2019年09月20日

女性新任管理職のサポート方法

 前回は、女性活躍推進を、研修を通して実施していくまでのポイントをお伝えしました。今回は、女性管理職が少ない中で、女性の新任管理職が活躍し続けられるようになるまでのサポート方法をお伝えしたいと思います。

 正直なところ、日本企業は、男性が働きやすい、男性の仕組みで出来上がっています。その仕組みの中で女性にも活躍してほしいというのは、難しい部分があります。特に管理職ともなると、一気に男性カラーが強くなります。「そうはいっても、女性管理職として我々についてきた人も過去にはいましたから」そうおっしゃる企業もあるのですが、はっきりいって、過去、管理職として活躍してこれた女性は、男性社会に合わせることができた人たちです。私自身もその時代の人間なので、やはり男性たちに認めてもらうためには、男性に合わせることがシンプルでした。しかし、それではもう、今の女性たちは、管理職を目指しませんし、途中で心が折れることもあります。

 私の女性向け新任管理職研修では、発言の仕方、ネゴシエーション、振舞いなどをお伝えしています。これは、なかなか研修のテキストに文字として落としづらく、口頭で話すことが中心です。お伝えしているのは、簡単に言えば、処世術です。男性に合わせるというのとは少し違い、認めてもらうための手法です。合わせるとなると、過去の男性社会に合わせて生き残れた時代の女性管理職を育てることになってしまいます。そうではなく、自分らしさを失わず、うまく立ち回ってもらう手法です。

 以前、キャリアカウンセリングに来られた女性が、会議の際に、正論をプレゼンしたのに、男性たちから総スカンだった。
私、何か間違っていますか??と悔しそうにご相談されたことがありました。

 おっしゃる通り、彼女の通したかった提案は、会社にとってもお客様にとっても、間違っていない正論。しかし、手法を間違ってしまったのかもしれません。そう、その会議には彼女の味方がいなかったのです。

 良し悪しではなく、目的は彼女の意見を通すこと。であれば、そのために必要なことは味方づくり。彼女の意見を後押しし、賛同してくれる人が必要なのです。そのためには、会議の前に、参加される人たちに相談したり、意見をもらったり、あるいは誰が反対意見を持っているのかをヒアリングするなどの事前の行動が必要だったのではないかと思いました。そうすることで、反対意見の人が誰で、なぜ反対かがわかり、プレゼンの対策が取れますから。

 男性が普通に気を付けていることを女性は知らないことも多いのです。でも、誰もそれを教えてくれずに玉砕してしまい、管理職としての自信を失くされる方もいらっしゃいます。優秀なのに、もったいない。そんな想いもあり、研修では処世術をお伝えしているのです。

 一方、そんな彼女たちがしっかりと管理職として泳いでいけるためには、しばらくは周囲のサポートが必要です。

 ということで、彼女たちの上司にあたる管理職向け研修も同時に実施することがあります。意図は、彼女たちの味方になってほしいからです。ワンオンワンを導入し、定期的に状況の共有をすることで、相談しやすい関係を築いていただきます。新任管理職が陥りがちなことは、一人で抱え込んでしまうこと。管理職になったのだから、と責任を持って自分でなんとかしなきゃ、の気負いから、誰にも相談せずに抱え込んでしまうのです。初めてのことですから、どこまで自分で抱えたらいいのかわからなくて当然です。役職を担ううちに、徐々に責任の範囲、どのような状況を任せた方がいいのか、相談すべきなのかがわかってきますので、そこまでサポートできるとよいのではないでしょうか。

 上司向け研修では、部下とのコミュニケーション方法、支援方法を学んでいただき、また、やりとりをしてみてどうだったか、上司も女性の管理職を育成したことがない人も多いですから、迷っている方もいるため、研修でポイントをお伝えしたり、ケーススタディで考えてもらうなどの内容を実施しています。

 もちろん、新任管理職のために、性別に関わらず、そのようなサポートは必要かもしれません。しかし、少数派の女性管理職は、目立つ存在です。失敗すると、目立ちます。やっぱり女性は管理職には向いていないんじゃないか・・・。とまだ思う人も周囲にはいます。だからこそ、独り立ちするまで、また、女性の管理職が増えるまでサポートは必要です。

 このように、本人と周囲の両輪で走っていくことが理想ではないか、と思っています。

 研修は、スタートの時だけでなく、フォローアップも、ある程度は実施していただくことをお勧めします。これは、永遠にやる、ということではなく、管理職の割合がバランスよくなるまで、続けてみてはいかがでしょうか。