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2010年02月19日

次世代の”つぶやき”コミュニケーション―『ツイッター』って、本当のところどうよ?(1)

これまで本コラムでは、「話を聞く技術」、「雑談力」、「質問させる方法」、「プレゼン」、「つかみの話」など、とりわけ<対面コミュニケーション>におけるスキルについて書いてきました。

今月と来月は、これまでとは少し趣向を変えて、新しいコミュニケーションスタイルと言われる「ツイッター」(Twitter)について、私の体験を交えながらご紹介していきたいと思います。

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私が「ツイッター」という言葉を生まれて初めて聞いたのは一昨年、08年10月のこと。ITジャーナリストでベストセラー「ネット未来地図」(文春新書07年10月発行)を書いた佐々木俊尚さんにラジオ番組でお話を伺ったのがきっかけでした。

その時は、Amazonなどでよく目にする「お勧め機能」(「この商品を買った人はこんな商品も買っています」というような機能)が今後ドンドン進んでいく、という佐々木さんの話に興味をそそられ、「ツイッター」には関心が向きませんでした。

・「通常の退社時間より4時間遅くこの駅で電車を降りたあなたには
  夜食が美味しい24時間営業のスナックが3軒見つかりました」
・「ご一緒に下車した女性は終電に間に合いません。
  送るなら○×タクシーの利用クーポンをクリックしてください。
  ホテルをご利用になるなら現在近くに3部屋の空室があります。
  サイトの中の割引クーポンをホテル入り口で掲げてください」

「お財布ケータイ」の普及により、ネットがドンドン個人生活に入り込んでくる、なんて話で盛り上がった記憶があります。
「携帯のカメラを街角でかざすと、画面に映った店の上に、漫画の吹き出しのように文字が浮かび上がり、その店の一押しメニューや利用者の評判、値段の情報が出てくる」という夢物語のような話にわくわくしたのもですが、それに近いことが既に今では実現しているから驚きです。

当時、佐々木さんは「ツイッター」についても熱く語っていました。しかし私は「お勧め機能」など「人や物の履歴を正確に補足し対応するコミュニケーション」に目を輝かせたのとは対照的に、「人と人がゆるくつながるコミュニケーション、ツイッター」には、実のところあまり興味をそそられませんでした。

梶原「それって、何ですか?」
佐々木「つぶやくんですよ、140文字以内で」
梶原「そんな短くぶつぶつ言ってどうなるんですか?」
佐々木「人と人がゆるやかにつながり合うんですね」
梶原「ゆるくつながって何をしようというんですか?」
佐々木「独り言をつぶやき合うコミュニティーが形成され、それが力になるんです」
梶原「そんなんで儲かるんですか」
佐々木「情報収集もさることながら、つながっていること、
      どのようにつながり、どういうつながり方をするかによるでしょう。
      それを、つながりの社会性といいます」
梶原「へー」

「お勧め機能」の近未来的エキサイティングな話に比べると、「ゆるくつながるつぶやき、ツイッター」の話に食らいつくことも無く、あっけなくスルーしてしまったのです。

ところがそれからまもなくオバマさんが大統領選挙でツイッターを活用した、という文脈で、日本でも「ツイッター」という言葉がにわかに表舞台に登場し始めます。

さらに、佐々木さんからお話を伺って半年を過ぎるころから、ビジネス系の雑誌では、「ツイッター革命来る」が「ツイッターを仕事に生かす」になり、やがて「ツイッターに乗り遅れたあなたのための」みたいな特集を組み始めます。

「佐々木さんから話を聞いたときに始めておけば良かったのに、今更なあ」と忸怩たる思いでいた昨年11月1日。たまたまツイッターを武器に活動する、慶応大学SFCのデジタル系研究員松村太郎さんとお話しする機会がありました。
「遅いとか、今更とかいう問題じゃなくて始めちゃった方が良いんじゃないかなあ」とのお言葉に、デジタルに比較的詳しい番組スタッフの協力を得て、ツイッターデビューをすることとなったのです。

(私の悪戦苦闘ぶりは、是非実物をご覧下さい、そして、フォローミー!)

ここまでお読みいただいておわかりのように、私が始めたのは「今更」な昨年11月のこと。しかし、今から考えると、これが、一般的にはそんなにも遅いスタートではなかった、ということがのちに分かるのです。

ツイッターが一般名詞として認知されるのは昨年末から今年にかけて。一般紙が「今からでも間に合う」なんてタイトルで記事にし始めるのも、今年になってからです。最近ではテレビの奥様番組でもツイッター特集を組んだりしています。登録者の数も日に日に倍々ゲームで伸びていくような感じです。週刊文春によれば、今年中に、日本人の10人に一人が「つぶやき」を始めると予想しています。1千万人ですよ!

その使い方は人様々です。
ツイッターの女王と呼ばれる歌手の広瀬香美さんや、かの勝間和代さんは、ツイッターを入り口に自分の多用な活動を詳細に記した何種類ものブログやネットに誘導しています。読者に有益なネット記事や資料へも繋げてくれます。実に賢明なツイッター利用法です。

140文字の制限は、単なる入り口と考えれば、莫大な量の情報を伝えることが可能です。企業なども、そのような使い方で、ツイッターに関わって来ています。

「○×物産の人事をやっている鈴木と申します。
当社では新入社員若干名募集中。詳細は(URLリンク)」

ただし、単発でこれをやっても効果はありません。日頃から、○×物産の鈴木さんは、多くの人が読みたくなるようなつぶやきや情報をドンドン打ち込んでおかないと、フォローする固定客がつきません。固定客が少ないと、効果半減です。

楽天の三木谷社長や、ソフトバンクの孫社長も、日頃、人間味あふれるつぶやきを繰り返しながら、要所要所で商売につながる情報を伝えようと努力なさっているようです。
ツイッターが縁で、ラジオ番組のスポンサーになった企業も出始めています。

私にツイッターを始めるよう背中を押してくれた松村太郎慶応大学SFC研究員の場合。文章はごく短めですが、常に最新のデジタル情報を惜しげもなく読者に公開し続けるということで、フォロワー(固定客)を増やし続けています。情報学を学ぶ学生にとっては無料で講義を受けているようなものです。140文字で完結させようとしないタイプの典型。これも多いにありだと
思います。

結果的には、パソコンやケータイがらみで、私がこれだけ「早期に」関わることになったのは初めての体験です。「デジタル音痴」の汚名を着せられていた私がツイッターにおいては「結構早い時期から食らいついてましたよね」なんて「ほめてもらう」事さえあったのです。おだてに乗せられて、iPhoneまで購入してしまいました。

あれから4ヶ月。
私のツイッターぶりはどうなっているのか?
ツイッターで私の生活の何がどんな風に変わったのか?
得したのか?損したのか?どんなことやってるの?
あなたにとって「今更」始めた方が良いのか、悪いのか?

リアルな「梶原ツイッター体験」の詳細は、次回じっくり!

梶原しげる

梶原しげる

梶原しげるかじわらしげる

フリーアナウンサー

1950年生まれ。神奈川県茅ケ崎出身、早稲田大学法学部卒。文化放送にアナウンサーとして入社。92年からフリーとなる。 バラエティーから報道まで数々の番組に出演し、49歳で東京成徳大学大学院 心理学研…

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