No.15 黒川伊保子 / 読む講演会 クローズアップパートナーNo.15 黒川伊保子 /“読む講演会”クローズアップパートナー

男女は脳が違う。それがわかれば、人生が変わります No.15 脳科学コメンテイター 黒川伊保子

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女性には、まず肯定をしてから、結論を言う

No.15 黒川伊保子

これから「男女の脳が違う」という話をしてまいります。私は、人工知能の研究者です。1983年に大学を卒業し、「富士通」に就職。入社後、人工知能の研究室に配属になりました。実は1983年は、我が国の「人工知能元年」でした。前年に当時の通産省が、人工知能の基礎研究機関を立ち上げます。新世界コンピューター技術開発機構、通称「ICOT(アイコット)」と呼ばれた研究機関です。私は1番年下の下働きのエンジニアとして、そのプロジェクトに参加し、以後、人工知能を研究してきました。専門は「人と人工知能の対話」です。「人とコンピューターの対話」と言ってもいいかもしれません。これをコミュニケーション論やマーケティングのために使っていただけたらと思って、2003年、今の会社「感性リサーチ」を興して現在に至っています。

研究の日々のなかで、気がついたことがありました。それは、「男女の脳が違う」ことです。私たち人工知能の研究者は、研究の約6割が「人の脳を分析する」ことですが、男女を混ぜて分析すると、機能フローが書けないことがわかりました。私たちは、すでに1980年代から「男女の脳が違う」ということに気がついていたんです。

女性と男性では「対話の通信線の数」が違います。女性は「心」と「事実」の2本の通信線を持って、相手とコミュニケーションを取ります。どういうことかというと、相手の事実を否定するときも、「先に心を肯定する」喋り方をするんです。もし、目の前の人の事実を否定する、つまり「あなたが悪い」と指摘しなければいけないときでも、「あなたの気持ちよくわかる。私も同じ立場だったら、きっと同じことをしちゃったわ、でもね、それは違うの」という言い方をします。大切な友達に対しては。女性上司が女性部下からの提案を受けたときに、この提案が箸にも棒にもかからない「何を素っ頓狂なこと言ってるの?」という提案が上がってきたとき、男同士だったら、「いやこれさ、ここが駄目だよ」と言って簡潔に返して、向こうも「そうですか」となりますね。女性の場合はちょっとややこしいんです。私なら女性の部下に対して、いきなり「あなた、ここ違ってるよ」とは言わないです。「ああ、これよく気がついたわね」「私も気になっていたの、どれどれ」と言って一応読んだりして、「はあ、でもね、もう箸にも棒にも全然かからない、これ駄目」と言う。 事実を否定するのは、潔く全否定でOKなんです。ただその前に、この提案を持ってきたこと自体を受け止めないと、実は大変なことになります。

「心の通信線」を使わないと、女性の場合は存在を否定されたことになるからです。いきなり否定することは、「あんた、ここにいなくてもいいよ」と言ったことになる。そう聞いてしまうんです。だから「ああ、私なんか、ここにいらないって言っているんだ、この部長は」「ひどい!」となる。女性はこうできています。それを知っていると知らないでは、大きく違います。

男性は基本、事実と心を乖離させません。否定するときは、潔く否定します。肯定するときも、しっかりと肯定する。理由があるんです。男性は「事実」と「心」を乖離させると危ないからです。男性の脳は、長らく狩りをしながら進化してきました。何万年も荒野に出て、危険に身をさらし、自分と仲間の命を救いながら、確実に獲物を持って帰ってきた男性だけが子孫を増やしてきたのです。その果てに、21世紀の男子がいます。21世紀の男子は、全員が狩りに出るわけではないですが、狩りに出るときと同じ構造で脳を動かしています。荒野に出て、危険に身をさらしているとき、心と事実を乖離させたら危ない。「君の気持ちって、よくわかるんだけどね」なんて言って荒野を進んでいたら、沼に落ちてしまいます。なので、男性は基本、心と事実を乖離させず、事実をいさぎよく否定してやる。それは相手の生命を救うためです。

産業構造も、実は狩りと同じです。時間のコストパフォーマンスを最大限に上げ、常に危険から身を守っていかなければいけない。職場での会話は、それで基本はよいはずです。でも、女性脳は、いきなり否定をされたときには「心の通信線を断たれた」という気持ちになることだけは、男性は覚えておいたほうがいいと思います。私たちキャリアウーマンは、それを乗り越えていくんです。「いきなり否定された。でもこれには悪気はない」と思って、一旦落ちた気持ちを自分の理性で上げていくんです。ただ、やっぱり女子はこれではなかなか生き残れない。この「コミュニケーションの通信線が2本ある」ということ。とりあえず覚えといていただくと、うれしく思います。

