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2016年05月25日

被災地に希望をもたらす「ロアッソ熊本」が思い切り戦うために、私たちにできること

コラムの本題へ入る前に、このたびの熊本地震でお亡くなりになられた方々へ、心から哀悼の意を捧げたいと思います。あわせて、被災された方々へ、心よりお見舞いを申し上げます。

サッカーJリーグも、地震と無関係ではありません。熊本をホームタウンとするJ2リーグのロアッソ熊本のスタッフと選手も、地震の影響を受けています。

私は5月中旬に熊本を訪れ、ロアッソの関係者に会うことができました。実家が倒壊をし、避難所での生活を余儀なくされている選手がいました。スタッフの何人かは、クラブハウスで寝泊まりをしていると聞きました。断水が続いているので、一日に何度も給水所へ通っているとのことでした。彼らもまた紛れもない被災者だということを、私は目の当たりにしました。

5月15日に行なわれたJ2リーグの復帰初戦で、ロアッソはジェフ千葉に0対2で敗れました。練習もままならないなかで迎えたゲームです。勝利を目ざす以前に、最後まで体力が持つのかという不安を、選手たちは抱えていました。

過酷な条件のなかで、ロアッソの選手たちは最後まで全力でプレーしました。必死になってボールに食らいつく姿勢に、私は「自分たちが熊本を引っ張っていくんだ」という覚悟を感じました。彼らのサッカーには、揺るぎない「魂」がありました。

再建への第一歩を踏み出したロアッソですが、クラブを取り巻く状況は予断を許しません。

ホームスタジアムが支援物資の集積と救援活動の拠点なっているため、彼らは熊本でホームゲームを開催することができません。照明の一部が壊れていたりもしているため、利用再開は現時点で7月以降にずれ込むと言われています。

このため、ロアッソはホームゲームを代替地で開催しています。ホームとアウェイを問わずに、試合のたびに遠征をしなければいけません。これまでなら発生しなかった交通費や宿泊費が、必要になっているのです。

しかも、クラブを支援するスポンサーも被災しています。地震の影響が長期化すれば、スポンサーが撤退してしまう可能性も否定できません。

つまり、収入が不透明にもかかわらず、支出が増えてしまう状況が生まれているのです。

私たちに、できることはあるのでしょうか。

ロアッソのホームゲームを、積極的に観に行くことだと思います。スタジアムへ足を運んだら、ロアッソ関連のグッズを購入することだと思います。インターネットでグッズを購入するのもいいでしょう。私自身、ロアッソの売り上げにつながる消費に、前向きでありたいと考えています。

震災のように悲しく辛い出来事に直面すると、誰しも気持ちが沈むものです。今日の食事にさえ不安を抱いているなかで、前向きに生きていくのはあまりにも難しいと言わざるを得ません。

J2リーグを戦うロアッソは、勝利のためにプレーしています。練習環境が整っていない、地元でホームゲームができないといったことを言い訳にせず、被災した当事者としての不安も押し殺し、ピッチに立っています。

チームメイトと助け合いながら、ひたむきにボールを追いかける彼らの姿は、被災地を支えていくはずです。それこそが、スポーツの力です。地域密着を打ち出すJリーグの進むべき道です。

震災からの復興には、大変な労力と時間がかかると思います。だからこそ、決して風化させてはいけない。被災地に希望をもたらすロアッソが、思い切り戦っていけるために──サッカーファミリーが手を携えて、彼らを支えていくべきだと考えます。

山本昌邦

山本昌邦

山本昌邦やまもとまさくに

NHKサッカー解説者

1995年のワールドユース日本代表コーチ就任以降10数年に渡って、日本代表の各世代の監督およびコーチを歴任し、名実ともに日本のサッカー界を牽引してきた山本氏。山本氏の指導のもと、成長をとげた選手達は軒…

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