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『僕たちは14歳までに何を学んだか』ー藤原和博氏ー

藤原和博

「朝礼だけの学校」校長

思春期真っ只中の悩める中学生・高校生に、そして、その保護者の方、また、教育関係者に向けて、「講演会のプロが選ぶ!中学生・高校生にすすめたい本」をご紹介いたします。

第六回は、都内では義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校校長を務め話題となった教育改革実践家藤原和博さんの著『僕たちは14歳までに何を学んだか』 (SBクリエイティブ)です。

『僕たちは14歳までに何を学んだか』 (藤原 和博)

中学生・高校生にすすめたいポイント

本書は、教育改革実践家として活躍する藤原和博氏が、「何かの壁を突破しようとする者たちには、共通して『根拠のない自信』(自己肯定感)と、それに裏打ちされた行動力は、どこから来るのか?」ということを探るためキングコングの西野亮廣さんホリエモンこと堀江貴文さんSHOWROOMの前田裕二さんDMMの亀山敬司さんといった、いずれも藤原氏がリスペクトする、親交が深い4人の時代を代表する革命家にインタビューした本です。

そして、「彼らが14歳までにどんな風に遊び、学び、育ったのか?子供のころ何をゲットしたことが今の『根拠のない自身』と行動力に結びついているのかという謎解き」をした一冊です。

西野亮廣さんが14歳までに学んだこととは?

お笑い芸人としての枠を飛び越え、現在、ベストセラー絵本作家。またビジネスの分野でも、国内最大の有料会員制コミュニティー(オンラインサロン)「西野亮廣エンタメ研究所」主宰ほか、芸能界初となるクラウドファンディングプラットフォーム「シルクハット」をスタート。その西野亮廣さんが14歳までに学んだことは?

「相手の脳を頭に入れる」

西野さんは小学校から帰ると5歳上の兄といつもオセロをしていました。

「オセロは、自分が置きたいところに駒を置くゲームじゃないんです。相手が『ここに置かれたらイヤだな』って思うところに駒を置くゲームなんですよ。だから、僕が兄ちゃんと対戦するときには、『兄ちゃんの脳みそを一回自分の頭に入れる』っていう作業をするんです。言ってしまえば、他者目線になったほうが勝つんです。」

相手の脳を頭に入れるっていうのは、どんなことをするのにも価値を発揮します。新しいビジネスを考えたとき、それを受け取る側がどう反応するのか。ひとりでシミュレーションできるので、成功の可能性も高まるし、商品・サービスの質も高められます。

堀江貴文さんが14歳までに学んだこととは?

実業家として活躍するだけでなく、宇宙ロケットの開発やスマホアプリの開発を手掛けるなど幅広く活動を展開。 そんなホリエモンこと、堀江貴文さんが14歳までに学んだことは?

「ゲームチェンジ」

ゲームチェンジというのはビジネスにおける従来の枠組み・ルールを破壊し、新たなものに切り替えていくことを言います。

堀江さんはこれを得意としています。適切な例ではないかもしれませんが、収監中でありながら有料メルマガや書籍の刊行などでお金を稼げることを示しました。さらにHIU(堀江貴文イノベーション大学校)という新たな枠組みでのビジネスを開拓しています。このすべての基礎は小学生時代に築かれたそうです。

「学校のテストの点は良かったんだけど、ドッジボールとか体を動かすスポーツ系の遊びは思うようにできなかった。それが当時不満だったんですよ。そこで、どうやったら他の奴よりも優位に立てるかを考えて、ドッジボールではなくて知的な陣取りゲームを流行らせるとか。子どもって、目先のものが面白ければ、誰が裏で糸を引いているかまで気づかないじゃないですか。」

そうして遊びを自分の得意な分野へとチェンジしていったわけです。

前田裕二さんが14歳までに学んだこととは?

前田裕二さんは、誰もがスターになれる仮想ライブ空間を運営するSHOWROOM株式会社の代表取締役。ライブストリーミングサービスという新しいネット上のサービスを立ち上げ、表現の場を提供。 前田裕二さんが14歳までに学んだことは?