男性はゴール思考問題解決型、女性はプロセス思考共感型

一方で男性の脳を研究してわかったのは、「心と事実を乖離させて15分もすれば、男子はヘロヘロになってしまう」ということでした。「この人が悪い」と結論が脳のなかで出ているのに、それを我慢して「君の気持ちがわかる」なんて話を聞いたら、普通は15分も我慢できない。下痢するか、風邪引きます。免疫力が著しく落ちるからです。

男性脳は、「ゴール思考問題解決型」です。結論が出ていることなら、先に結論から聞きたい。結論を出すための対話であれば、その目的を最初に明らかにしてほしい。そして、その話の「骨子」があれば、最初にそれを数字で教えてほしい。「理由は3つあります」とか「ポイントは4つあります」みたいに、最初に数を教えてほしい。なぜ、このスタイルを取るかというと、とても合理的なスタイルだからです。対して女性は「プロセス思考共感型」です。両者で何が違うのかというと、プログラムの大きさが違うんです。ゴール思考問題解決型は、小さなワーク領域で済ますことができます。

男性と女性では「対話に使う脳のワーク領域」が数十倍も違うんですね。男性は、対話以外にもすることが脳にあり、そんなに広い領域を割けない。女性の数十分の1の領域で「対話」という行為を完成させる。そのためには、この合理的なプログラムの方式を取らざるを得ない。これが、ゴール思考問題解決型です。「結論から言う」「話の枝葉を作らない」「最初に骨子を決める」。

たとえば、夫婦で法事の相談をする。夫がうれしい妻からの問いかけは「お母様の3回忌について、相談があるの、あなた。ポイントは3つ、いつやるか、どこでやるか、誰を呼ぶか、です」。話の枝を作らずに、いつやるかの話をちゃんと決め、どこでやるかを決め、誰を呼ぶかを決める。そういうふうにすれば決して迷子になりません。

しかし女性は、前の法事の愚痴から始めたりするわけですね。「あなた、お父様の7回忌のときの、あのおばさん、私になんて言った?」みたいな話とか「あそこの料理がまずかった」とか「あのお経、長くない?」とか、いろいろな話が入ってくる。結局、何の話かわからないでぼんやりしてくる。この「ぼんやりしてくる」というのが、女性と男性では大きく違うんです。私たち女性も、相手の話が要領を得なくて長いと、ぼんやりします。私たちもぼんやりして、友達の話を聞く。ただ、このぼんやりしてるときの脳の様子が違う。

女性はぼんやりしてるときも「言語野のスイッチ」を切らない。音声認識もしていれば、意味認識もしている。なので、上の空で話を聞いていても、相手の女性が「あなたどう思う?」って言ったとき、決して逃さないんです。100パーセント逃さないんです。その上、女性はすごいことがありまして。ほんのちょっとの会話なら、巻き戻して聞きなおせるんです、脳のなかで瞬時に。キーワードを言っていく。「うん、その件ね、あれって言うけどさ」なんて、言いよどむ。そうすると、相手がもう1回言ってくれるので、話についていけるんです。

ところが男性は、ぼんやりしたときに、言語野のスイッチを切るんです。私、この電気信号を見たときに、大変なショックを受けました。なぜなら、男性はぼんやりしているとき、音声認識もしていないからです。おそらく、私たち女性は、そんなことは生活のなかで一切ない。おそらく男子は、ぼんやりしてるとき、目の前の奥様の話が、「ほえほえほえほえほえほえほえ」みたいに聞こえているんです。だから、怒りの鉄拳がくだされたときに、「はぁ?」と言うしかない、という状態が起こるわけです。女性も誤解しているんです。「音声認識してないんだから、しょうがないよね」にならないと。男性と女性、こんなにも対話という行為を挟んで、脳の動きが違うんです。

情が絡むとっさの会話においては、女性はほぼほぼプロセス思考共感型を、そして男性はゴール思考問題解決型を選ぶ。この事実に、私が気がついたのが、1990年代の中頃でした。その後も実験したりしていたんですが、「これは、あと20年近く人工知能の研究室に眠らせておくのは惜しい」と思いました。こういう知見は、人工知能に搭載する前に、生身の人間も知るべきだ、と。そしてコミュニケーション論やマーケティングのために使っていただけたらなと思って、会社を興したんです。

プロフィール

黒川伊保子/ 脳科学コメンテイター

脳科学の見地から「脳の気分」を読み解く感性アナリスト。「市場の気分」を読み解く感性マーケティングの実践者であり、「男女脳の気分」を読み解く男女脳論の専門家、「ことばが脳にもたらす気分」を読み解く語感分析の専門家でもある。脳の研究からくりだされる男女脳の可笑しくも哀しいすれ違いを描いた随筆や恋愛論、脳機能から見た子育て指南本、語感の秘密を紐解く著作も人気を博し、テレビやラジオ、雑誌など各種メディアにも多数出演。アカデミックからビジネス、エンタテイメントまで幅広く活躍する。

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