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教えて!ささき隊長 ー都会でも自然がいっぱい!楽しく親子で思い出作りー

ささき隊長

プロの自然解説者

目次

健やかに元気に成長するため、子どもには様々な経験をしてもらいたい。そして、できれば自然の中で、様々な動植物にふれあい、命の大切さ、自然のきびしさ、尊さなどを学んで欲しい・・・子どもと一緒に遊び、思い出を共有したい。しかし、自然にふれあう場所が近くにない。自然にふれあう為、遠出をする時間もない。そのため、思い出を作る時間がないといってあきらめている保護者の方は多いのではないでしょうか?実は、都会のど真ん中でも自然とふれあい、親子で楽しく思い出作りは可能です!

今回、テレビ東京「池の水ぜんぶ抜く」に企画及び出演、BS日テレ「それいけ!アンパンマンくらぶ」にレギュラー出演、また世界文化社の幼児向け雑誌「ワンダーランド」に「季節の自然遊び」を連載しているささき隊長に大都会の自然について、また、自然で学べること、自然の中での遊び方や思い出の作り方、自然の中で気をつけなくてはならないことなどなど、教えていただきました!

都会のど真ん中でも驚くほど多くの種類の生き物がいるそうですが、どんな場所にどんな生き物がいるのか一例を教えていただけますか?

せみ五感をよく働かせて歩けば、野山はもちろんのこと、大都会にも驚くほどいろいろな野生の生き物がすんでいることに気がつきます。街路樹からは、時間帯によって、違う種類のセミの鳴き声が聞こえてきます。たとえば東京23区内では、午前中はミンミンゼミやクマゼミ、午後はアブラゼミ、夕方はツクツクボウシなどです。鳴いているセミの種類によっておおよその時間帯がわかるのです。このことを「セミ時計」といい、むかしの人は、これをけっこう頼りにしていたものです。

また、赤信号で車やバイクが止まると、歩道沿いの植え込みから、ツヅレサセコオロギやハラオカメコオロギの鳴き声が聞こえてくるものです。街ではコオロギが鳴いていないのではなく、私たちが聞く耳を持たないだけなのです。

カワセミトリミングさらに、都会の河川には「水辺の宝石」と呼ばれるカワセミが、意外によくいるものです。それは、以前に比べると水がきれいになったこと、また、そこに小魚やエビなどが復活し始めていることを示しています。 身近な生き物の息吹に敏感になれば、毎日の暮らしが、もっと楽しくなるでしょう。

最近ではTVゲームなど子どもたちの遊びがインドア化している印象があります。自然遊びを通じて、子どもはどのようなことを学び、どのように成長しますか?

自然に親しむことは、子どもたちに、じつに多くの良い影響を与えてくれます。それらの中でも、次の3つは「3大効能」と呼びたいほど、重要なものだと思います。

1.多様性を知る

まず、「多様性を知る」ということです。鉄道好きな子どもが、今走っているJRの特急列車の名前を全部言えることはあっても、虫好きな子どもが、校庭にいる昆虫の名前を全部言えることは、まずありません。また、特撮ヒーローに夢中な子どもが、歴代のヒーローの名前を全部書き出すことはできても、花の好きな子どもが、公園に咲く花の名前を全部書き出すことは、まずできません。それほど、自然界には、たくさんの生物が存在しているのです。そして、それらのどれひとつをとっても、この世にいらないものなどはないのです。必ず、自然界で、何かの役に立っているのです。このことは、人間教育にもつながると思います。同じ子どもなどひとりもいないし、いらない子どもなどひとりもいないのです。

2.究極の癒しを与えてくれる

次に、「究極の癒しを与えてくれる」ということです。私たち大人でも、ほんとうに辛いことがあって、人に相談しても解決しないとき、海を見に行ったり、森を歩いたり、花に語りかけたりするものです。それは、自然は、とてつもなく大きな癒しを与えてくれるからです。子どもでも同じです。ダンゴムシの前から動かない子どもは、何かとても辛いことがあり、それに深く癒されているのかもしれないのです。

3.思い通りにならないことの存在に、改めて気づく

さいごは、「思い通りにならないことの存在に、改めて気づく」ということです。現代の子どもは、むかしの子どもに比べ、かなり恵まれています。もちろん例外はありますが、多くの場合、食べる物、着る物、住む所などがあり、また、まわりの大人に注意をされることも少なくなりました。しかし、自然に関してはそうはいきません。丹精込めて育てたチューリップが咲いてくれないこともあれば、同じクラスのほとんどの子どもが見たアゲハチョウを、自分は目にできないこともあります。この時、この子は、「自然だからしかたがない」といったんあきらめ、「では、どうしたら咲いてくれるのだろう」と考えます。そして、いつか、見事な花をつけてくれた時、何倍もの感動を得ることができるのです。

親子で自然遊びをすることによって多くの学びや思い出が出来そうですが、中には生き物(特に昆虫など)が嫌いな子どもや大人も。生き物嫌いを克服する方法や子どもに、自然に興味をもってもらう極意などありますか?

嫌いな生き物を急に好きになることは、かなり難しいことです。ただ、大嫌いを嫌いに変えたり、嫌いを普通に変えることは、少し工夫をすればできます。

1.個体ごとの個性に注目!

まず、個体ごとの個性に注目することです。たとえば、ダンゴムシがたくさんいる場合、親子でしばらくそれらを観察し、それぞれの特徴に気づくのです。その後、「どのダンゴムシが好きかな。お母さんは、この黄色い点々がたくさんあるやつが好き。」などと子どもに話しかけます。すると子どもも、「ぼくはこの小さくてかわいいやつが好き。」などと答えるでしょう。すると、少なくとも、自分の選んだダンゴムシには、愛情が深まるものです。

2.擬人化してみよう!

