No.08 柿沢 安耶No.08 柿沢 安耶

インタビュー INTERVIEW/美しい人 No.24 藤森香衣 「2人に1人ががんになると言われている時代、手術も大切ですが、その病気を抱えて生きていく時間の方が実は長いんです」 Photo:三宅詩朗/ Text:森綾/ Edtior:鈴木ちづる

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No.08 柿沢 安耶

― 現在、野菜のケーキを創作するパティシエとして大活躍の柿沢安耶さんですが、子どもの頃から野菜好きだったんですか。
柿沢 はい。子どもの頃から野菜が好きでした。東京・世田谷で生まれたのですが、幼稚園から小学校にかけて神奈川にいたことがあって、その頃、母親が八百屋さんでパートをしていたんです。その頃、その八百屋さんで遊んでいた記憶があります。その後、物心ついて興味をもったのが、トリュフだったんです。フランスのぺリゴール地方で、トリュフって豚に掘り当てさせて収穫するというのを知って、面白いなあと。「黒いダイヤモンド」といわれる神秘性にもひかれ、私も豚を飼ってトリュフを掘る仕事がしたいなんて本気で思っていたんですよ(笑)。ところが本を読んだり調べたりしているうちに、それはぽっと日本から女の子が行ってできることじゃないんだなと分かりまして。その延長線上で、フランス料理に興味を持ち始めたんです。
― 料理をつくることへの興味が生まれたのは、豚とトリュフからですか(笑)。
柿沢 小さい頃は料理をつくることには興味がなかったんです。そもそも大学に入ったのも、フランスの語学、文化背景を勉強したかったからなんですが、お店を持とうとか、料理人になろうなんて思ってもみませんでした。でも学生時代にケーキ屋やレストランでアルバイトをしたら、これが楽しくて。それとトリュフのことと合わさって「フランス料理」に行き着いたんです。実は当時の私は体が弱くてアトピーも喘息もあったんですが、料理やスイーツは人を元気にできるって思ったんですよね。人を接客することで、自分も元気をもらえる。それでやっと「将来、お店をもってみたい」と思うようになりました。日本の大学に在学していたので、フランスには1ヶ月くらいの短期留学を2度しました。でもその留学で「こりゃ、無理だ」と思ったんです。
― 何が無理だったんですか。
柿沢 私はもともと肉が得意ではなかったんです。調理をするのも苦手。フランス料理はウサギの皮を剥いだり、鶏の毛をむしったり、そういうところから肉料理の調理が始まる。こんなことを何十年もやるのはとても無理だと。それで、お菓子ならつくれるかな、と思ったんです。卒業してからは製菓の修行を始めました。ところがケーキを大量につくっていると、バターを何十箱も使ったり、砂糖もどっさり入れますよね。これは体にいいのかな、私がやりたいことと、微妙に違うんじゃないかな、という疑問が生まれてきたんです。

