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No.12 森理世

インタビュー INTERVIEW/美しい人 No.12 森理世 「努力。忍耐。根性。この3つがなければ何事もなせない。美しさのためにも忍耐は必要です」 Photo:三宅詩朗/ Text:森綾/ Edtior:鈴木ちづる

No.12 森理世

― 2007年にミスユニバースとして日本人では48年ぶりに世界の頂点に立たれました。日本代表として、また世界大会で優勝されたときの気持ちを振り返るとどのような気持ちでしたか。
 ミスユニバースに選ばれたときは本当に驚きました。世界大会の開催期間は1ヶ月間。最終日まで約80ヵ国の代表たちとの共同生活です。最終審査が行われるのは大会当日のみですが、その1ヶ月間は過酷なスケジュールを与えられます。朝は6時に食堂で朝食、その後、チャリティ活動へ。昼も様々なイべントに参加し、夜は大統領や著名人と晩餐会が行われ、夜中の2時頃解散するということも珍くありませんでした。朝目覚めてメイクなどの準備に2時間はかかりますから、睡眠時間は2、3時間。その間、自分で体調管理をきちんとできているか、また周囲の人たちと歩調を合わせ、コミュニケーションをとれているかということも評価されます。ハードスケジュールが1週間も続くと、思いもよらない不注意をしてしまったり、誰かにあたってしまったりということも出てきます。実はそこを重要視されているのです。その1ヶ月を耐えられなければ、ミスユニバースとなって世界を飛び回り、1年の活動をするのは到底無理だということです。そういう1ヶ月を共にした各国代表たちですから、私たちは本当にライバルでもあるけれど、本当に仲良しにもなれました。みんな基本的には優しくて笑顔の素敵な普通の女の子とたちなんです。ですから私に決まった瞬間、涙を流してくれた人たちも何人かいました。同じ喜びと苦しみを分かち合い、その瞬間が卒業式でまた次の世界が始まるような、わくわく感とドキドキ感がありました。
― 実際に世界一、「ミスユニバース」に就任してからは、どのような活動をされたのでしょう。
大事なことは一番美しいから選ばれたということでなく、すべての女性の代表となり、お手本として、世の中に対しての姿勢をどう表現してゆける人間かということでした。スポークスウーマンとして世界の情勢を伝え、何をするべきかを伝えていくというのが大きな仕事です。14ヶ月の任期をいただき、約15カ国チャリティー活動に従事しました。就任後はMISS UNIVERSE機構が用意してくれたニューヨークのマンションを拠点としていましたが、実際はそこに住む時間よりも、移動と空港で過ごす時間が長かったように思います。華やかな世界に思われがちですが、職務は80%がチャリティ活動です。人が見ていないところでも自分の手足で行動していくことがほとんどでした。車の中で寝て起きて、ということもありました。
― 危険な場所に赴かれることもあったのでしょうか。
 そうですね。情勢的には特に危険という国ではなかったのですが、宗教上、肌を出してはいけない地域での活動があった時に、「大会で人前で肌を露出した」と抗議をうけ、500人くらいの人たちのデモが私の宿泊先のホテルを取り囲んでしまったことがありました。毛布で包まれSPと警察官に裏道から避難したという怖く苦い経験ともなりましたが、その後、その地域の方からお手紙をいただいたのです。「文化の違いを理解している人もたくさんいます。せっかく来てくださったのに申し訳ありませんでした。私たちの国に悪い印象をもたず、また来てください」と。

