2008年09月02日

名前よりも、"中身"を見極める見識を養おう

先日、佐賀県姫野市で講演をしてきました。
今回は、日本固有の宗教である神道の聖職者の皆さんの前でお話をしてきました。

今回は、非常にユニークな講演会でした。
姫野市には2日ほど滞在しましたが、1日目に懇親会に出席。
講演は2日目に挙行という面白いスケジュールでした。

1日目の懇親会において、ある出席者から大変参考になるお話をうかがいました。
その方は、以下のような話をしました。

「以前、テレビにも頻繁に登場する有名な先生の講演会に出席したのですが、
どうしたことか、講演会場では、聴講者のほとんどが居眠りをしていました。
世間であれほど名前が売れている有名な先生でも、
講演会場で大勢の人の前で話をするとなると、ただ単に、
壇上で無表情な顔つきで喋るだけでは通用しないということを実感しました。」

これを読む皆さんも同じことを感じると思いますが、
これはまさに「講演術・話術におけるすべてのポイントを凝縮した話」だと思います。
即ち、講演会においては、講演者自身がどんなに有名な人であったとしても、
よほど工夫を凝らして話をしない限り、
会場で聞き手の関心・注意を引き付けられるのは、
講演がスタートしてから僅か10分から20分程度です。

当然ながら、講演会場における聞き手の多くは、最初は、
「有名人だし、面白そうだから聞いてみよう」という理由から、
どのような内容の話であっても、最初の10分程度は話を聞こうとします。

しかし、聞き手の期待を裏切り、
講演者の話の内容がつまらないものであれば、聞き手は次第に飽きてきます。
飽きてくると、どんなに話を聞こうと努力をしても、
頭も体も言うことを聞きかなくなります。
だんだんと聞き手の頭が揺れはじめ、やがて、すっかりと居眠りをしてしまいます。
講演会場において、このような人が大勢いると、その後、
会場でどのようなムードで講演が行われていくのかは誰でも想像できることです。

このことは、次のことを教えてくれます。

1) 有名人でも、それなりの工夫をして話をしなければ、
  10分もすれば聞き手は飽きる
2) 講演者にとって最も重要な要素は、自身の知名度よりも講演自体の"中身"。
   講演者が有名人でなくても、聞き手にとって興味深く、
   そして、ためになる話をすれば聞き手の心を掴むことができる。
3) コミュニケーションは、結局、「その場でいかに心と心が触れ合うか」である



概して、世の中には、"有名人病"という病気にかかっている人が多いと思います。
しかし、この病気にかかっている人であっても、大抵は、
実際に有名人を目の前にすると、「人間はやはり、"中身"が肝心である」
という極めて大切なポイントに気づきます。

このことは、より良いコミュニケーションスキルを考える上で、
私たちに対して"極めて大切な気づき"を与えてくれます。

日々のビジネスシーンにおいても、
組織や個人の名前だけでものの価値を判断するのではなく、
しっかりとした理性的思考・判断を通して、
きちんと「中身」を見極められる見識を養いたいものです。
"ビジネスパーソンとしての命"が大地(荒々しい現実のビジネス社会)に
根付くのは、このことを身をもって理解したときではないでしょうか。

名前に惑わされるのではなく、「本当の"本物"を見極める見識を養うこと」こそ、
ビジネスパーソンとしての力量を養うことに
直結することになるものと私は考えます。