わたしの知り合いの島根の進学校の国語の先生が、
「自分らしい教育をしたい」と、その進学校の先生を辞めて自分で塾を始めた。
そして、「島根でなかなか受けられない授業を高校生に体験させてやりたい」
と、カリスマ教師と呼ばれる人たちを招いて一泊二日の特別講座を企画された。
ありがたいことに、「大谷さんの話を高校生に聞かせてやりたい」
と、わたしも呼んでもらった。せっかくだから、カリスマ教師と
呼ばれる人たちの授業も受けさせてもらった。
そこに集まっている高校生は、ほとんどが3年生で有名大学と
いわれる大学を目指している子供たちばかりだった。だから、授業の
レベルも高い。一橋大学や東大の問題が例に出てくるけれど、わたし
なんかよりも、はるかに高校三年生の彼らのほうが理解していた。
でも、何よりもわたしが刺激をもらったのは、カリスマ教師と
呼ばれる先生たちの子供たちへの思いと、教育にかける情熱だった。
正直、偉そうに講師している自分が恥ずかしくなった。本気で毎日
生徒たちと向かい合って、生徒たちの未来を築こうとされている。
正直、講師と教師の違いをはっきりと見せつけられた。
覆面レスラーの恰好をして出てくる算数仮面。
生徒たちに「このやろう解いてやる!」と叫ばせる(笑)。
実際は、東大の問題を日本一早く解く先生らしい。
でも、伝えるのは算数だけでなかった。
「君たちが今解いている問題が、インターネットのいろんな言語に
なるんだ。算数の問題を解いているんじゃない。未来を創っているんだ」
この言葉、グッときた。
そして、英語のカリスマ教師もこんな言葉を言った。
「なんのために英語を勉強するか。世界の人と分かり合うためだ。
世界平和のためだ」
そして、こんな話もされた。
「模擬試験でE判定(合格の可能性5%以下)が出たからといって、
あきらめるな。君たちの人生は、コンピューターに決められるものじゃないんだ。」
カリスマ教師って、教え方がうまいだけじゃなかった。
共通してあるのは、「愛」だった。日本の未来を考える「心」だった。
そして、わたしも原点に戻って考えさせられた。
やっぱり、日本のステキな未来を創れる人を創りたい。
大谷由里子おおたにゆりこ
(有)志縁塾 代表取締役
故横山やすしさんのマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし、一時は“伝説のマネージャー”として騒がれた大谷由里子氏。その後もベンチャー企業の社長やフリーのプロデューサーとし…
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