2019年04月24日

Vol.1

SDGs(持続可能な開発目標)の意義と企業の取組みー進藤勇治氏ー

最近、新聞やニュースで目にするSDGs。しかし、自分達とどのように関係するのか、また、具体的にどのように取り組めばよいのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

本コンテンツでは、「SDGsとは?」「SDGsにどのように取り組んでいけばよいのか?」といった多くの方が疑問に思っている事柄に関して有識者にインタビューした内容、また企業や各種団体の取り組み例等、SDGsに関連することをご紹介していきます。

第一回は、産業評論家の進藤勇治氏に「SDGsの意義と企業の取組み」に関して伺いました。

SDGs(持続可能な開発目標)とは?

地球上のすべての人々や団体を対象とした共通目標

SDGs(エスディージーズ)は、英語でSustainable Development Goalsのことで、「持続可能な開発目標」と訳されています。SDGsは2015年9月の国連総会で採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」と題する成果文書で示された具体的行動指針で、17のグローバル目標と169のターゲット(達成基準)から構成されています。

SDGsは2015年に終了したMDGs(ミレニアム開発目標)の後継ととらえることもできます。MDGsが途上国の開発を主な目的としていましたが、SDGsは気候変動やエネルギー、健康や雇用といった先進国でも深刻化している課題なども取り上げており、先進国も含めてすべての国を対象としていることが大きな特徴です。各国の政府のみならず、自治体や企業、市民社会など地球上のすべての人々や団体を対象とした共通目標という位置付けです。

SDGsの17の目標について

SDGsは17の目標と、その目標を具体的に記述した169のターゲットで構成されていますが、SDGsの17の目標は次の通りです。

sdg17の目標

  1. 1.貧困をなくそう
  2. 2.飢餓をゼロに
  3. 3.すべての人に健康と福祉を
  4. 4.質の高い教育をみんなに
  5. 5.ジェンダー平等の実現
  6. 6.安全な水とトイレを世界中に
  7. 7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
  8. 8.働きがいも経済成長も
  9. 9.産業と技術革新の基盤をつくろう
  10. 10.人や国の不平等をなくそう
  11. 11.住み続けられるまちづくりを
  12. 12.つくる責任つかう責任
  13. 13.気候変動に具体的な対策を
  14. 14.海の豊かさを守ろう
  15. 15.陸の豊かさも守ろう
  16. 16.平和と公正をすべての人に
  17. 17.パートナーシップで目標を達成しよう

SDGsに日本が関わる意義とは?

日本政府の姿勢

2015年9月に採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の行動指針がSDGsですが、日本政府は「日本が重視してきた要素が中核に据えられたアジェンダの採択を歓迎する」として、アジェンダの実施にはグローバル・パートナーシップによりあらゆるステークホルダーがその役割を果たすことが不可欠であるとし、日本自身がそのパートナーシップの一員としてアジェンダの実施に最大限の努力を行っていくことを表明しました。

さらに、2016年5月に、関係行政機関が相互に緊密な連携を図り、総合的かつ効果的にSDGsに関する施策を推進していくために、日本政府は内閣総理大臣を本部長として全国務大臣を構成員とする「持続可能な開発目標推進本部」を設置しました。国内におけるSDGsの実施と国際協力の両面で率先して取り組んでいくために、省庁横断的な取り組みと実施指針に基づく推進を図るためです。同本部は2016年12月にSDGsの実施指針を決定しました。

その中で優先課題として、2030アジェンダに掲げられている5つのP、すなわちPeople、Planet(地球)、Prosperity、Peace、Partnershipに対応した8項目が示されています。

SDGsは日本が国際社会において大いに力を発揮できる分野

安全保障理事会の活動にみられるように、国連では戦争や紛争を無くして世界平和の達成というような軍事的な問題の解決がこれまでクローズアップされてきました。しかし、貧困や環境問題など、世界には解決するべき様々な社会問題が存在します。このような分野において日本は大いに力を発揮できるもので、日本政府はSDGsの推進に強力に取組んでいます。

SDGsの遂行には企業の役割は大変大きいものです。日本やヨーロッパの企業は、企業活動の中で社会貢献を重要視します。対して米国の企業においては、株主に対して少しでも多くの利益をもたらす場合に優れた会社経営と考え、漠然とした理念や社会貢献にあまり関心を持ちません。

SDGsの169のターゲットの多くは、具体的な達成目標を持たず、理念などが述べられています。ISOの認証取得は日本の企業が世界で最も多いですが、米国の企業はISOの品質マネジメントや環境マネジメントをあまり採用しません。これは、ISOは具体な目標値の達成を目指すのではなく、経営の理念やその手順を定めているからです。

また、日本の企業の伝統的な特徴として、産業界あげて行政と力を合わせて大きな課題に取組むことがあげられます。たとえば、京都議定書で約束した削減目標の達成において、官民が一致結束して取り組み、地球温暖化対策で世界をリードしました。SDGsにおいても行政と企業の連携が極めて重要です。

では、企業や各種団体は、どのような取り組みを行えばよいのでしょうか?また、取り組むことにより、何か変化はあるのでしょうか?

役割を期待される日本の企業

現在日本においてはSDGsの取組みが政府、自治体、企業、各種団体などによって積極的に進められています。SDGsは世界が抱える様々な問題の解決を図り、新しい国際社会を創造していくものです。SDGsにおいて日本および日本の企業が大きな役割を果たすことが期待されています。

企業がSDGsに取り組むメリット

SDGsは単なる活動の理念というのではなく、実施することにより経済や雇用において具体的な成果が期待されます。例えば、2017年の世界経済フォーラム・ダボス会議において、SDGsの推進により12兆ドルの価値、3億8千万人の雇用が創出されるという推計が出されています。

民間企業においてSDGsの推進はビジネスチャンスを得たり、企業価値の創造や向上につながります。これまで企業はCSR(企業の社会責任)やESG(environment、social、governance)投資などに取組んできましたが、今後はこれらの活動はSDGsの枠組みに取り込まれていくことになると思います。

企業によるSDGsの取り組み

民間企業によるSDGsの取組みとしまして、SDGsの課題解決につながる商品やサービスの開発や、自社の特色を活かしたSDGsソリューションの提供によって、持続可能な開発への新規市場開拓や事業成長の機会の創出ができます。また、企業の事業活動に関わるSDGs目標への配慮や、顧客、従業員、取引先、地域など、様々なステークホルダーからの評価によって、持続可能性に関わる企業価値の創出や向上が図られます。

SDGsに取組むステップ

企業がSDGsに取組む場合の期待されるステップは次の通りです。

  1. 1.SDGsの意義や目標と具体的な目的を的確に理解する
  2. 2.SDGsに取組むメリットを知り、取組まないリスクを把握する
  3. 3.自社の特長や立場を考慮して優先課題を決定する
  4. 4.自社で果たすべき目標を綿密に設定する
  5. 5.企業経営とSDGsの具体的な実行を統合する
  6. 6.ステークホルダーなどに対して報告とコミュニケーションを行う

進藤氏が今後の日本に期待することとは?

世界史に残る国際貢献の達成を

これから日本においては、行政と企業等が力をあわせてSDGsを推進して、世界史に残る国際貢献を達成することを強く期待致します。