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篠原一之

篠原一之篠原一之しのはらかずゆき

長崎大学大学院教授/ 小児精神科・心療内科医師/ 株式会社マザー&チャイルド代表取締役

篠原一之

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長崎大学医学部卒業、東海大学大学院博士課程終了後横浜市立大学、バージニア大学等を経て、現在、長崎大学大学院神経機能学教授。また、小児精神科・心療内科医師でもあり、臨床現場の声にも日々耳を傾けている。フェロモンや香りによる女性のうつや不安の緩和法、乳幼児行動・母性行動などを研究テーマに、自身が代表取締役を務める株式会社マザー&チャイルドでは、医療応用を目指した、乳幼児の表情や泣き声で気持ちを判断する「感情翻訳機」や、母親向けの子供の個性を生かした育児支援プログラム(胎児~乳幼児)、母親や子供をリラックスさせる天然由来匂い成分を提供。

出身・ゆかり

専門分野

健康/美容/子育/育児/脳科学

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経歴

1984年
長崎大学医学部医学科卒業。国立精神神経センター研修医。 
1990年
東海大学大学院医学研究精神科学修了。東海大学医学部精神科学教室助手。 
1993年
北海道大学医学部第2生理学教室助手。 
1995年
横浜市立大学医学部第2生理学教室講師。 
1997年
オランダ、グローニンゲン大学、客員講師。米国、バージニア大学、客員講師。 
2001年
獨協医科大学生理学(液性統御)助教授、大学院医学研究科兼任。 
2002年
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科医療科学専攻 病態解析・制御学講座 神経機能学分野(旧生理学第二講座)教授。 
2005年
株式会社マザー&チャイルドを設立。代表取締役を務める。 

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主な講演テーマ

「香りによる女性ホルモンに関連した精神的不調の代替医療」

「香りによる女性ホルモンに関連した精神的不調の代替医療」

女性の心は、女性ホルモンの変動に翻弄されて変化を強いられます。その結果、月経周期ごとに訪れる月経前緊張症、出産後に訪れるマタニティーブルー、加齢の過程で訪れる更年期障害等のメンタルな問題に苦しまねばなりません。更に、現代社会においては、それら女性ホルモンが変動する時期でなくても、ストレスによって女性ホルモンの分泌の低下が起こり、メンタルな問題を抱え込むことも少なくありません。女性ホルモン変動に伴って生じるメンタルな問題として、睡眠障害、過食、イライラ、不安、うつ等があります。これらの症状は、脳科学的には、視床下部(本能[睡眠、食欲]の中枢、女性ホルモンの分泌の中枢)、大脳辺縁系(情動の中枢)の機能障害によってもたらされると考えられます。一方、視覚・聴覚刺激と異なり、嗅覚刺激は大脳新皮質を介さず、直接、大脳辺縁系、視床下部に作用することが知られています。そこで、女性のメンタルな問題を、匂いによって脳機能やホルモン分泌を変えることによって改善していくことを考えました。脳機能やホルモン分泌を変える匂い物質についてお話ししたいと思います。

「母と子の五感を介したコミュニケーション:胎児期から乳幼児期まで」

「母と子の五感を介したコミュニケーション:胎児期から乳幼児期まで」

近年、「子どものいじめ」や「切れる若者」に関する報道は後を絶ちません。これら問題の根底には、子どものどうしのコミュニケーションがうまくいっていないことがあるのは明らかなのですが、未だ解決に至っておりません。今や、インターネットや携帯を介して情報はあふれており、それらは顔の見えぬ相手から一方的に送られてくる言語的情報です。誰もが、直接会って言葉以外のコミュニケーションが大事なのはなんとなくわかっています。また、一般的に、対面して話す場合のコミュニケーション法は、言語が20%前後で非言語が80%だと言われています。この非言語的コミュニケーションが今回の講演のテーマです。非言語的コミュニケーションは、言語能力が発達していない乳児期に母子間コミュニケーションを介して形成されると考えられます。では、コミュニケーションとは何でしょう?相手の気持ちを正確に理解し(感情認知)、自分の気持ちを正確に相手に伝えること(感情表出)です。非言語的コミュニケーションは五感を介して行われます。五感は視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚です。胎児期には8ヶ月でほぼ全ての感覚は整っています。特に、胎児期の聴覚、嗅覚、味覚を介した母-子のコミュニケーションは重要です。出産後は全ての感覚が大事です。視覚では、乳児は表情で自分の気持ちを表現し、母親の気持ちを汲み取ります。この時に、視線が合うこと、見つめ合うことが大事です。聴覚では、乳児は泣き声で感情を表現し、母親の話し方で感情を読み取ります。嗅覚では乳児は匂いで母親を癒し、母乳の匂いで癒されます。触覚を介したコミュニケーションには、タッチケアやカンガルーケアがあげられます。このような時代だからこそ、母子間の五感を介したコミュニケーションを科学し、得られた知見を育児現場に応用していくことが大事であると思います。