No.12 森理世

― それはうれしかったでしょうね。
 そのとき、私の世界観が変わりました。人それぞれに価値観というものがある。そしてそれを超える人としての温かさというものがある。それからの私は何も理解しようとせずに不安になったり、間違いだと思うことは少なくなりました。とにかく理解しようとすることが必要なのだと気づいたのです。そして「私の常識」以外の人や国、それぞれの「文化や常識」というものをもっと知りたいと思うようになりました。
― チャリティの意味もいろいろと考えられたことでしょう。
 まだまだ日本では浸透していませんが、海外ではチャリティが子供の頃から学校など身近な活動になっている国が多いです。ただし、助けてほしいでしょ?と相手の気持ちを考えない行動は本当の助け合いではありません。相手は何を求めていて、自分には何ができるのかを理解してからでなくては。だから、何かを喜んで下さったときは嬉しくてこちらも感謝の気持ちでいっぱいになりました。
― 森さんの美しさには行動力や健康といったパワフルな要素がしっかり裏打ちされていますね。
 もともとダンスをやっていたことも影響しているのだと思います。ダンスは4歳からやっていて、母を師匠として跡継ぎとして育てられたんです。09年には母親と新しくダンススタジオを設立し、クラシックバレエとジャズダンスを教えています。ダンスは美しい体をつくるだけではなく、健康にも役立ちますし、表現することは脳そのものも活性化させます。
― 人生でのすべてのことが、生かされていますね。
 亡き祖母がこんな言葉をくれました。「努力。忍耐。根性」。この3つがなければ何事もなせない、と。もともと祖母が母にプレゼントした言葉で、それを私は母からもらいました。世界大会の1ヶ月、そしてミスユニバースとしての任期中、この3つの言葉は本当に私をいつも奮い立たせてくれたと思います。一見、男らしいような言葉ですが、自分のなかにそういう強さがないと、やさしさは生まれないと私は思うのです。やさしさというのは時に「違うよ」と言える強さが必要ですよね。やさしさのために「NO」と言える勇気。それはすべての女性に必要なのではと思います。美しくなるためにも忍耐は必要ですし、目標達成のためには根性が必要です。そして常に相手を理解する好奇心をもっていたいものですね。
― 最後により美しく輝いていくための秘訣を教えてください。
 女性は美のスイッチが入るとどんどんきれいになります。でもきれいになるスピードも早いせいか、諦めて元に戻ってしまうスピードも早い。では「一瞬で終わらない美」を得るにはどうしたらいいか。それにはビジョンやモチベーションをしっかり繋いでいくことです。頭のなかに自分は次にこうなる、その次にこうなるというイメージをもっていてほしいんです。イメージはすごく大切です。そして美しいものを身の回りに置くこと。特別なものでなくてもいいと思います。ブランド名がついているものですべてを満たす必要はありません。いい匂いがする石鹸があるとか、見ていてほっと心なごむ形の器があるとか。そういうふうに自分を満たしてくれるものを見つけて、そばに置くこと。また観劇や音楽鑑賞など、五感を刺激する環境をつくることも大切です。そばに美しくありたい、いきいきと楽しく生きていきたいと刺激してくれる人がいることも大切ですね。気持ちが求めてさえいれば、美しさに終りはないと思います。心と体を常にリンクさせて、「一瞬では終わらない美」を手に入れましょう!

美の逸品

私を美しくしてくれる一品

「ヘアブラシはインドネシアの豚毛を使ったMasonPearsonというメーカーのもの。頭皮を刺激することはいきいきした髪だけでなく、顔の肌の疲れやたるみにも効果的。Vanila.coのハンドクリームはピーチの香りで、すりこむうちに水になってしまいべとべとしないところが気に入っています。Macのグロスはカプサイシン入りで唇がふっくら。ピンク色の小物はきれいになりたいと思う気持ちをぐっとあげてくれます」

森理世 (もり・りよ)

森理世 (もり・りよ)

森理世 (もり・りよ)もりりよ

MISS UNIVERSE 2007

静岡県生まれ。4歳から母を師匠としてジャズダンスを始める。“世界の舞台で踊る”という目標に向け、高校生のときにカナダへ留学。留学先にて名門クウェンティバレエ学校で教師課程を修了。一旦帰国するも再度渡米…

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