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2013年10月01日

TOKYO2020がもたらす効果

 IOCジャック・ロゲ会長(当時)が都市名の明記されたカードをくるりとこちらに向けながら「TOKYO!!」と発した、あの2020東京オリンピック招致成功の瞬間!私も思わず拳を高く突き挙げながら「キャーッッ!!」と絶叫していました!!多くの方の記憶にもその場面が鮮明に残っているのではないかと思います。

 そこからは連日、五輪招致の”成功の舞台裏”や”五輪がもたらすもの”というものをテーマに、新聞、TV報道各社が特集を組んでいらっしゃったので、私もそれを大変わくわくしながら拝見しておりました。また僅かながらコメントを話す機会も頂戴しました。既に言い尽された感はあるのですが、今回のコラムでは「私が考える”五輪が来ることによってもたらされる効果”とは?」をテーマに進めさせて頂きたいと思います。

 まず、なんと言っても”子供達が明確な夢を持てた”ということが言えるのではないでしょうか。目標達成までの期限が切られたということは、今までの停滞感や閉塞感とは打って変わって、とてつもなく早いスピードで物事が動いていくということに繋がると思います。人の心理として「いつか出来たらいいだろう・・・」という期限の定まらない目標の立て方では、達成に向けて行動に移せるほど強い動機にはならないと思うんです。

 恥ずかしながら私はとても”ものぐさ”で、期限が切られていないと後回しにしてしまうタイプでした。今もそうです。しかし小学6年生(12歳)のとき、ソウルオリンピックを観て大興奮。シンクロの先輩方がとにかく輝いて見えました。そこからオリンピックを意識するようになり、今回と同じく開催地が決まったというニュースを知ると「7年後のアトランタ(1996年、自分が20歳の年になる。)に出てメダルを獲る!」と気持ちが決まりました。

 シンクロに関してだけは誰に言われるでもなく綿密なスケジュールを立て、徹底的に自分の持ち味を磨き、しんどいことでも自ら進んで実行に移していくことができました。なぜなら絶対に夢を叶えたかったから。人と同じぐらいの頑張り方や努力では達成できない大きな目標であることは本能的に理解していました。

 「今年中にこの技術をあの先輩のレベルにまで到達させる。その為には今日から苦手な手の掻き方に着手していこう。苦手なものを後回しにしていられるほど7年先は長くない。間に合わない。」という具合に毎日が真剣勝負。毎日どんな内容の目的が果たされたかが自分の未来を切り開く鍵でした。きっとこんな風にたくさんの子供達が、今回の招致成功で目標を持ったんじゃないかと思います。

 さらに、忘れてはならないのが震災復興です。これについても同じことが言えるのではないでしょうか。7年後「被災地はここまで元気を取り戻しました!」と世界に向けて発信できるまたとない機会になります。7年後にその活力ある姿を示すためには、進まなかったあらゆることを今一度、国、地方自治体、有識者、民間、NPO、ボランティア・・・そして、そうであってはならないはずでしたが、薄れつつあった私達国民の復興に対する想いを結集して、突破していかなくてはならない時期がやってきました。一層の結束力と、薄くならない復興への想いを持って、7年後にはどんな風景が目の前に広がっているのかをイメージしながら。

 オリンピック招致の成功を機に止まっていた時計が動き出したと思います。合言葉は7年後。時間軸は私達の大きな原動力になってくれます。日本の素晴らしさと、日本人の底力、再発見とともにそれを形にしていきたいですよね。

武田美保

武田美保

武田美保たけだみほ

アテネ五輪 シンクロナイズドスイミング 銀メダリスト

アテネ五輪で、立花美哉さんとのデュエットで銀メダルを獲得。また、2001年の世界選手権では金メダルを獲得し、世界の頂点に。オリンピック三大会連続出場し、5つのメダルを獲得。夏季五輪において日本女子歴代…

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