No.15 黒川伊保子 / 読む講演会 クローズアップパートナーNo.15 黒川伊保子 /“読む講演会”クローズアップパートナー

男女は脳が違う。それがわかれば、人生が変わります No.15 脳科学コメンテイター 黒川伊保子

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なぜ女性は、わざわざ「転ばなかった話」をするのか

私たちの会社は、こういう知見を「職場の組織力向上」のための人材開発に使っていただいたり、マーケティングに使わせていただいたりしている会社です。先ほどもお話した通り、産業構造や会社での会話は基本、ゴール思考問題解決型で構いません。そうしないと職場はうまく回らないんです。そもそも産業界は、男性脳型です。これは男性脳が牛耳っているからではなく、大量の商品を均一の質で迅速に市場に流通させるという構造自体が男性脳に適しているからです。私たち女性も、ここへ参入してくるときには、男性脳型で動くように鍛えられるし、自身をそう律していきます。それは、ある程度仕方がないことです。ただし、100%男の真似をさせて、「それでいいかどうか」というのは問題があります。産業構造のほとんどがゴール思考問題解決型ですが、プロセス思考共感型でないと機能しない職業もあるんです。マーケティングのような新しいアイデアを出すところでは、プロセス思考共感型の会話もお薦めしています。

例えば、命題1。女はなぜ「転びそうになったのに転ばなかった」などという話をするのか。これは私が20数年前に、同僚の男子から寄せられた質問です。彼のところに、新人の女性が初めて入ってきたときの話です。その女の子が、ある朝会社で開口一番こう言ったんです。「さっき駅の階段で、つまずいて落ちそうになって怖かったんです」と。

私の同期の彼は大変冷静な声で言いました。「で?何段落ちたんですか?」。彼女は「落ちてません」。話は冷たく終わりまして、気になったんでしょうね。彼は私に、「俺、何か間違った?」と言うので、「間違ったね。あれは共感しなきゃね」と言いました。すると彼は言いました。「だって黒川さん、転びそうになったけど転ばなかったんだよね、彼女?」「それって情報量ゼロだよね。どこに掛け算してもゼロじゃない?」と。私が返したのは「いやいやいやいや、気持ちに共感するの。怖かったっていう気持ちに寄り添ってあげないと。そりゃあ怖かったろうって言ってあげればいいのよ」と。すると、「何のために?」と彼に聞かれたんです。私は説明しました。女性にとって「共感」は、気休めではなく脳にとって本当に必要な機能のひとつなのだ、と。そもそも女性の脳は「怖い」「酷い」「辛い」などの危険に伴う感情が強く働き、長く残ります。男性より、もっとです。

経験の少ない若い女性。これから子供を産んで育てる人であれば、男性の数十倍も強く働き、数百倍も長く残ります。だから、いつまでも「怖い怖い怖い」と言う。いつまでも「酷かった酷かった、酷いよね。ねえ、そうよね」と言ってくる。

なぜ、危険に伴うこういう負の感情が、心が揺れるようにして長く続くか。私は脳と付き合って35年、深く腹落ちしていることがあるんですが、脳は1秒足りとも無駄なことはしないんです。心が揺れている、動揺している、それが長く続いている。これも、決して無駄ではないんです。

女性の脳は何かに危険が起こったとき、危険な目に遭ったとき、そのプロセスを、脳のなかで1回解析します。自分が2度と同じ場所に足を踏み入れないようにするための知見に変えているんです。無意識のうちに、です。彼女のケースでいえば、転びかけたシーンを脳のなかで1回解析し、無意識のうちに、次の日には乗り換えの駅で乗る車両を変えたり、漫然と人混みに押し出されるようなことをしないようにする。知見をとっさに使える領域に記憶として入れていく。プロセス解析には時間がかかります。とっさに使える領域に記憶を定着させるのも、時間がかかります。なので、この時間を脳が稼ぎ出さなきゃいけない。いつまでも怖がっているのは、怖がっている間に脳がプロセス解析して、知見を切り出しているからです。

なぜ、男の子は危険な場所に何度も行くのか

No.15 黒川伊保子

厳密に言うと女性は、2度と全く同じ危険な場所に、自分を追い込むことはありません。「身を守る」ことに関して、脳が最大限の発動をするんです。なぜそういう脳になったかというと、「哺乳類のメス」だからだと思います。哺乳類のメスは、自分の身体のなかで一定程度、子どもを大きくし、命がけで産み出していく。そのあとさらに長い間、血液を母乳に変えて与え続けます。命を注ぎ、命がけで子供を、生殖をしていくわけです。だから危険な目に自分が遭わず、「自身が保全されている」ことが、すごく重要なんです。危険な目に遭わない。これが生殖の第1条件だからです。この星の生物のほとんどが、生殖で命をつないでいます。従って、「生殖本能」が脳の感性の第1位なんです。そのうち哺乳類のメスは「自己保全」、自分の身を守ることが第1。なので、そこまで脳が演算をしてくるわけです。

一方、男性の方ですが、こちらは感情が長引かないように設計されています。荒野に出て危険な状態にあるとき、いつまでも動揺していると危ないからです。「僕、こっちの谷に落ちそうになっちゃったんですよ。みんな聞いてください。落ちそうになったんですよ」なんて言っていたら、谷に落ちます。男性の方は、素早く「動揺の信号」が落ちます。しかし、そのほんのわずかに動揺してる間に何をするかというと、結論、つまり身の処し方の筋肉と骨格の動かし方を記憶として小脳に書き込むんです。「結論を」なんです。会話も「プロセス思考」と「ゴール思考」に分かれましたが、危険な目にあったときの脳の処理も、女性の方はプロセス、男性の方はゴールなんです。身の処し方だけを入れ、素早く動揺信号を切り、次の所作に集中できるのが男性ですから。女性から見ると男性は何度も懲りずに同じ危険な場所に足を踏み入れていき、その度に身の処し方がエクセレントになっていく人たち、ということになります。

小さな子を育てていると、本当によくわかります。女の子は、ジャングルジムで頭打ったりしたら、しばらくジャングルジムに近寄らない。そのまま一生、ジャングルジム嫌いになる子もいるぐらいです。男の子は全然平気。息子が小学校5年のときの作文があるんですけど、それを見て「本当だな」と思いました。「ジャングルジム」というタイトルでした。ジャングルジム。「僕はジャングルジムが大好きです。何度頭を打っても、大好きです」と始まりましたから。

プロフィール

黒川伊保子/ 脳科学コメンテイター

脳科学の見地から「脳の気分」を読み解く感性アナリスト。「市場の気分」を読み解く感性マーケティングの実践者であり、「男女脳の気分」を読み解く男女脳論の専門家、「ことばが脳にもたらす気分」を読み解く語感分析の専門家でもある。脳の研究からくりだされる男女脳の可笑しくも哀しいすれ違いを描いた随筆や恋愛論、脳機能から見た子育て指南本、語感の秘密を紐解く著作も人気を博し、テレビやラジオ、雑誌など各種メディアにも多数出演。アカデミックからビジネス、エンタテイメントまで幅広く活躍する。

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