「親子の絆の脳科学」

「親子の絆の脳科学」

人類において、「愛」を超える報酬はないと言われています。「愛」とは、総じて愛着関係にある特定の個体同士が抱く陽性感情で、時にはリスクや負担を伴いうる他者とも「絆」と呼ばれる特殊な関係性(安定的でかつ利他的な人間関係)を形成することができます。現在、ヒトにおける様々な情動の神経基盤が明らかになりつつありますが、ヒトの「家族愛」というカテゴリーで、その構成員の間に築かれる「愛」の家族愛の神経・遺伝基盤を解明しようという研究はありません。「家族」の構成員は、一般的には祖父母、父母、子であると考えられます。家族の生物学的意義は、一義的には子を“適切なパートナー選択”を可能にする「愛着行動」を身につけるべく養育し、更なる次世代を創出することにあると考えられます。子の「愛着行動」のパターンは自らの遺伝子的背景と共に、両親、祖父母の養育行動によって形成されると考えられます。かくて、父母、祖父母の養育行動を動機づける「愛」の神経・遺伝子基盤の解明は重要です。また、子が「愛着行動」を身につけていく強い動機付けは、父母、祖父母に対する「愛」という感情です。しかし、幼少期の父母、祖父母に対する依存的な愛着関係は、思春期を迎えると反抗期を迎え、対象や関係性自体にも変化が生じます。親友、恋人ができ、家族から独立し、社会的・性的同一性を獲得するのです。そこで、本セミナーでは、主に、家族「愛」の中でも、母性「愛」、父性「愛」、祖母性「愛」に加えて、思春期前後の男子の母親に対する「愛」の発達的変化について、神経・遺伝的基盤について概説いたします。

「匂いとアンチエイジング」

「匂いとアンチエイジング」

人類は、文明の黎明と共に「匂い」を祭祀・儀礼に使い始めました。また、「匂い」は心身の健康や美容を増進する経験の蓄積から、アロマセラピーとして代替医療の一つとして確立してきました。さらに、植物の精油を用いたアロマテラピーに対する関心が高まりつつあり、女性を中心に家庭でも気軽に用いられるようになってきました。しかし、その科学的検証、エビデンスは必ずしも確立されているとは言えない現状です。一方で、ストレスの多い現代社会では、アロマセラピーは主に「癒し」効果にフォーカスされていることが多いのですが、逆に我々は、ストレス社会であるからこそ、より「逞しい生命力」、「ホルモン分泌」をもたらす匂いにフォーカスすべきであると考え研究を行ってきましたので、本講演では、まず女性ホルモン分泌メカニズムについて説明し、その分泌変化によって生ずるエイジングについてご紹介し、その症状を匂いで改善する方法(アンチエイジング)を提案します。

「愛の脳科学:恋愛、家族愛 」

「愛の脳科学:恋愛、家族愛 」

人類において、「愛」を超える報酬はないと言われます。「愛」は、同世代間のパートナーとの間に築かれる恋愛・夫婦愛、世代を超えて築かれる家族「愛」(祖父母・父母⇔子)に大きく分けられます。ともに、子孫繁栄を目的に個体間に形成される陽性感情でありますが、前者は次世代の創造を後押しする感情、後者はこの世に生を受けた次世代(次々世代も含む)を養育する行動を後押しする感情です。生物学的子孫繁栄ストラテジーの観点から考えると、前者は生物学的あるいは文化的視点から、より良い異性を探索し、パートナー選択を効率良く行う上で必要となる感情でありますが、後者は自分とパートナーの遺伝子を受け継いだ次世代(次々世代)を養育し、効率良く遺伝子を残す上で重要な感情です。本稿では、これら感情を「愛」とし、所謂「人類愛」等の人間関係一般における陽性感情は対象とせず、「愛」とは、総じて愛着関係にある特定の個体同士が抱く肯定的な感情で、「愛おしさ」、「心地よさ」、「親密感」、「無私、或いは利他的感情」として特徴づけられます。この感情を抱くことによって、時にはリスクや負担を伴いうる他者とも「絆」と呼ばれる特殊な関係性(安定的でかつ利他的な人間関係)を形成することができるのです。

主な実績

講演実績

【講演実績】
日本タッチケア協会、ニューロサイエンス研究会、日本香粧品学会、日本アロマ環境協会、日本アロマセラピー学会、日本香粧品学会、
理化学研究所脳科学総合研究センター、筑波大学大学院、高知大学大学院、純心大学

【メディア出演】
<テレビ>
日本テレビ「世界一受けたい授業」「所さんの目がテン!」
NHK「解体新SHOW」「恋愛ゼミ」
朝日放送「やまとナゼ?しこ」

<新聞>
「東京新聞」「西日本新聞」「産経新聞」「長崎新聞」「日経新聞」

<雑誌>
「AERA With Baby」「日経ヘルス」「Health&Beauty Review」「日経サイエンス」

【その他】
<特許公開>
2008-107711「作曲支援方法」
2008-086669「妊婦を介して胎児に影響する映像及び音響の評価方法とその装置」
2007-249878「診断及び保育支援システム」
2007-106720「ストレス軽減剤」
2007-106719「新生児由来成分を用いたストレス改善用組成物」
2005-241428「卵巣ステロイドホルモンの動態を基準として分けられた特定の群に対して効能を示す物質のスクリーニング方法」
2005-089339「内臓痛緩和用組成物」
2004-339191「プロジェステロンの変化に伴う不快症状の改善用組成物」
2004-339154「性欲促進用組成物」

<国際特許>
2007/102505「乳児の情動を判定する方法、そのための装置とプログラム」
2007/043712「感情評価方法および感情表示方法、並びに、それらのための、プログラム、記録媒体およびシステム」

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