2018年10月19日

Vol.7

乳幼児の防災ー奥村政佳さん(おっくん)ー

1月の草津白根山の本白根山の噴火をはじめ、2月の福井の大雪、6月の震度6弱を記録した大阪府北部を震源とする地震、7月に発生した西日本豪雨、日本列島を東から西、西から南へと異例のルートで逆走した台風12号、9月には震度7を記録した北海道胆振東部地震、10月は台風による塩害など、2018年は多数の災害が発生しています。

異常気象や自然災害が異常ではなくなってきた昨今、親子で防災意識を高め、自然災害から身を守るためにはどうすればよいかを気象予報士、防災士でもあり主任保育士としての勤務経験もあるRAGFAIRのおっくんこと奥村政佳さんにお話を伺いました。

普段生活をしていて「こんな自然災害には要注意!」という事象がありましたら教えてください。

雪国から亜熱帯まで、そしてまた四季折々の美しい姿を見せる日本の気象は、さまざまな災害とも隣り合わせです。

たとえば―

春は周期的に低気圧が日本付近を通り、その中で急発達したものは「メイ・ストーム」と呼ばれる春の嵐になることがあります。強い風で天気は大荒れ、山では雪崩、海では高波、雪国では猛吹雪をもたらすこともあります。行楽シーズンまっただ中、レジャーなどの予定は天気予報をしっかりチェックして、無理せずに!

19959444_1448780041877954_6264581716909183789_n 夏は猛暑とゲリラ豪雨。いまや熱中症で救急搬送される年間の患者数は、気象現象にまつわる中ではダントツのトップ。もう立派な「気象災害」です。暑い日にはゲリラ豪雨の危険性も増加。空が急に暗くなり、冷たい風を感じたら雨はもうすぐそこです。

秋にかけては台風に注意。飛来物によるケガも増えています。風が強いときは窓からできるだけ離れ、雨戸がない場合はカーテンやブラインドを閉めておきましょう。停電にも備えてスマホの充電をお忘れなく。

そして冬。やはり雪にまつわる心配が。雪の多い地帯では強風を伴うと視界がほとんどなくなる「ホワイトアウト」になることも。普段雪が少ない地域でも、日陰などに残る雪が翌朝に再び凍ることで、転倒事故の危険性が高まります。骨折などの大ケガにもつながるため、ご用心を!

自然災害が多発する中、万一、災害にあってしまった場合、子どもの心のケア方法や被災した子ども特有の言動など、災害復興ボランティアなどの経験も交え教えてください。

子どもたちは災害時の恐怖から、親と少しの間でも離れることを怖がる「分離不安」と呼ばれる心理的な症状や、避難所生活や環境の変化のストレスによって、おねしょや食欲不振などの身体的な症状が出ることが報告されています。

また「地震遊び」「津波遊び」など、大人が一瞬戸惑うような遊びをする事例も多く見られます。いずれにしても、子どもなりに様々なストレスを昇華させるプロセスだと考えられています。注意したり無理に止めたりせず、そっと見守ってあげましょう。

地震による被害のあった道路 2018年の北海道胆振東部地震では、安平町(震度6強を記録)にある「はやきた子ども園」も大きな被害を受けました。園が仮復旧した直後、私自身も保育ボランティアとしてお手伝いに伺いましたが、3歳児が「先生、道路がけがしちゃったんだよ」と自分なりに災害をとらえている逞しさと賢さに驚きました。発災直後は、大人もどうしても余裕が少ない時期かもしれませんが、ありのままの子どもの姿に寄り添い、できるだけ普段通り笑顔で接することで、自身の持つ力で徐々に心の平穏を取り戻してゆきます。

子どもたちとマスコット子どもたちがストレスから解放される「遊び」は心のケアに大きく寄与します。しかし被災すると、避難所や災害復旧に使われるなどして運動場や広場が使えなかったり、壊れた建物や作業車両による交通量の増加などで、自由に遊べる環境は大きく減ってしまいます。キッズスペースや運動場など、子どもの居場所や伸び伸びと遊ぶ機会を確保してあげることも大切でしょう。

親子でできる防災への取り組み、また、天気を楽しく学べる方法などがありましたら教えてください。

普段から家族で避難場所や手順のシミュレーションをしておきましょう。家にいるときだけでなく、通学路、公園、もし家でもお風呂に入っているときに地震が起こったら、、、?と、ぜひ一度雑談の流れでもいいので、お子さんに質問してみてください。一人のときにどのように行動するか、意外と大人よりもしっかりした答えが返ってくるかもしれませんよ。

備えとしては、万が一のために非常持ち出し袋を用意しましょう。最初は完璧でなくてかまいません。「まず作ってみる」ことが大切です。1000円の予算でも最低限のものは作れます。乳幼児がいる家庭は、オムツやおしりふき等の衛生用品、哺乳瓶やスティックタイプミルク、月齢に合わせたレトルトの離乳食なども入れておくようにしましょう。

天気を楽しく学ぶ方法は、ずばり「天気予報」を見ることです。晴れ、くもり、雨だけではなく、天気には無限のバリエーションがあります。前の日の天気予報から、次の日の空を想像することで、自然と空や風を見ることが増えますよ。

自分自身も園庭のない保育所に勤めていた経験と大学院での研究結果を元に、「SORAKIDS」というWEBアプリケーションを開発しました。かわいいイラストで表現した天気予報ページです。実際に保育所では、自分で天気予報を始めちゃった年長さんも。ページは無料で公開しているので、ぜひアクセスしてみてくださいね。