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2008年10月15日

我慢よ、さようなら

2回に渡り、受け止め方を変えることがストレス対策になることをお話ししました。

一流のスポーツ選手には精神力の強さを感じることが多々あると思います。アスリートたちは体だけをトレーニングしているのではなく、メンタルトレーニングもしっかり行っていますよね。そのトレーニングの中に、現状の受け止め方をポジティブに変える、というものもあるのです。

なぜこのようなことが必要かというと、ポジティブな受け止め方をすることでポジティブな感情が生まれ、感情がポジティブな状態であると体がリラックスし、本来の身体能力が発揮できるというメカニズムが考えられているからです。この考え方をスポーツだけではなく、日常生活に活かしてもっと自分をよりよく機能させたいものですね。

さて、そうは言っても受け止め方を変えたって、押えきれないネガティブな感情から抜け出せなくなってしまうこともあると思います。どんなにポジティブに受け止めようとしても、腹が立つものは腹が立つ、悔しいものは悔しい、といった状態は私自身も体験します。このような時、多くの場合はその感情を引き起こす原因となった「誰か」の存在がありませんか?上司や部下、同僚、友人や家族など、その誰かとの関わりにおいて嫌な感情を持ったのではないでしょうか。味わっているその感情を処理するには、その人との関わりによって生じた感情なのだということを、その本人に知らせることでしか解決できないこともあるのです。

その場合、ひとつの対処法として「相手にその抱いた感情を素直に爽やかに伝える」というやり方があります。「アサーション」というコミュニケーションの手法です。「ぶつける」のではありません、「伝える」のです。ここが大きな違いで意外と難しい。

普段、自分の感情を抑えっぱなしでいると、いざ伝えようとするとき抑えていた感情が一気に噴き出し、「キレル」という状態になってしまうこともあります。このような状態はその後の人間関係にヒビが入ってしまう可能性もありますからできれば避けたいものです。皆さんは、自分が味わっているネガティブな感情を他者にリラックスして爽やかに伝えることができますか?感情をため込む前に、我慢しすぎる前に、早急に相手に「さらっと」自分が嫌な気持ちになっていることを伝えられたら、かなりストレスが少ない日々が過ごせると言っていいでしょう。

では、もし今、嫌な感情を味わっていることがある人は想像してください。その感情を味わっていることを、その相手に伝えているところを。どうですか?スッキリしましたか?スッキリした方の中には、「ばかやろー!」「お前はサイテーだ!」「ふざけんなー!」…このように言った方もいるかもしれませんが、これは、ぶつけていますね(笑)。これを現実にしていたら、その後の関係はうまくいかなくなる可能性が高いのは百も承知。だから言わずにいるんですよね。また、伝えているところを想像できない方も多いのではないかと思います。その原因のひとつは、私たちは自分の感情や気持ち、意見を他者に適切な方法で伝えるやり方を教わっていないからです。「適切な言い方を知っていたら言うのに、なんて言ったらいいのかわからない」。ですから、我慢せざる得ないということも言えるのです。

以前、このようなことを話してくれた方がいました。「私は自分の言いたいことを我慢しているうちに、言いたいことが言えなくなって、そのうち自分が何を言いたいのかさえわからなくなっていた」と。言いたいことがあるのに言えない、という状態は心の健康を害す原因にもなります。抑え込んだ行き場のない感情はストレスとして生まれ変わり、心身の健康に悪影響を及ぼします。ですから、ため込む前に言葉にして伝える習慣を作ってほいしいのです。今までずっとこらえてきたから、言葉に出して言うことはとても勇気が要ると思います。

こんな方がいたのも思い出しました。「言いたいことを言わずにいる人生より、言いたいことを言う人生に切り替えます。それでダメになる関係なら要りません!」と。この方は言いたいことを言わずに生きていましたが、勇気を出して突破する道を選びました。もちろん「言い方」はしっかり練習して。その練習の仕方を次回ご紹介します。

まずは「勇気」を「言う気」に変えることからスタートです。

岩井結美子

岩井結美子

岩井結美子いわいゆみこ

株式会社コンシャスインターナショナル代表取締役

営業、人材教育、コンサルティングとさまざまな現場での活躍から心療内科の心理カウンセラーへ転進。カウンセリングの現場で女性患者へメイクを施したことで、心理的な問題の解決につながったことをきっかけに、メイ…

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