、すべてのビジネスパーソンが、迎える一日一日において、「実りある時間」を過ごし、「遣り甲斐のあるビジネス」、「真の意味で価値あるビジネス」に励んでいただきたいと切望しています。
生井利幸なまいとしゆき
生井利幸事務所代表
「ビジネス力」は、決して仕事における業務処理能力のみを指すわけではありません。ビジネス力は、”自己表現力”であり、”人間関係力”そのものです。いい結果を出すビジネスパーソンになるためには、「自分自身を…
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