2018年09月05日

ほうりつのたて を てにいれた!

みなさま、ごきげんいかがですか。
心臓止めて 頭を開けた 元歌手の社会保険労務士、黒田英雄です。

今回から「働き方改革と労働問題」をテーマに連載いたします。

働き方改革関連法が成立し、2019年4月1日から順次施行されます。

「ニュースでは、なんかしきりに働き方改革働き方改革言ってるけどさ、自分にはどうせ関係ないんでしょ…」という労働者の方もいるかもしれません。

いいえ!

関係おおアリです。

働き方改革は、企業の側だけの問題ではありません。むしろ、働く側の意識の変革の時期とも言えるのです。

つまり、働き方改革は「働く方(はたらくかた)改革」なのです。

残業は制限され、有休は義務になる

労働相談を受けている中で、人間関係の悩みの次に多いのが、長時間労働の問題です。

毎日毎日遅くまで残業して、休みの日も出勤しなければならない。さすがにこの状況を抜け出さないとまずいと分かっていながら、労働相談に行く時間すら作れない。そんな負のスパイラルに陥ってしまっているところを、ご家族が見かねて半ば強引に相談に連れて来られる、というケースが多くあります。

これまで、法律上は残業時間の上限はありませんでした。しかし、今回の働き方改革で、労働基準法に残業時間の上限が盛り込まれます。

これによって、1日2時間程度の残業に制限されることになります。大企業では2019年、中小企業でも2020年のそれぞれ4月1日から施行されます。臨時的な特別の事情がある場合以外は、それ以上残業させると企業は法律違反になります。

これはでかいです。

これまで黙って長時間残業を受け入れざるを得なかった労働者のみなさんも、声を上げることができるきっかけになるかもしれません。

また、企業規模に関わらず2019年4月1日から、年5日の有給休暇を労働者に取得させることが企業に義務付けられます。

これもでかいです。

特に中小企業の経営者にとっては、かなり厳しい改正ではないでしょうか。本来は付与されたすべての有給休暇が労働者の権利ではありますが、申出がなければ取得させなくてもよかったからです。

私自身もサラリーマンを経験していますので、いかに休息が必要かというのは身に染みて知っています。相談に来られる方々の疲弊した姿を見るにつけ、なんだか自分を重ねてしまって、こちらもツラいものです。

でも、働き方改革によって、いくらかは労働者が身を守ることができるようになります。

ドラクエで例えると、

「ほうりつのたて を てにいれた!」

といったところでしょうか。

ワークとライフの新しいバランスを

働き方改革関連法は、ここまで見てきたとおり、労働者に有利に変更されることが多い内容です。ただ、マイナスに作用しかねない内容もはらんでいます。

例えば、残業代をすでに生活費のあてにしているような場合です。勤務先が残業を削減するように改善すると、それに伴って実入りが減ってしまう労働者が出てきます。

結果的にお父さんのお小遣いが減らされて、いったいオレは何のために働いているんだ…と、違う方向で労働相談に来る方が増えるかもしれません。

ただ、やはりいくらお金をもらったとしても、長く働くことがいいとは限りません。収入が減った分、支出を見直すいいチャンスになるかもしれません。

働き方改革の目的のひとつに「多様なワーク・ライフ・バランスの実現」というのがあります。働く方の意識が改革されていくことで、バランスが取れるポイントもおそらく変わっていくはずです。

ワークとライフの新しいバランスを、見つけてみましょう!

これからもさまざまなテーマを取り上げます!

今回は、長時間労働について取り上げました。働き方改革関連法が施行されることで、他にも影響が出る部分はたくさんあります。

来月以降も、さまざまな視点から労働問題をもみほぐしていきます。

どうぞお楽しみに!