2016年03月04日

安倍昭恵さんとの対談で学んだ会話力

 先日、大変貴重な機会を頂いて、安倍総理のご夫人である安倍昭恵さんと対談をさせて頂くことがありました。伊勢・志摩サミット開催まで100日を切ったということもあり、それに関連する話題や、それ以外にもテーマは女性の活躍や家庭でのエピソードなど多岐にわたり、あっと言う間に対談の時間を終えました。今回は、ご一緒する中で感じた昭恵夫人の会話力について触れてみたいと思います。

 昭恵夫人は、近くにいる私達をふわっと包み込んでくれるように優しい雰囲気を持たれた方で、話し方も声質も同じく優し気で、本当に気さくに色んなお話をして下さいました。

 お若いときは、政治家の妻として「何もできていない」と焦りや自信を持てない時期もあったとおっしゃり、会場からそうだったのかというように「へぇ・・・」と声が出ていました。そして今は「私は私ができること」を気負わずにやろうと決め、少し楽な気持ちになれたというお話が印象に残っています。まず、この段階でさりげなくご自身のコンプレックスの部分に触れられて、聞いている者が夫人にぐっと親近感を持った瞬間だったと思います。また第1次安倍政権の時に、安倍総理が難病の潰瘍性大腸炎を患われ、道半ばで辞任をすることになってしまった際に、周囲からの批判や注目を一身に受けた夫人の当時の心境も、言葉を適切に選ばれながら、かつ悲壮感を漂わせずに、素直な心の内をお話になっていらっしゃいました。やはり様々な葛藤を乗り越えて来られたからこその芯の強さや、迷いを吹っ切り、ある種達観されたような清々しさを感じました。女性活躍についてのお考えも聞かせて頂きましたが、全く押しつけがましさなく、しかしきっちりとご自身の考えを持っていらっしゃって、それを人にわかりやすく伝えておられるところが、本当に素晴らしいと勉強になりました。ご自身では「私はあまりお話が上手くないので・・・」とおっしゃっていましたが、人の心にすっと届くような語り口は昭恵夫人だけのものではないかと感じました。

 私も、講演や番組で考えを述べさせて頂く機会を頂いていますが、いつも難しさを感じています。100人いたら、100人全ての方が同意見ではありませんし、こちらの意図するところではない部分に反応をされるなど、色んな受け止め方、考えを持っていらっしゃいます。だからこそ、私が意識したいのは、意見の押しつけに聞こえるような表現ではなく「そういう見方もあるかもね」という提案型であることが望ましいだろうと考えています。また、それを短い時間の中で伝えることのできる頭の中の構成力も鍛えておかなければなりません。毎回の機会がその実践の場ですが、さらに向上できるようにしていきたいと思っているところです。

 一転、話が変わるようですが、現在アメリカの大統領選挙の予備選が行われていますね。その中で不動産王のトランプ氏が共和党の指名選挙を優勢に進めています。この方、先ほど私が理想とする話し方とは全く違う印象を受けます。かなりの押しつけがましさがあり、過激。とてもエキセントリック。嫌悪感すら抱く人もいる中、それも計算に入れて、良くも悪くも強烈に人の印象に残る話し方をしていらっしゃるように思います。個人的には、もしこのトランプ氏が大統領になってしまったら・・・と思うと、恐ろしさを感じてしまうのですが、今のアメリカの民意がトランプ氏のはっきり言い切る言葉を期待を持って待っているようですね。

 いずれにせよ、会話力を磨こうとする時には、自分にとってどういうイメージが似合うのかや、雰囲気を醸したいのかなど、戦略とイメージを持って作っていくことも必要なようです。