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人生最大の危機~元宝塚歌劇団女役スター・南城ひかり~

南城ひかり

元宝塚歌劇団女役スター

人生最大の危機を教えてください。

宝塚受験の時の話しです。(もう随分と前の話しですが。笑)
私の宝塚受験は、1回目(中学3年生)の時には木っ端微塵に夢破れ、
2回目(翌年)の受験に挑む気持ちはあるものの、なかなかやる気スイッチが入らなかったんです。小学校の卒業文集に「宝塚のトップスターになる!」と書くほど、子供の頃から夢見ていた場所です。
私はその夢を叶えるために、当時も有名だった宝塚受験予備校(バレエスクール)に、毎日、毎日、1日も休むことなく通い、受かることを夢見て必死にレッスンに挑みました。
試験も、一生懸命に頑張ったつもりです。(最終試験にも、残りました。)
ですが、1回目の受験では、私の名前は合格発表に見ることができませんでした。その後は、毎日が(真っ暗闇)の気分でした。
(人生、初の挫折だったので、どうしたらいいのか分からなかったんです・・・)
そんな状況でも、レッスンには毎日、毎日、通っていましたが、
私の気持ちはまったくやる気が湧かなくて。
来年ももちろん受けるつもりですし、受かりたい。その気持ちがかすかにあっても、そのための闘志も、何も湧いてきませんでした。
思い出せば、ただ、ただ、とても辛かったなぁと・・・・。

その(人生の危機)時の状況や危機が発生した原因を教えてください。

そんな受験で落ちたショック、人生最大のピンチのような状態の中で、季節は春から夏へと変わっていきました。あるレッスンの時、私は悪ふざけをして踊っていたら、なんと! 膝を怪我して、そのまま病院に行き、その後すぐに入院から手術となったんです。受験に落ちたことも人生の危機のような気持ちでしたが、さらに私は、膝の怪我までしてしまいました。
確か夏に入り始めた頃で、通っていたスクールでの発表会も近づいていましたし、来年の受験もジワっと近づいている状況です。
そんな最中だったので、状況として結構な危機を迎えていたと思います。
でも、私は、ふざけていて怪我をしたので、落ち込んだ、というよりも仕方ない…と笑えてくるような気持ちでした。

危機とどのように向き合い、乗り越えたのですか?

その時の手術は無事に終わり、人生初の入院生活は1週間くらいだったと思うのですが、6人部屋くらいのガラッとした病室にいて、晴れている外の景色を眺めていたら、私の気持ちの中に、「来年は、絶対に受かる!」という、闘志を通り越したような(決意)が芽生えたんです。
その怪我をするまでは受験に落ちたショックで、レッスンにもずっと気持ちも入らず、怪我をするまで心の片隅では、(やりたくない)とそんな気分だったと思います。
結果、怪我をして踊れなくなる…という現実を迎えました。
こんな状況になったことで、今度は、
「踊りたい!」
「もっともっと上手くなりたい!」
「誰よりも上手くなって、来年は絶対に受かる!」
とそんな気持ちがしっかり芽生えたんです。
最悪とも言える人生の危機を迎えたからこそ、ふわふわと宙に浮いていた私の気持ちは、地に足がついて、自分がどこに進みたいのか、自分の意思がはっきり出てきたんです。
そこからは松葉杖でレッスンに行って、レッスンは見学ですが、目を凝らしてみんなの躍る姿も勉強にと、必死になって見ていました。
怪我の巧妙とは、まさにこのことですね。
人生最大の危機だったかもしれませんが、私は、この(最悪)と思えることがあって、目が覚めたんです。

最大の危機に直面したご経験から、どのようなことが得られましたか?

不安定な気持ちやショックを抱えた最悪の状態も、さらなる危機を迎えたりすると、その気持ち自体が地に足がつき、本当に自分のしたいこと、夢や望みが見え、どこに向かいたいのかハッキリし、やる気が湧いてくるのだと思います。
どん底だからこそ、(もう、やるしかない)というような、その人を突き動かす、そんな気持ちにスイッチが入るんですね。
当時の私は怪我のお陰で、その後は、メラメラと闘志も湧いてきて、やる気に溢れた本気の私が目覚めました。
もし、あの時、怪我をしなかったら…。
もしかしたら、というか、翌年は絶対に受からなかったと思います。
危機を迎えたからこそ、(絶対に入る!)という心の底からのやる気が目覚めて、本気で真剣になれたから、夢が叶ったと思います。
危機というそんな形で目の前に訪れましたが、それは、夢を叶えるために起きた、素晴らしい出来事だと思っています。
ですから、「わぁ、ピンチだぁ。人生最大の危機だ!」なんて思える現実(出来事)は、夢に進むためには、実は必要かもしれませんし、その人自身の全体の人生を通しては、必要なことが起こっているのだと思います。
危機こそ、(ラッキーなんだなぁ)と今では思っています。
ピンチと思えることが起こっても、捉え方次第と言いますか、むしろ、ピンチは幸運への誘いだと感じます。

最後に、人生の危機に直面している人へ向けてアドバイスをお願いします。

人生の危機的状況も、今、目の前のことだけを考えたら、それは、とても大変な状況だと思います。でも、自分自身に起こったことや状況を遠くから眺める気持ちで考えたら、その出来事は、結果的にラッキーだった!と思えることも、今までの人生にあった方もいると思うんです。
状況によっては、とてもそんな風に思えない辛いこともあると思いますが、少しだけその状況の捉え方を変えてみると、危機ではなく、幸運へと繋がっていくと思います。
しかも、その危機を通して、やる気スイッチが入ったら、最強です!
様々な経験を通して、人生は、決して悪いことに向かって進んでいるのではなく、私は、幸せになるために進んでいると体感しています。
ですから、どんなことも考え方や捉え方をちょっとスライドさせてみるのが、とてもオススメです。(ピンチじゃなくて、ラッキーかも!)と。
人生のあらゆることも、振り返ればそれがあったからこそより良い方へ進んだ!とそんなことを実感することも多いと思います。
そんな風にどんなことも捉え方を変えてみることで、気持ちが前向きになったり、楽になる、そんな発想をお伝できていれば嬉しいです。
最後になりましたが、皆様にとって、今の人生も、未来の人生も、さらにより良いものになると確信しています。
より多くの幸せを感じられる毎日となることを心から願っています。
ありがとうございました。

南城ひかり

南城ひかり

南城ひかりみなしろひかり

元宝塚歌劇団女役スター

1991年宝塚音楽学校入学し、 1993年宝塚歌劇団入団。 1998年香港公演で選抜出演、同劇団が65年振りに新たに発足した 「宙組」所属後、3公演連続でヒロイン(新人公演)に選ばれる。2001年同劇…

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