「人生の手綱は自分で握る」

前田さんは8歳のころに母親を亡くし、10歳離れた兄とふたりきりになってしまったそうで、食い扶持を稼ぐためにギターの弾き語りを街頭で行うことに。ただ、自分が好きな曲を歌ってるだけではお金はもらえない。そこで、歌う曲をオリジナルから流行歌に変えてみたり、リクエストを受けた曲を一週間かけて仕上げてみたり…そうやって試行錯誤してお金を手にしてきたそうです。

自らの表現でお金を稼いできた経験から、立ち上げたサービスが「Showroom」。自分が弾き語りでやってきたことを、多くの人にそれができる場を提供することでサポートしています。

亀山敬司さんが14歳までに学んだこととは?

亀山敬司さんはオンラインゲーム、動画配信などが楽しめる総合エンタメサイトDMM.comの創立者です。サイト運営のみならず、有望な会社のM&Aを繰り返すなどして、業種の幅、業績を拡大させています。亀山敬司さんが14歳までに学んだことは?

「多様性」

呉服屋、写真館、キャバレーなど亀山さんの育った家はいろいろな商売をやっていたそうです。

キャバレーを業としていたときには、お店で働く女性が同じ家の中で寝泊まりをしているような環境にあったようです。そこに働きに来ていた女性はさまざまなバックグラウンドを抱えており、ひとの多様性もそこから学んでいたようです。だからたくさんのM&Aを行うことに躊躇がないし、水商売の影響もあってかアダルト動画を取り扱うことに抵抗がないように思われます。

多様性を認めるって、昨今の流行り言葉ですが、その成功例がここにありました。

突出する人物の共通点

こだわりが強いから、試行錯誤を続ける根気があって、成功するまであきらめない

4人のインタビューを通じ、「14歳までにどんな勉強をし、どんな経験をするといいのか?何が突破する力の根っこだったのか?どんな経験が『引き金』を引いたのか?」といった疑問に対して、パターンにはまる正解は見出せなかったそうです。しかし、例外なく、彼らは14歳くらいまでにちゃんと遊びまわった人々だそうです。

突出する人物に共通点があるとすれば、GIサミットに集う起業家や研究者、求道者たちを見ている限り、子どもの頃どこかの時点で、何かをきっかけに過剰に集中する癖を見せ、その集中力を温存している点であると述べています。

こだわりが強いから、試行錯誤を続ける根気があって、成功するまであきらめないのです。

「根拠のない自信」を持っている

また、「未知の世界に、計算が未完で読みきれなくても突っ込んでいくパワーを皆、持っている。この踏み出す勇気については、誰かに無条件に愛された経験は、わからない世界に向かっていく『根拠のない自信』の基盤になっているような気がする」とも述べています。

これからの子どもたちへ 藤原氏のメッセージ

自分自身をレアカード化しろ!

「これからの子どもたちは、自らを希少性のあるものに育てなければならない。学歴が高いことにあぐらをかいて情報処理力だけを高めても、処理仕事はAI武装したロボットかクラウドに奪われる。みんな一緒でいい時代は終わったのだ。自分固有のオリジナルでユニークな『希少性』を磨くことが、世界50億人がスマホで繋がる未来における『信用』のあり方なのだ。また、遊ばなければ『情報編集能力』が育たない、そしてその遊びの中にある『熱狂』が自分を育てるのだ」とメッセージを発信しています。

講演のプロから伝えたいこと

【中高生の皆さんに】AI時代に備え自分を『レアカード化』させて欲しい

中高生の皆さんは、学校に部活に塾に習い事。友人とラインもしなくてはいけないし、instagramもチェックして、流行のYou Tuberもチェックしているとあっという間に一日がすぎてしまいますね。しかし、日々なんとなく忙しいといっただけで流されるのではなく、何かに熱中し自分だけの何かを見つけ、突き進んで欲しいです。与えられるものに身をゆだねるのではなく、与えられたものでも、そこに何かしら「自らの意思」をもって取り組んでもらい自分のスキルを積み上げ、色々なことに挑戦して欲しいです。

【保護者の方たちに】「根拠のない自信」の基盤を育む接し方を

藤原氏は、著書の中で保護者の方たちに、メッセージを送っています。それをご紹介させていただきます。

親にできることは二つしかない。
子どもが何かに没入し、集中して向かっていくときに邪魔しないこと。
できたら、その突進を応援してあげること。
それと、条件をつけずに無条件に子どもの成長を見守ること。
それが「根拠のない自信」の基盤を作る。

藤原和博

藤原和博

藤原和博ふじはらかずひろ

「朝礼だけの学校」校長

1955年東京生まれ。東京大学経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任後、ヨーロッパ駐在、そしてリクルート社初代フェローとなる。2003年より都内では義務教…

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