ご相談

講演依頼.com 新聞

『ドラゴン桜2』ー三田紀房氏著ー

三田紀房

漫画家

思春期真っ只中の悩める中学生・高校生に、そして、その保護者の方、また、教育関係者に向けて、「講演会のプロが選ぶ!中学生・高校生にすすめたい本」をご紹介いたします。

第16回は、ドラマ化が決定した週刊漫画誌「モーニング」(講談社)連載中の三田紀房氏著『ドラゴン桜2』 (講談社)です 。

前作の『ドラゴン桜』とは、弁護士の桜木建二が、低偏差値・倒産寸前の落ちこぼれが集まる私立龍山高校の経営改善を図るというミッションのもと、進学実績を上げるために、様々なテクニックや勉強法を使って生徒と東大合格を目指すという受験物語でした。

『バカとブスこそ東大へ行け!』といった、通常の学校ではタブー視されそうな、しかし、綺麗ごとだけではない現実を表現した印象的なセリフも沢山あり、ドラマ化もされ大ヒット。多くの先生やお父さん・お母さん方もこのマンガやドラマに魅了されました。

その続編となる本作は、有名私立大学への進学実績は上がったものの、東大進学者がついにゼロになった10年後の龍山高校が舞台となっています。そこに、龍山高校の理事となった桜木建二が再び東大進学者を出すべく様々な取り組みを行っていくというストーリー展開となっています。

前作では、東大進学を目指す生徒はヤンキーやギャルといった学生が多かったのですが、本作ではいわゆるどこにでもいるような普通の生徒が東大合格を目指していきます。

『ドラゴン桜2』(講談社)

中学生・高校生にすすめたいポイント

知識量を増やす教育から、知識の使い方や思考力・表現力を養う教育へ

2020年度から「センター試験」が廃止され、「大学入学共通テスト」が導入されます。AIやIoTが多数導入される未来社会では、「知識」よりも「考える力」が必要とされるため、教育現場においても「考える力」が養えるような教育にシフト。そのため受験の問題も今までの知識量を問う問題から、知識の使い方や思考力・表現力を問う問題へと変わっていくと言われています。

そんな中で、生徒への指導方法も変化しています。まず、桜木が最初に行ったことは、【頑張る】という言葉の禁止です。例えば「東大受験頑張ろう!」ではなく「東大目指して勉強しよう!」という言い方に変えました。生徒に「何のために、何をするか」を考え、意識させ、機能的に話す習慣をつけさせるためです。

ITを活用した効率のよい新しい勉強法

10年の月日が流れる中で、本作の勉強法も時代に即したものに変わっています。その最も大きな変化は、スマホといったITデバイスやソフトを活用した勉強法にシフト。インターネット予備校を活用するなどして、効率よく勉強する例が記載されています。

考える力を磨くには、アウトプットが大切。今後の勉強は、インプットではなく、アウトプットが主流となる

作品内では、アウトプット力を養う例として、ユニークな英語の勉強法を挙げています。

英語に苦手意識を持つ生徒が多い中、センター試験では英語が要ということで、桜木は、英語の勉強に取り掛かります。桜木が考えた勉強法は、TwitterやYouTubeなどのSNSを使用し、英語を使ってアウトプットの練習をすること。

そもそも、英語ができないのは、日本人が英語を使わない・普段から使う必要がない環境で生活しているからで、英語ができるようになるためには、脳に英語を使う必要性を認識させる必要があります。その手段として、SNSを使用し、毎日アウトプットする環境を作りました。

ある生徒には、帰国子女になりきって英文で毎日Twitter投稿させ、また、他の生徒は、YouTuberとして英語で毎日動画更新するよう指示。日々英語でアウトプットする環境を作ることで、脳に英語を覚える必要性を染み込ませていきました。

講演のプロから伝えたいこと

時代の流れに合わせて必要なスキルを磨いていく!

社会環境が大きく変わっていく現代社会の中で、求められる能力も大きく変化しています。

普遍的に必要とされる基礎知識を身に着けるため、学年をさかのぼって勉強し直し、基礎知識をつけるといった勉強は、これからももちろん必要です。しかし、知識だけを詰め込むような勉強だけでは、今後の社会では生き残ってはいけず、考える力、アウトプット力をつける勉強が必要となってきます。

皆さんには、これからの時代を生き残るため、様々な変化を見極めて、普遍的に必要とされる能力と新しいテクノロジーを活用しながら、時代に合った必要なスキルを大いに磨いていってほしいと思います。

この本を読んで皆さんも、自分にあったいろいろな勉強法を考え、考える力、アウトプット力を養い、これから東大を目指してみませんか?

三田紀房

三田紀房

三田紀房みたのりふさ

漫画家

岩手県出身。大学卒業後、一般企業に就職したのち、漫画家へ転進。「東大受験」をモチーフにした異色作『ドラゴン桜』で社会現象を巻き起こし、05年第29回講談社漫画賞(一般部門)を受賞。また、05年7月から…

  • facebook

講演・セミナーの
ご相談は無料です。

業界21年、実績3万件の中で蓄積してきた
講演会のノウハウを丁寧にご案内いたします。
趣旨・目的、聴講対象者、希望講師や
講師のイメージなど、
お決まりの範囲で構いませんので、
お気軽にご連絡ください。