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飛び込み営業のコツ~公認心理師、臨床心理士・渡邊洋子~

渡邊洋子

公認心理師

なぜ飛び込み営業をすることになったか、経緯を教えていただけますか?

人生で最初に飛び込み営業を行ったのは学生時代です。大学時代に短期で効率の良いアルバイトを探していたところ、オフィスに2週間空気清浄機をお試しで設置させてもらうというバイトを見つけました。2週間後に本契約となった場合は社員の方が契約に訪問するという仕組みの中で、自分たちのミッションはあくまで2週間無料でお試しをしてもらうだけ。しかも一日4件以上置かせてもらえると歩合もつくこともあり、大学生にとっては魅力的で軽い気持ちで応募をしました。

失敗したことを教えてください

「ただほど怖いものはない」ということを訪問先の方々はよくわかっていたようで、初めはかなり警戒され、思った以上に反応が悪かったです。ビクビクした雰囲気を出してしまうと、「子供は帰って帰って」というムードになり門前払いをされたり、一日に一台も設置させてもらえない日も続きました。

飛び込み営業のコツを教えてください

「これではだめだな」と思い、まず商品を理解し、自分の中でもきちんと納得して、クライアントのメリットを話せるようになることを意識しました。

また、初めからお願いモードを出すと、面倒な人がやってきたとしか思われません。きちんとクライアントのメリットを打ち出すことが大切です。本人が商品やサービスに自信を持っていないとそれが前面に出てしまい、逆に堂々と説明すれば、「あれ?話を聞いた方がよいかな」と思わせられることに気が付きました。

この時のサービスでは2週間後無料のお試し期間が終わった後も、契約を断れなくなるのではないかと心配され、敬遠されることが多くありました。この辺りをきちんとクリアにしておくことで、安心してもらうことが出来、多くの設置につながりました。クライアントの不安はごまかさず、時にはデメリットも事前に伝え、解決策を用意するなど誠実に答えて安心してもらうことによって、大きな信頼を得ることが出来るのです。

女性であったり、若いことも初めは頼りなく見られるなど不利な要因と思いがちですが、むしろ警戒心は持たれにくいので、親近感を持ってもらえ入り込みやすいという利点もあります。その上でしっかりプレゼンができれば、男性よりも好印象につながりやすく強みへ変えていくことができます。この時の経験により営業の面白さに気が付き、社会人でも営業職を選ぶきっかけになりました。

現在飛び込み営業をしている人に向けて一言お願いします

心理学でフットインザドアとドアインザフェースという用語があります。フットインザドアは小さなお願い事から始めて、徐々に要求を上げていくやり方です。小さいお願いで関係を作ったところで、本命のお願いをすることで断りにくくなる。まさに空気清浄機を2週間無料レンタルするところから入り、その後有料レンタルにつなげるのはフットインザドアの手法です。先ほどの例のように、若手の営業や女性がトライしやすいやり方かなと思います。

それとは逆にドアインザフェースは、はじめにかなり大きなお願いごとをしておいて、その後本命の小さいお願いをするやり方です。大きなお願いを断っているので、そっちならまあ良いか、と思わせやすいという効果があります。

いずれにしても、自分のアプローチのしやすいやり方、相手に持たれる印象などを考慮し、自分にあったやり方を選択することが大切です。そして営業としてベテランになってくれば相手がどちらのパターンが話しやすいか、相手のタイプも見極めることも必要でしょう。

飛び込み営業は通常の営業活動に比べて相手と始めて会うので、想定外のことも起こりやすく、ストレスを感じやすいこともあるでしょう。精神的に追い込まれすぎないことが大切です。初めての相手と対峙することを楽しむ意識を努めて持ちましょう。商品の魅力やサービス、クライアントとの親和性など色々調べて準備をして伝えた上で、だめならだめで仕方ない位の楽な気持ちで望むことが大切です。悲壮感がない方が、逆に相手をひきつけることをお忘れなく。

渡邊洋子

渡邊洋子

渡邊洋子わたなべようこ

公認心理師

大学卒業後、株式会社博報堂に入社し、ラジオ局、新聞局で勤務。ラジオ局ではFM局の番組のスポンサー業務を、新聞局では読売新聞担当として新聞広告業務に携わる。その後出産のため退職し、専業主婦を経験。200…

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