2019年10月10日

Vol.12

『こども六法 』ー山崎聡一郎氏ー

思春期真っ只中の悩める中学生・高校生に、そして、その保護者の方、また、教育関係者に向けて、「講演会のプロが選ぶ!中学生・高校生にすすめたい本」をご紹介いたします。

第12回は、教育研究者でミュージカル俳優の山崎聡一郎氏著『こども六法 』 (弘文堂 )です。

中学生・高校生にすすめたいポイント

『こども六法』 (山崎 聡一郎)

法律はみんなを守るためにある

本書は、著者の山崎聡一郎さんが小学生のときに経験したいじめ被害から「当時の自分に法律の知識があれば自分を守れたかもしれない。」その思いをきっかけに生まれた本です。

法律というのは、私たちが自由で安心な生活を送るためにあるにもかかわらず、非常に難しい言葉で表記されています。

「こども六法」では、「刑法」「刑事訴訟法」「少年法」「民法」「民事訴訟法」「憲法」「いじめ対策推進法」と章立てし、子どもたちがいじめから身を守るための法律の知識を中心に、関係する条文をわかりやすい言葉と親しみやすいイラストで紹介しています。

その行為って実は犯罪かもしれない?

SNSでの悪口書き込み、仲間はずれ、集団での暴力行為。また、年齢を偽って買い物をしてしまったり・・・。 子どもたちの世界では、様々な問題が起きています。学校内のことだから、子どものすることだからと言って、問題がなかなか表面化されずに、悲しい思いをしている人がいるかもしれません。しかし、それらの問題は、法律に照らし合わせてみると実は、犯罪行為にあてはまることかもしれず、知っていたら、何か対処方法が見いだせるかもしれません。著書内でも、身近で起きているかもしれない事例をイラストを用いてわかりやすく説明しています。

刑法って?

刑法とは、「これをやったら犯罪」というリストで、安全な生活を守るためのルール。SNSでの仲間はずれ、悪口書き込みの問題や、暴行の問題などは刑法にふれる可能性があるそうです。

スマートフォンで「死ね」って言ってない?

例えば、スマートフォンで「死ね」ってメールを送り相手が自殺してしまったら・・「自殺関与及び同意殺人」にあたるかもしれません。また、直接ぶったり、けったりするのは、「傷害」ですが、相手が体調をくずすほどのストレスを与えた場合もこの「傷害」に当てはまるそうです。

トイレの個室に閉じ込めてバケツで水をかけたら?

人に乱暴な行いをしたけれど、相手にケガをさせなかった場合は「暴行」に。相手にケガを負わせていなくても、トイレの個室に閉じ込めて、扉の上からバケツで水をかけたら「暴行」にあたるそうです。

大人のフリをして買い物をしたら?

人と人の争いを解決する基準となる民法。「あなたは20さい以上ですか?」という問いに「はい」と答えて買い物をしたら。未成年者がうそをついて契約を行った場合は、その行為を取り消すことができまないそうです。

大人はいじめを防止する責任がある

本書の最後の章には「いじめ対策推進法」が紹介されています。
現行の日本の法律では「被害者が嫌だと思ったらいじめ」となります。たとえ加害者がいじめではなく、悪ふざけという認識であっても、先生がいじめではなく、遊びと見えてもです。

「いじめ対策推進法」では、殴る、蹴るだけの暴力だけでなく、たとえば、授業中に友達に手をあげて発言するようにうながすような日常的なやりとりであってもいじめの可能性を疑うよう大人に求めています。そして、いじめをうけている子どもを必ず救い出し、いじめを防止する責任があることが明記されています。

講演のプロから伝えたいこと

「いじめの問題」は大人の責任

著者の山崎さんは、「いじめの問題は大人の責任であり、いじめ問題を含め、問題が深刻化してしまう背景には、大人たちが『見て見ぬふり』をしてしまう場合がしばしばあるからだ」と述べられています。

「こども六法」は、子どもたちのSOSに根拠をもたせることによってSOSを受けた大人が積極的に問題解決に動けるようにすることが目的です。山崎さんも仰っていましたが1教室に1冊「こども六法」を置くことが子どもたちを救う1歩につながると私も強く思います。ぜひ、学校の先生に提案してみてください。

そして、子どもたちだけではなく、子どもたちと接する大人たちにもこの「こども六法」で改めて自分たちに関係している問題であることを認識し、何ができるかを考えるきっかけにしてほしいと思います。

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