2015年10月30日

Vol.3

飛び込み営業のコツ ~元H.I.S.取締役・大野尚~

なぜ飛び込み営業をすることになったか、経緯を教えていただけますか?

1981年イタリアから帰国して様々な職業に就きました。イタリア語の講師、肉体労働、コック見習いと・・・その後、無謀にもヨーロッパで知り合った女性と無職で結婚。1年間の髪結亭主状態を脱出するため個人事業として結婚式のビデオ撮影・モデルのマネージャー、フリーカメラマンを始めました。黙っていても仕事は来ない。だからノーアポで結婚式場、ホテル、各プロダクション等へ毎日飛び込み営業。その後、縁あってレコード会社のプロモーターへ、レコード掛けて貰うために日々、有線放送、ラジオ局に飛び込み営業。まもなくして地元音楽誌に旅のエッセイを連載することになり、その縁で、たまたま取材に行った旅行会社HIS(当時は秀インターナショナルと呼ばれていた。)で創業者の澤田会長に出会ったことがキッカケで半年後に入社。

当時のHISはヒト・モノ・カネ・知名度もなく、オフィスはマンションの一室、お客を作る(集客)ためにはポスター張り、チラシ配りと飛び込み営業しかなかった。バイトで入社した僕は所長になるまでの約2年間、毎日、チラシ配りと飛び込み営業が仕事でした。

失敗したことを教えてください

旅行会社時代、とにかく最初は手当たり次第に個人宅から企業、大学へと日々飛び込み営業をしていました。マンションの管理人に怒鳴られたり、大学の教授室を一部屋、一部屋ノックをして営業。不審者と間違われて警備員に捕まることもしばしばありました。一番の失敗は、営業に行った先(企業)でニューヨーク迄の航空券の金額を訊かれ、上司に確認もせずに、空覚えの金額を言った為に、後から大変なことになりました。お客さまの出発の時期は一日違いでピーク時期になり僕が言った金額よりも本当は10万円も高かったのです。兎に角、平謝りで謝罪をしましたが、納得されず、お客さまの信頼を失う事になりました。

飛び込み営業のコツを教えてください

商品やサービスを売らない事です。最初は兎に角、顔を覚えてもらうこと。次は仲良くなることです。一度断れても2度、3度訪問することで話は聴いてくれるようになる確率は上がります。営業件数、訪問回数、面着時間を長くしていくことです。

話す内容は、セールス(売る)ではなく困った事・必要な事・分からない事を訊いていくことです。信頼と信用を作る事が一番です。・・・昔、何度も断られた末に、もう、これで最後にしようと訪問した先で、お客さまから、「お前はしつこいな!何がしたいのだ!」と言われ、「はい、このままでは嫌です。仲良くなって終わりにしたいです。」・・・「分かった、お前に頼もう!」と言って頂けました。TPOをわきまえて礼儀正しくすることが基本です。仲良くなるのとタメ口付き合いは違います。

営業のテクニックは何と言っても営業後のフォローです。お礼の葉書は必ず出していました。フォローが信頼を作り信用を生み出します。また、契約後のフォロー(定期的な電話や訪問)を継続していくことがお客さまのリピートと紹介を生み出します。

現在飛び込み営業をしている人に向けて一言お願いします

「動けば必ず答えがある。」と僕は信じています。理想の方法論や理想の営業リスト・マップが出来上がるのを待つよりも、まずは動いてみる。その事で見つかる次への行動のヒントが沢山あります。頭でっかちにならずに動いて見ましょう。

頭の中に、初めて会うお客様は、自分の事を歓迎していないと思うことです。しかし、自社の商品やサービスによってお客さまが喜んでくれるのだという自信を持つことです。最初から上手くいかないのが当たり前、でも、最終的にご契約頂ければ、お客さまの為になると確信を持つことが重要です。自分自身の仕事に不安感を抱き続けると心が病んでしまいます。自分はお客さまが喜んでくれるために、自社の商品やサービスを知らない方々に伝える事が仕事なのだと確信を持つ事が大事です。

営業は断られるのが当たり前です。断られてから次の一歩が始まります。普通は会ってもくれません。だからどうしたら会えるか方法を考えます。手紙、メール、事前にテレアポ、紹介してくれるヒトを探すなど、断られて断られ続けていく中で学べるものが沢山ありました。量と時間の積み重ねが知識(分析力、交渉力、判断力、プレゼン力等)を高めてくれます。更に度胸と余裕を生み出してくれます。自分が成長するための全てを与えてくれる営業は自分の未来を創ってくれるはずです。

現在は、昔と違ってマーケティングの手法が進んでいます。マーケットの中のターゲティングを行って見込み客を探す方法も確立されています。

学びは少ない経験を助けてくれます。先ずは行動、それと学び。自分の可能性を広げてくれる営業の仕事は何て愉しいことでしょう。

番外

今の時代、飛び込み営業の極意と言われて・・・「根性」です。の時代は終わりました。但し、精神論(気合や根性)が不要になったかと言うと、そうではありません。ヤラない理由や出来ない理由をロジカルに話をする動かない頭でっかちな営業マンはいりません。しかし、頭ごなしに「行け!やれ!」では誰も動きません。もっと飛び込み営業の確率を上げる方法や手段を構築することが必要です。

1.マーケティングを極める→売上を上げる全ての活動の極意を知る。
2.リサーチの徹底→事前調査に基づいた見込み客の発掘がポイントです。
3.チーム力を高める→ダブリや2回訪問などの無駄を防ぎ、顧客との相性も大事。クロージングには連携プレーも効果的です。
4.飛び道具を使いこなす→電話、メールなどです。
5.心理学を学び、プレゼンテーション力を高める。

・・・数え上げればきりがありませんが、飛び込み営業のクロージングの確度を高める為には、様々な方法論も必要です。