No.08 柿沢 安耶

― そこでまた野菜に帰ったわけですね。
柿沢 23歳のとき、マクロビオティックや自然食と出会ったんです。最初は飛びつきました。体にやさしい料理だし、これしかないと思った。でも2年みっちりマクロビオティックをやったら、食そのものが楽しくなくなってしまったんです。決まった食材しか食べられないから友達と食事に行っても楽しくない。指定されたもの以外を食べるのが怖くなる。たとえば私はチーズが大好きなんだけど、それもダメですからね。それに食べ物で顔つきも変ってくるんですよ。無理をしてたというのもあって。
実は、フランスに行って私が一番学んだことは、料理以前に「食事を楽しむことは人生の大いなる幸せだ」ということでした。その気持ちをもてないのは体に悪い。ストイックになりすぎるのは私には無理。周囲を見渡しても長続きする人は少なかった。私はこれはもっとゆるく長く続けるほうがいい、長い目で見て健康につながることをやったほうがいいと考えるようになったのです。
― そこで柿沢さんなりのベジタリアン・スタイルが生まれてきたのですね。
柿沢 より自然なものでお料理をつくりたいと思うようになりました。安心できる乳製品、卵ならOKなのではと考えました。ちょうど26歳のとき、結婚をきっかけに相手の実家のある栃木で店を出そうという話になり、ベジタリアン料理の店を始めたんです。最初は驚きの連続でした。畑や田んぼを見たことがなかったからです。土の柔らかさ、温かい匂い。野菜の栄養分がどうこうと数字ばかり追うのではなく、土から育ったものの命を感じるという体験をすることができました。畑を知って、食べ物の大切さ、食の原点を感じたんです。もちろん、農業の大変さもつくづく感じました。
― そこで料理だけではなく、スイーツにまで野菜を使おうと思った理由はなんですか。
柿沢 レストランの定休日に栃木でも食育セミナーをやっていたのですが、東京で育った私のように、東京にいる人ほど、野菜や食べ物のありがたさを知る機会が少ないのではないかと感じていました。その頃「日本では20〜30代の女性が一番野菜を食べていない」という驚くべき事実を知ったんです。本来、350グラムは野菜を食べるべきところを200グラムちょっとしか食べていない。日本人の平均は250グラムですから、それよりまだ少ない。意外でした。そのとき、いろんな思いがつながったんです。バイトをしていた頃、ケーキ屋さんで感じた疑問。マクロビにはまっていたときに知った「地産地消」の考え。栃木で目の当たりにした農業の高齢化。すべてを解決するには、もっともっと国産のいい野菜をしっかり食べるべきだと。それで、からだにやさしい野菜のケーキをつくりたいと、東京・中目黒に「ポタジエ」をオープンさせたのです。
― その野菜ケーキのお店が大ブレイクしたわけですね。
柿沢 最初はご理解いただくのが大変でしたよ。ケーキ屋さんと聞いたお客さんは「苺のショートケーキはないの?」とおっしゃいますからね。それと、レシピの開発にも苦心しました。一番むずかしかったのは茄子でしょうか。皮の硬さと中身の柔らかさの違いをどうするか。そしてあの色を美しく残すのにかなり工夫しました。野菜のケーキは、甘みがしないと前菜みたいになってしまいますから、ちゃんとスイーツとして成り立ち、かつ野菜の味もちゃんと生かすものでなければなりません。食後に食べてもらって、野菜の摂取を増やしてもらうのが最大の目的です。野菜嫌いな子どもにも食べてもらえる。スイーツで野菜が好きになるきっかけになったら、うれしいじゃないですか。つまり、野菜のスイーツは野菜への導入づくりなんです。それも日本で作った野菜を使っていれば、僅かながらも日本の食糧自給率のUPにも貢献できるわけです。
― 柿沢さんはこれからの日本の食について、どんな提案をしていきたいと考えておられますか。
柿沢 フランス料理、スイーツと語りながら、ちょっと背反しているかもしれませんが、日本人は昔ながらの日本食を見直してほしいと思っています。私が野菜というキーワードで今まで苦心してメニュー開発してきたのも、日本の「食」や「農業」のあり方を見直したほうがいいと思ってきたからです。例えば、「身土不二」という言葉があります。身と土は離れられないという意味なんですが、まさに日本人は野菜をそんな風にとってきたんです。夏はみずみずしく生で食べられる野菜で体を冷やす。冬は煮込んだ根菜で体をあたためる。炒めた野菜とご飯、お味噌汁とシンプルな食事でいいのではないかと思うんです。医療費のことを考えたら、体にいい有機野菜をたっぷり食べるのは高くないはず。食事はすぐに始められてゆるやかにできる最大の健康法。2ヶ月で体は変わります。先ほど食べ物で顔も変ると言いましたが、肌の調子も変ってきますよ。まずは簡単なものでいいから、野菜を取り入れた生活、昔ながらの日本食を、ぜひ試してみて欲しいと思います。

私を美しくしてくれる一品

私を美しくしてくれる一品

「栃木県のベジファーム、益子GEFの2ヶ所から週に1回、完全無農薬、有機栽培の新鮮な野菜を取り寄せています。完熟してから収穫したトマトは匂いが違うし、ピーマンも青っぽい味が本当に美味しい。8年近いお付き合いになりますが、東京に来てから「あの畑でとれたのかな」と、畑の土の香りを思い出すのも楽しみなんです。」

プロフィール

柿沢 安耶(かきさわ・あや)/ 野菜スイーツパティシエ

学習院大学文学部フランス文学科卒業。大学在学中より料理研究家のもとでフレンチを学ぶ。 2003年、野菜が主役のレストラン『オーガニックベジカフェ・イヌイ』を栃木県に開店。2006年には、世界初の野菜スイーツ専門店『パティスリーポタジエ』を東京に開店。 女性を中心に大きな反響を呼び、新しいムーブメントを作ったパティシエとして注目される。農業支援活動やイベント出演なども積極的に行い、農水省を中心とした自給率UPをうたう政府広報活動「FOOD ACTION NIPPON」のメンバーとしても活躍中。

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