次に、それらを擬人化してみることです。「この黄色い点々のあるダンゴムシ、あまり動かないね。疲れているのかな。」とか、「この小さなダンゴムシ、お腹がすいているのかな。」などと会話をしているうちに、最初は顔を近づけることも嫌がった子どもが、それを手の平にのせたりしだすのです。

この手順を、いくつかの生き物で行なっていくうちに、みな、ある程度、生き物好きになっていくものです。

自然のものを使って、親子で楽しく遊べる遊び方を紹介してください

虫とにらめっこ

トノサマバッタ大人がバッタ、トンボなど、大きめで安全な昆虫を手に持ち、子どもに虫めがねを持ってもらい、それらの顔を見てもらいます。ただこれだけのことですが、怪獣みたいだったり、誰かに似ていたりする昆虫の顔に、子どもたちは大喜びします。中には、自分もおもしろい顔を作って対決する子どももいて、大いに盛り上がります。最後に、「なぜこんな目をしているのかな」、「どこを使ってジャンプするのだろう」などと、声がけをしましょう。

葉っぱお化けをさがせ

葉っぱおばけ加工秋に、園庭、校庭、公園などのサクラの木の下に行くと、色とりどりの、昆虫などがあけた穴のある落ち葉が、たくさん落ちています。それらの中から、人間やお化けの顔に見えるものを各自1、2枚探し、黒模造紙などに並べて貼り、展覧会をしましょう。子どもたちは、何度も何度も見て、笑うことでしょう。適当なタイミングで、「目や口に見える穴は、なぜあいたのだろう」などと問いかけると、話が深まります。

赤トンボに魔法をかける

アキアカネなどの赤トンボを捕まえ、それを、机の上など平らな場所に仰向けに置き、「ポン、ポン」と、翅を軽く1、2回たたきます。すると、まるで魔法がかかったかのように、赤トンボがしばらく動かなくなるのです。やがて、気がつくと、飛んでいきます。これは、急に天地が逆さまになったことにより、混乱状態にあるためと言われています。

自然の中で遊ぶときに気をつけることを教えてください

1.安全にはじゅんぶん配慮する

まず、安全にじゅんぶん配慮するということです。身近な場所にも、スズメバチの仲間やチャドクガなどの危険生物がいる可能性がありますので、それらの被害にあわぬよう、気をつけて行動します。スズメバチの仲間を避けるには、黒いかっこうをせず、お弁当に鶏の唐揚げを入れず、甘い香りの化粧品をつけないことが重要です。また、チャドクガから身を守るには、葉の食われたツバキ、サザンカ、チャノキなどに近寄らないことが大切です。けがや熱中症などをの対策を含む、それらの予防や応急処置の用品は、常に持っていなくてはなりません。

2.自然保護にできるだけ配慮する

次に、自然保護にできるだけ配慮するということです。花や葉を必要以上にとったり、飼い方のわからない昆虫を持ち帰ったりすることは止めます。自然に親しむために行なっているイベントが、逆に自然を大きく破壊することにつながってはいけません。もちろん、その場所が、そもそも生き物を採集して良い場所なのかどうかは、事前に確認が必要です。

子どもから“すごい!”と思われる知識などありましたら教えてください。

体から「飴のようなにおい」!? -アメンボの秘密-

アメンボは、体から「飴のようなにおい」を出すので、この名前がつきました。空から降る雨とは関係ありません。アメンボは、口で軽く刺すことがあるので、不用意につかまないようにしましょう。

1秒間になんと20回も! -カマキリの秘密-

カマキリは、1秒間になんと20回もかまを振ることができます。目にもとまらぬ速さで、チョウやバッタをとらえるのです。

トンボの名前の由来は? -トンボの秘密-

トンボという名前は、棒が飛んでいるように見えるため、「飛ぶ棒」という言葉が変化した、または、水田によくいるため、「田んぼ」という言葉が変化したと言われています。

カタツムリといえばアジサイ!ではない? -カタツムリの秘密-

カタツムリは、じつは、アジサイが苦手です。アジサイの葉には毒があり、それを食べることはまずないのです。カタツムリを飼うとき、ケースにアジサイの葉を入れることは、かわいそうなので、やめましょう。

コガネムシ?カナブン?違いは何? -コガネムシとカナブンの秘密-

コガネムシとカナブンは、 違う生き物です。コガネムシは、翅を4枚広げて飛び、カナブンは、翅を2枚だけ広げて飛びます。

ミミズの大人と子どもの見分け方 -ミミズの秘密-

ミミズの大人と子どもの見分け方は、体にばんそうこうを巻いたような部分があるかないかです。それがあれば、大人、なければ子どもです。

カルガモは重い!? -カルガモの秘密-

カルガモは、カモの中では、重いほうです。だいたい、1リットルの牛乳パック1本ほどの重さです。「カルガモは、重い」のです。

ささき隊長と身近な自然をみつけよう!

大都会でもたくさんの動植物にふれることができることがわかりました。

皆様もぜひ、安全にはじゅんぶん配慮し、親子でたくさん素敵な思い出を作ってください!そして、お子様に自然の知識をちょっとだけ自慢してみてください。お子様は、きっと目を輝かせること間違いなしです。

最後に、ささき隊長の自然観察動画もご覧ください!公園での自然観察風景や遊び方などもご紹介しています。

ささき隊長と身近な自然をみつよう! 

ささき隊長

ささき隊長

ささき隊長ささきたいちょう

プロの自然解説者

自然の大切さやおもしろさを、多くの人々と分かち合い、そのことを通じて自然を守っていきたいという思いのもと、30年以上にわたり、40万人以上の人々に、自然解説を行なってきました。 身近かな生き物から外…

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