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2009年12月18日

つかみをどうする?(前編)

社内研修のリーダー役を命じられたり、プレゼンテーションをさせられたり、
朝礼で気の利いたことを3分ほど喋らされたり。
人前で話さなければならない機会はいやでもやってきます。

せっかくなら「ウケたい」、「おもしろいと思ってもらいたい」と感じるのが人情です。
そのための第一関門が、まず「つかみ」です。

今月と来月の2ヶ月にわたって、この「つかみ」についてお話したいと思います。
前編はまず、私が今まで聴いてきた、すばらしい「つかみ」の数々をご紹介いたします。
後編は、「では具体的にどうすれば『つかめる』のか」というテクニック面について、
お話していきたいと思います。

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話のプロは、みんなそれぞれつかみの「技」を持っています。

あるカウンセリングの研修会でのこと。
主催者側の司会者は大先生を紹介するのにいささか緊張気味に略歴を読み上げます。

「これより御講演いただくのは、嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室を経て
1995年に原宿カウンセリングセンターを開設。
各種の依存症やドメスティック・バイオレンス、
子どもの虐待などに悩む本人や家族へのカウンセリングを行い、
著書に『母が重くてたまらない 墓守娘の嘆き』、『加害者は変われるか』、
『家族収容所』など
著書も多数お書きになっていらっしゃる信田さよ子先生です。先生、どうぞ」

まじめな受講者は硬い表情で、それでも大きな拍手で迎えました。
演題を前にマイクを持った先生は一言、

「新郎新婦でもないこんなおばさんに盛大な拍手をありがとうございます」。

これだけのことで先ほどまでの緊張は一気に解き放たれ、
折々に研修者から気軽に質問が飛び出すほど、
その後の講演は和気藹々とリラックスしたものになりました。
最初のつかみは大事だなあと感じました。

また、これは私が担当している神楽坂カウンセリングの所属先、
社団法人日本青少年育成協会の何十周年かの記念講演でお見えになった
藤原和博さんのケース。
民間会社から公立中学の校長先生に転じて活躍。教育改革の旗頭のお一人です。

藤原さんは登壇するなり右から左に歩きながら、

「皆さん、私の顔をヨーク見て下さい。そっちの方も、ほら。どうです。
誰かに似てませんか。
あちらの方、誰に似てると思います?え、そう、その通り。
『さだまさし』ですねえ(笑い起こる)。
昔っから、さださんのそっくりさんといわれてきました。
そのさださんとこの前、最近の教育問題を話したんですがね…」

『日本の教育をどうする!』と大上段に振りかぶらず、
会場を和ませてから自然に教育問題の本質に切り込んでいく。
実にうまい「つかみ」を披露してくれました。

また、「笑いを取る」ことだけが「つかみ」ではありません。

これは先日、招待を受けて参加した和田裕美さんのセミナーでのこと。
“世界でナンバー2のセールスレディー”として、
著作や講演で人気の和田裕美さんは、
東京フォーラムの大ステージ奥から、スポットに照らされ、ゆっくり無言で前に進む。
神妙な顔をしてようやく語りはじめました。

「私も、そしてみなさんも、今日、この会場にいる全員が
100年後にはこの世にはいないんですよね」。

子供達が集まる会場なら反論の余地があるかもしれません。
100年後も元気で生きている可能性も無くはないですからね。
しかし、この日の、平均年齢30才オーバーの聴衆にとっては
いきなりずばりの真実を突きつけられ、しーんと静まりかえります。
しらけたのではなく、集中したのです。

『わくわく元気に楽しく生きていこう』という趣旨の会に
もっともふさわしくないように見える一言が、一瞬にして心を一つにしたのです。
「私たちみんな死んじゃう。だからこそ、クヨクヨうじうじ悩んでるなんてもったい無い。
大事な今を精一杯楽しく生きる道を、一緒に探していきましょうよ」。
これで、聴衆は「わー!(大拍手)」。
こういう「つかみ」もあるのです。

このような「プロの技」をそのまま、まねる必要はありません。
プロもみんな「つかみ」に工夫してるんだなあ、という事実を把握していただければ
それで結構なんです。

では次回は、皆さんが実際に「つかむ」時にどうしたらいいのかを具体的にお話していきます。

梶原しげる

梶原しげる

梶原しげるかじわらしげる

フリーアナウンサー

1950年生まれ。神奈川県茅ケ崎出身、早稲田大学法学部卒。文化放送にアナウンサーとして入社。92年からフリーとなる。 バラエティーから報道まで数々の番組に出演し、49歳で東京成徳大学大学院 心理学研…

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