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星崎尚彦氏著『0秒経営 組織の機動力を限界まで高める「超高速PDCA」の回し方』(KADOKAWA)

星崎尚彦

株式会社ビジョナリーホールディングス 代表取締役社長

講演依頼.com営業部の若井です。

「話題のビジネス本」第三十一回目は、メガネスーパー代表取締役星崎尚彦氏著『0秒経営 組織の機動力を限界まで高める「超高速PDCA」の回し方』(KADOKAWA)をご紹介
します。

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再生請負人の異名を持つ星崎氏は、ジュエリー、ファッション、スポーツ業界など、様々な業界で企業再生を手掛けてきた方です。メガネスーパーに至っては、8年連続赤字、3度の債務超過、社員のボーナスはゼロという、まさに倒産寸前だった状態から、わずか3年足らずで黒字に転換させました。では、V字回復の秘訣は何か、普通の経営では絶対に勝てないメガネスーパーがとった決死の戦略とはどのようなものだったのでしょうか。

10時間ぶっ通しの、即断・即決・即実行「アクション会議」

“0秒経営”の土台となっているのが、毎週月曜日に、全部門横断で10時間超にも及んで行われる「アクション会議」。すべてが社員の目の前で決まり、すぐさま共有され、現場に落とし込まれていく。そのため、本社機能と現場機能の距離が限りなくゼロに近い。

会社のコアに火をつけ、「キャラバン」でコピペ全国展開

まず、社長直轄の店舗で成功事例を作り、売るためのノウハウを、そっくりそのままコピペ(横展開)させていく。店舗改善においては、成功店舗で自信をつけた社員が協力して作業に当たるので、熱気もそのまま伝播する。このキャラバン隊はすでに日本4週にも及んでいる。

売上のためなら「ブランドを壊す」

成功事例をコピペし、売上が伸び、店に活気が戻った反面、店先にはノボリが立ち、音楽が流れ、店員はメガホンで呼び込みをするといったように、ゴチャゴチャした「にぎやかし」だらけになった。ブランドのことを考えれば、店舗ごとの統一感、ブランドの格式といったものが重要なのは言うまでもない。それでもあえて、「にぎやかし」を増やしたのは、ブランドは「売上」に勝てないから。「何もしなければ倒産する」という危機的状態においては、何を差し置いても売上をつくるというのが合理的な判断。商品が売れれば店は元気になる。

多数決が実行力を鈍らせる

多数決がなぜいけないか。というより、そこにいる少数派の意見を封じ込めず、100対0になるまでとことん討論するのが筋。1の意見を押し込めたまま進むと、納得していない1人は、結果が腹落ちしていないため、いざというときに動けない。結果として実行力が落ちる。
店づくりにおいて大事なのは、日常の業務における「なぜ」の追求。社長自身が現場を鼓舞し、「なぜ」を突き詰める。「なんとなく」で続けている無意味なルーティンを潰していく。こうして1000本ノックのように「なぜ」を打ち続けていくと、スタッフ自らが考え行動する、強い店舗ができあがる。

高付加価値ビジネスへの転換

メガネスーパーは「レンズ0円戦争」に参戦して、一気に苦境に追い込まれたという過去がある。そこで自分たちの強みを考え抜き、それは「眼の知識である」という結論に達した。
安売りと決別し、付加価値の追求で業界他社との差別化を図る独自路線。眼の健康を売るという「コト売り」戦略への転換。それが「アイケアカンパニー宣言」。例えば、眼の検査時間においては他店が20分で済ませるところを、メガネスーパーでは1時間かけて行う。レンズを有料化する代わりに、徹底的なアイケアを提供する。

まとめ

読後感じたのは、“0秒経営”は、途方もない地道な努力と、時間をかけて築き上げられた、従業員との信頼関係の上に成り立っているという事実です。

確かにメガネスーパーは高付加価値ビジネスへの転換を図ったことで業績が復活しました。しかし本質はそこではなく、8年連続赤字からV字回復できた、たった一つの理由は、社員の意識がかわったこと、すなわち、「指示待ち」社員が、自分から動ける社員に変わったことだと言います。

社長の思いを受け止め、実行してくれる社員が育っているかどうか。その条件が満たされて初めて、「やる」と決めたその0秒後に、やり切るだけのパワーが出せる、と。

星崎尚彦

星崎尚彦

星崎尚彦ほしざきなおひこ

株式会社ビジョナリーホールディングス 代表取締役社長

1966年生まれ。早稲田大学法学部卒業後、三井物産に入社。主に繊維事業、ファッション事業に携わった後、スイスIMDビジネススクールへ留学。MBA取得後の2000年、スイスの宝飾メーカー「フラー・ジャコ…

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