2019年02月05日

MY NAME IS WOMAN

みなさま、ごきげんいかがですか。
心臓止めて 頭を開けた 元歌手の社会保険労務士、黒田英雄です。

働き方改革は、企業側だけの問題ではなく、働く方(はたらくかた)側の意識改革でもあります。
日頃から労働相談を受けている社労士として、働き方改革に関連した労働問題をもみほぐしていきます。

今回のテーマは「女性が活躍できる環境整備」です。

女性活躍推進法の施行

働き方改革の実現に向けての厚生労働省の取り組みの中には、ダイバーシティ(多様性)推進のひとつとして「女性が活躍できる環境整備」というものがあります。
2016年4月1日からは女性活躍推進法が施行され、301人以上の労働者を雇用する事業主には、自社の女性の活躍状況を把握・分析することなどが定められました。

しかし、日本の会社のほとんどは中小企業です。
業種によって中小企業の定義は異なりますが、ざっくり言うと300人以下。
比率としては大企業が0.3%、中小企業が99.7%と圧倒的な差であることが分かります。

企業数で見るとかなりの開きがありますが、大企業にはその分たくさんの方が勤めているので、人数で見ると比率は大企業30%に対して中小企業は70%。
つまり、女性活躍推進法の対象になっているのは労働者の30%でしかないということです。

育休明けの不利益変更

労働相談に来られる方の中で多いのが、育休を終えて職場に復帰した際に、時短勤務を希望したところ必要以上に勤務時間を減らされてしまい、結果として給料がだいぶ減ってしまったというものです。
不満に感じつつも育休を取らせてもらったんだし…としばらくは我慢していたのですが、それでもやはり納得がいかずに相談に来られるという方がほとんどです。

中小企業では、育休はまだ「取らせていただく」という感覚が強いようです。
一方、大企業では制度がしっかり整備されているので、育休を取るのが当たり前になっているところが多いのですが、そのかわり復帰したとたんに退職されてしまうケースがあったりして、企業側が頭を抱えているという現状もあります。

制度よりも重視すべきもの

育休は男性でも取得できるものであり、ここ数年は取得率も少しづつですが上がってきています。
時代の流れとともに常識も変わるものなので、おそらく男性が育休を取るのは普通のことになっていくでしょう。
女性の育休取得も、中小企業にもっと浸透していくと思います。

しかし、制度がどれだけ充実しても、その先に不利益が待っていたら利用するのを躊躇してしまいますし、だったら育休を取らずに退職しようかな…となってしまうのも仕方ないことでしょう。
女性が活躍できる環境整備のためには、制度の確立はもちろん大切なことですが、いちばん重要なのは「この会社で仕事を続けたい」と思ってもらえる職場であるかどうかではないでしょうか。
それは、制度がしっかりしているはずの大企業で、育休明けに退職してしまう人がいることから見ても明らかです。

平成元年の『WOMAN』

1989年、平成元年にリリースされたアン・ルイスさんの『WOMAN』という名曲があります。
「MY NAME IS WOMAN」と歌うことで、それまでになかった独自の視点で、男性が絶対にかなわない女性の強さを表現していました。
あの時代としては、画期的な歌詞だったのではないかと思います。

そこから30年経って平成が終わろうとしている今、女性が働くのは当時よりもっと普通のことになっています。
制度や法律に関係なく、実力で経営幹部に上りつめる女性もたくさんいます。

平成の次の時代は「女性が活躍できる~」などという表現はなくなって、性別にかかわらず能力を発揮することができ、育児に参加できる世の中になっていくといいなぁと個人的には思います。
そのための職場環境を整備できる企業こそ、この先も続くであろう人材不足を乗り切っていけるのではないでしょうか。

これからもさまざまなテーマを取り上げます!

今回は「女性が活躍できる環境整備」について取り上げました。

働き方改革関連法が施行されることで、他にも影響が出る部分はたくさんあります。
来月も、また別の視点から労働問題をもみほぐしていきます。

どうぞお楽しみに!