2016年01月15日

「制度」のマネジメント~3.表彰制度

 皆さんの会社では、社員を表彰したりする制度がありますか。現場のスタッフがイキイキと働いている多くの企業では、この「表彰制度」がうまく機能しています。この制度は、賃金や人事評価とは別の枠組みです。報酬としての給料が増えるわけでもないのに、社員たちがやる気を保って頑張っているのは、これが人の「承認欲求」をうまく満たしているからです。

 しかしこの表彰制度、一応やってはいるがうまくいっていない事例を多く見かけます。その理由はおおむね次のとおりです:
            表彰制度

 せっかく表彰制度があっても、それが現場の部課長の思いつきレベルだったりすると、一時的には盛り上がっても長続きしません。また何をしたら認められるかの基準がはっきりせず、上司の好き嫌いで決まっていたりすると、みなやる気をなくしてしまいます。さらに、年に一度だけの表彰などでは、人から認めてもらえる回数が少なく、息切れしてしまいます。
 表彰制度をうまく機能させるにはいくつかのポイントを押さえておくことが大切です。
 1.全社レベルで導入する
   全社ミーティングなどでこの制度の意味づけをきちんとトップが宣言し、本気度を伝える。
 2.評価の基準を明確にする
   何のために行うのか、またどんな行動が評価されるのかをはっきりと定義する(たとえば
   お互いのサポートするfor the teamの文化をつくりたい、そのために人を助ける行動を評価
   する、など)。
 3.全員を巻き込み、頻度を増やす
   一人の上司ではなく社員全員がお互いに認める互選方式にすることで、全員が評価者
   および対象者になれる。全社レベルでの表彰式は年1,2回でもよいが「感謝カード」
   などのツールを使って日々お互いを認めあえるようにする。そうすることで相手を認め
   ようとする行動が強化される。

 うまくいっている会社では、年に一度、大々的な全社レベルのイベントを行っています。パーティ形式でオープンに楽しめる雰囲気ですることが多いです。感謝カードを事前に回収しておき、その枚数や内容に応じて表彰者を決めたりします。こうした場で多くの社員を表彰していくわけですが、全員の前で承認されるスタッフは皆嬉しそうで、お金以外の自己充足感を得ているようにみえます。これはお金では得られない体験です。またこうした場は、会社側にとっても理念を伝える大切な場となります。表彰という形を借りて、ロールモデルを他に提示できるからです。この「日々の認め合い→イベントでの表彰→自己充足感→会社の理念の再確認」のサイクルがうまく回りだすと、現場のモチベーションを維持する助けとなるはずです。ぜひみなさんの会社でも表彰制度をうまく使ってください。

 「現場を活かすマネジメント」のテーマもあと2回となりました。次回は「“現場を活かすマネジメント”をしている会社に学ぶ」と題して、具体的な事例を紹介します。どうぞお楽しみに。