No.17 遠藤謙 / 読む講演会 クローズアップパートナーNo.17 遠藤謙 /“読む講演会”クローズアップパートナー

究極の目標は、日常的に使えるロボット義足を作ること No.17 株式会社Xiborg代表取締役 遠藤謙

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世の中に、どうインパクトを伝え、社会に残していくか

No.17 遠藤謙

私は義足の研究をしています。エンジニアとして、CAD、機械設計、電子回路などロボティクス全般を広く浅く学んできました。それをプロトタイピングの技術に活かして、デモンストレーションし、社会実装しています。世の中にどうやってインパクトを伝え、社会に残していくかを常に意識しながら研究をしています。

今は情報伝達の方法が10年前、20年前とはずいぶん変わってきています。かつては会社がニュースリリースを出し、メディアに送って記事化してもらって個人に情報伝達していくことが一般的でした。しかし、今はインターネットの方が先に伝わっている感覚があります。有名人がTwitterでつぶやいたものがYahoo!ニュースに載る、そんな流れが主流になってきている。ちょっと変わったものがニュースに載っていくわけですね。

ですから、ニュースのポイントは何なのか、本当のこだわりは何か、しっかり意識しながら伝えないと、なかなかその通りには世の中には伝わっていかない。とりわけ僕たちがやっているものは、障害に関わるものだったりして、結構センシティブなものです。テクノロジーで障害者の生活水準を高める、環境を変える、といったことは、言葉の選び方ひとつ間違えるだけで大きく炎上してしまう危険もあります。

そんな業界なのですが、やはりインターネットの存在は大きい。いかにインターネットを通じて伝えられるか、情報を大きなインパクトにするために何ができるか、意識しているところです。

役割は、最初の驚きを世の中に出していくこと

私はソニーコンピューターサイエンス研究所にも属している一方、Xiborg(サイボーグ)という名前の小さなベンチャーを経営しています。ソニーもそうですが、大きな会社はものを売るという社会実装に長け圧倒的な強さがある。では、ベンチャーは何のためにあるのか。

未来の当たり前を作るときには大きなインパクトが必要です。車が世の中に初めて出てきたときには、「なんだこれは」と思った人が大勢いたはずです。しかし、価格競争が始まって値段も安くなり、多くの人に使われ始めると、便利さが理解され、みんなが買うようなものになり当たり前になっていきました。

だから、今は街の中を車が走っていても誰も驚きません。車の技術は当たり前の文化になっていて我々の生活に馴染んでいる。合理性が認められて定着したと言う事ですね。大企業はその「当たり前になっていて、我々の生活に馴染んでいる」になる部分を狙ってビジネスをする。一方でベンチャーは、大企業と同じことをしても勝てません。だから、新しいものを作ること、文化を作ることのためにベンチャーがあるのではないかと考えています。

ですから我々Xiborgは義足を作っているわけですが、義足を作ることが目標なのではなく、義足を作ることによって障害者、もっというと身体障害に対しての考え方が変わっていく。そんな兆しを作ることがひとつの目標であり、そういうことをやっていく必要があると考えています。

No.17 遠藤謙

高校時代の後輩が、骨肉腫で足を切断

私の大学時代、ちょうど2000年前後はホンダのアシモが話題になり始めていた時代です。あのロボットを見て、とてもワクワクし、ロボットが生活の中に入ってきたら、どんな生活スタイルになるのだろう、どうやったら楽しめるだろうと考え、あんなロボットを作りたいとロボットの研究をしていました。当時は学生でまだスキルもなかったので、機械設計、電子制御、デザインなどを勉強しながら、将来的にはロボットを作っていきたいと考え、日本の大学を卒業しました。

そんな時、僕の高校時代の後輩が、骨肉腫という病気になりました。ガンです。彼は左足大腿部を切断し、義足を使うようになりました。それだけでは終わらず、不運なことに2度、ガンが転移しました。病院の先生から言われたのは、5年後の生存確率は50%ない、ということでした。彼のお父さんお母さんは、とてもショックだったと思います。

僕は、自分に何ができるかを考えました。当時歩行ロボットを研究していたわけですが、それは何も役に立たないと思ったのです。歩行ロボットのアシモは確かにスタスタ歩くのですが、あのアシモの足が人間の足にくっつくかと言われると、やっぱり方向性がちょっと違う。では、人間の足になれるような技術とは何だろうか。そう考えたとき、浮かんだのが義足だったのです。

淡々と「足がないからこそのメリットもある」と

それから学会でいろんな人に会って、どんな研究ができるかと探していた時、ヒュー・ハー先生に出会いました。彼はMITのメディアラボの先生で、両方の膝はあるのですが、足首がない人です。彼は若い頃、将来を有望視されたロッククライマーでした。残念なことに競技中の怪我で両足を切断しました。病院の先生からは、もう競技は続けられないといわれて落ち込みます。しかし彼は諦めず自分で足を作って競技を続けるのですが、彼はそのとき驚くべきことを見つけたのです

それは、足を切ったことによって体が軽くなったので、手で体重を支えるのが楽になったということ。そして両足が義足なので、足の長さを自由に変えられること。岩肌に合わせて足の形を変えられること。つまり、足を交換できるということが、競技を続ける上での大きなメリットだと気づいたのです。

障害を背負うというと、マイナス面ばかりを考えて絶望したり、頑張って乗り越えようとしている感動ストーリーを描きがちなんですが、彼は淡々と「足がないからこそのメリットもある」と言うわけです。僕はそれがちょっとかっこいいなと思って、彼のところに留学したいと慶應の大学院をやめて、MITに入り直しました。そして私は彼の下で研究を続けることになります。

プロフィール

遠藤謙/ 株式会社Xiborg代表取締役

慶應義塾大学修士課程修了後、渡米。マサチューセッツ工科大学メディアラボバイオメカトロニクスグループにて、人間の身体能力の解析や下腿義足の開発に従事。2012年博士取得。一方、マサチューセッツ工科大学D-labにて講師を勤め、途上国向けの義肢装具に関する講義を担当。現在、ソニーコンピュータサイエンス研究所アソシエイトリサーチャー。ロボット技術を用いた身体能力の拡張に関する研究に携わる。また、途上国向けの義肢装具の開発、普及を目的としたD-Legの代表、途上国向けものづくりビジネスのワークショップやコンテストを主催するSee-Dの代表も務める。2012年、MITが出版する科学雑誌Technology Reviewが選ぶ35才以下のイノベータ35人(TR35)に選出された。2014年ダボス会議ヤンググローバルリーダー。

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