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2008年10月10日

ながらスクワットでやせ体質に改造

メタボ解消、シェイプアップのエクササイズというと、すぐ思い浮かべるのは「スクワット」「腹筋」「腕立て伏せ」の3大エクササイズ。だれもが、10代の頃から運動不足解消、シェイプアップというと、とりあえずこのエクササイズから始めたはずだ。

しかし、加齢とともにこの運動から縁遠くなってくる。なぜだろうか?

一つには、かなりきつい運動にもかかわらず、気持ちだけは若い頃のイメージで、一度にガンガンやろうとするからだ。風呂上りの鏡に写った、締まりのない胸、出っ張ったお腹、たるんだお尻にショックを受け、「よし、今日から、スクワット100回、腕立て伏せ50回、腹筋50回!」と決意する、その心意気にケチをつける気はないが、普段から運動不足な上に、きつい運動をまとめてやろうとしても無理な注文で、おおむね、翌日は筋肉痛、体のだるさが残り、まず間違いなく3日坊主が落ちだ。

もう一つは、この3つの運動に対するモチベーションが、加齢とともに薄れてくること。健康づくり、メタボ解消には筋トレよりもウォーキング、ジョギング、水泳といった脂肪を燃焼させるエアロビクックな運動のほうが効果的だという運動理論が蔓延しているからだ。

しかし、この3大エクササイズ、中でもスクワットは下半身の大きな筋肉を総動員し、寝ていても脂肪をよく燃やしてくれる「基礎代謝ダイエット」に通じるため、中高年のメタボ対策にとって、きわめて重要なエクササイズなのだ。

最近、出産後4ヶ月で10kgダイエットに成功した、タレントの篠原涼子さんが「やっているのは赤ちゃんスクワットと拭き掃除だけ」と発言し、一躍ながら運動ダイエットが注目されている。そのため、テレビや雑誌の取材でながらスクワットのダイエットのメカニズムに関して質問を受ける。

そこで今月は、基礎代謝ダイエットについて解説する。きっと目からウロコが何枚か落ちるはず。

基礎代謝(安静時代謝)ダイエットの仕組み
スクワットが基礎代謝ダイエットに通じるという仕組みは次の通り。基礎代謝とは体温維持、血液循環、内臓組織維持のために使われる生きていくために必要な最小限のエネルギーで、1日のエネルギー所要量(食事でとったカロリー)の約3分の2が基礎代謝で消費される。

基礎代謝が最大になるのは男性では15~16歳で、その後基礎代謝は徐々に低下し、筋肉量が落ちる40代、50代を境にして急速に低下していく。基礎代謝の最大の燃焼工場が「筋肉組織」だからだ。中年太りというのは、なにも急においしいものをたくさん食べたり、体を動かさなくなったからではなく、基礎代謝が落ち、省エネ型の体になっていくのが最大原因。

筋肉が多くついていれば基礎代謝は高くなり、少なければ低くなる。基礎代謝ダイエットとは筋トレで基礎代謝を活性化させ、寝ているときでも、電車でたっているときでも、デスクワークをしているときでも、このコラムを開いているときでも、脂肪をよく燃やす「太りにくい体質」に改造することである。

基礎代謝の研究によれば、3カ月の筋トレで3~10%くらい基礎代謝が上がる。基礎代謝がどれくらいすごいのか、数値で確認してみよう。

例えば40代、事務職、男性の1日のエネルギー所要量を2300kcal前後とすると、その3分の2の1500kcalが基礎代謝で消費される。スクワットで基礎代謝が10%(150kcal)アップしたとすると、1週間では1050kcalになる。これは、平泳ぎで90分、ウォーキングで7時間、テニスだと3時間したときの運動消費量にほぼ匹敵する。これを脂肪燃焼からみると、150kcal×365日=54750kcalとなり、基礎代謝が10%上がれば、理論的には年間で、体内の貯蔵脂肪が7.6kgも減る計算になる(脂肪1kg7200kcal換算)。

さらに、嬉しいことに、一端引き上げた基礎代謝は仕事の忙しさ、怠け心、環境などに関係なく、毎日、せっせとエネルギーを燃やし続けてくれ、さぼるということはない。実に頼もしいメタボ解消の味方だとわかる。

ながらスクワットで太りにくい体質に変える
スクワットが、シェイプアップだけでなく、実は基礎代謝ダイエットにも有効だと分かれば、やる気も湧いてくるのではないだろうか。

それでも、やはり毎日100回となれば、だれだって「うんざり、続かない」という課題が残る。そこで発想の転換。「スクワット」とはもともと「しゃがむ」という意味なのだから、難しく考えることはない。日常生活の中にしゃがんだり、立ったりの動作を意識して取り入れて、ながらスクワットにしてしまえばよいのだ。

ちなみに、私はスクワットエクササイズを、いつでも、どこでもできる、日常ながら運動として工夫し、生活のあらゆるシーンに取り入れ、1日トータルで100回以上、1年365日、毎日実践し、理想体型を維持できている。

床のゴミを拾う、荷物を持ち上げる、キャビネットの下段から書類を取り出す、自販機から取り出す、スーパー、コンビニの下段にあるものを取る、ソックスをはく、洗濯物を干す、布団の出し入れ等々の動作は全て腰を曲げずに、スクワットだと思って、ゆっくりひざを曲げてしゃがんでから立ちあがるだけだ。

きついスクワットでも、ちょこまか行うながら運動なら、やっていて疲れることも、また疲れが翌日にもち越すということもない。

恐るべし!ながらスクワットではないか。

長野茂

長野茂

長野茂ながのしげる

株式会社フィットネスビジネス研究所代表取締役

「日常ながら運動」のパイオニア。忙しい現代社会で自分のライフスタイルに無理を上乗せするような、特別な健康づくり、ダイエットはなかなか長続きしません。どんなに仕事が忙しくても、どんなに不規則な生活をして…

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