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思春期真っ只中の悩める中学生・高校生に、そして、その保護者の方、また、教育関係者に向けて、「講演会のプロが選ぶ!中学生・高校生にすすめたい本」をご紹介いたします。
第三回は、予備校講師で「林先生が驚く初耳学!」など、テレビ番組や執筆活動でも大活躍の林修先生の著『受験必要論 人生の基礎は受験で作り得る 』 (集英社)です。
中学生・高校生にすすめたいポイント
受験は必要?
多様化する社会において、「受験勉強なんか社会に出て役に立たない」と考える生徒や子どもたち、また、将来の方向性が定まらないため明確な目標がもてず、高校・大学受験に対するモチベーションがあがらない生徒や子どもたちに対して、どのようにアドバイスすればいいのでしょうか?
そもそも、受験というものは、本当に必要なのでしょうか?
受験とは必ずしも必要ではない。しかし、多くの人にとって受験は、意味の見出せる制度
そんな疑問について、林先生は著書の中で「受験とは必ずしも必要ではない。ただ、多くの人にとっては意味の見出せる制度である。例えば、学生時代から既にやりたいことが決まっていて、大学に行く必要が無い場合(スポーツ選手など)にとって受験は不要です。しかし、そう言った人は限られており、やりたいことが定まっていない人にとって、受験は意味の見出せる制度である」と説いています。
受験の意味・役割とは?
では、受験の意味・役割とは、どういうことでしょうか?昔ほどではないものの、まだまだ学歴重視の社会の中で人生の選択肢の幅を広げる為、より優秀といわれる学校に入り、レベルの高い知識を学ぶための場所を確保するための制度として、受験をとらえている方が多いのではないでしょうか。
受験の経験が、今後の人生の糧となる
しかし、著書の中で林先生は、以下のように説きます。
「16歳から18歳にかけての時期に、1つの目標にむけて、欲望を抑制しつつ、結果を出すことができたとすれば、それは一生の自信になりえます。つまり、受験という明確に合否という結果の出る制度によって今後の人生の自信を得ることが受験の役割の1つではないのでしょうか?」
「合格した場合は、その体験が今後の人生の大きな支えとなります。また、不合格となった場合にも、自分のどこが足りなかったのか、己と向き合う良いきっかけとなります。学生生活という限られた社会の中で、人と切磋琢磨した経験というのが、今後の人生の糧となるのです。」
講演会のプロから伝えたいこと
激動の時代を生き抜くために、人生の基礎を養って欲しい!
2020年から、センター試験が廃止され大学入学共通テストが実施。また、新学習指導要領が小学校で全面実施されるなど、教育制度が大きく変わっていきます。さらに、AI・IoT時代の到来により、この先、社会構造自体も大きく変化し、今までの常識や考えが通じない激動の時代が到来します。まったく予測のつかない時代の中で未来ある子どもたちには、自分で道を切り拓いていけるよう、自分の進路を見つめなおし、自分で生きぬく力を蓄えるため、日々、人生の基礎を養っていって欲しいと思います。
「部活に打ち込む」「何かの行事を運営し成功させる」など、いろいろな経験が人生の基礎を養うために必要ですが、その一つの経験として「受験」というものもあることをこの本をキッカケに気付き、進路について考える機会になればと思います。
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