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人生最大の危機~プロ・キャディの第一人者・杉澤伸章~

杉澤伸章

プロ・キャディの第一人者

人生最大の危機を教えてください。

プロキャディーとしてデビューした2001年です。それまでは専属キャディーと言って、選手と年間契約をしていました。横田真一プロや横尾要プロなど、有名一流選手と専属契約をしていたので生活などはすべて守られている状態でした。
そして2001年の問題の年に、横尾要プロがアメリカに挑戦しました。横尾プロにとっても初めての経験だったので、現地のアメリカ人キャディーと契約をすることになりました。
僕は日本に残ることになったのです。ここまでは順調で、ある意味フリーになった僕は誰かの専属になるのでなく、プロキャディーとしていろいろ選手を変えながら、今までの経験を活かして他の選手の力になろうと考えていました。
『力になろう』・・・この驕りが人生最大の危機へと導いたのです。
当時、フリーでプロキャディーをする人はとても少なかった。基本は専属キャディーを連れており、特に強い選手は99%専属キャディーだったためです。したがって、僕はその専属キャディーが決まっていない選手にお願いすることになります。むしろそれが僕の目的でした。当時、なかなか結果を出せない選手に、プロキャディーが付けばおのずと成績が上がる、という実績を作りたかったのです。キャディーを便利に雇うのではなく、戦略の一つとして雇ってもらいたかった。
しかし、結果は散々なものでした・・・
自分の驕りを、全撤回するくらいの予選落ち続き。『力になろう』と思った自分がとても恥ずかしかった。そして心底悔しかったです。
専属キャディーは「月給制+ボーナス」という契約でしたが、プロキャディーの給料は、選手がもらう賞金のパーセンテージであり、完全なる歩合制です。予選落ちは、選手も0円のため当然キャディーも0円。この状態が一番長い時で8週間ありました。8週間無休どころか、移動経費などはどんどん増していきます。当然ホテルには泊まれないので、車中泊となります。ゴルフ場でお風呂に入って、お手洗いはコンビニ。ゴルフ場の駐車場で一夜を過ごすのですが、当時は車にテレビもなく、スマホでYouTubeというわけにもいかないので、ただただじっと目をつむり、朝が来るのを待つ毎日でした。
時にはゴルフ場の方に怒られ、駐車場から出て山の中に車を停め、朝を待ちました。その時は10匹ぐらいの野犬に囲まれて吠え続けられ、怖さというより情けなさで涙が止まりませんでした。

その時のお気持ちを教えてください。

自分の驕りには気づけたのですが、人間とは不思議なもので、一度身についたプライドはなかなか取れませんでした。頭も心も分かっているのです。もっと謙虚に、真摯に目の前のことに向き合えと。
しかし、昔の栄光があまのじゃくの行動へ自分を導くのです。例えば、選手がミスした時、明らかに自分のアドバイスミスなのに、人のせいにしたり、ごまかしたり。とにかく『すみません』が言えなかった。
成績の出ない焦り、自分が自分に嘘をついている状況。人のせいにしたり、ごまかしている自分・・・心底、自分が嫌いでした。心底、つまらない人間でした。

危機とどのように向き合い、乗り越えたのですか?

本を読みました。車中泊を一年していましたので、とにかく暇でやることが本を読むことしかなかったのです。ただ、お金がないので、同じ本を何度も読むのですが、その時一番読んでいたのが松下幸之助さんの本で、『道はひらく』『素直な心になるために』などでした。
『素直な心とは、とらわれない心』
確かではないですが、このような言葉が僕の心を変えていってくれました。
過去に生きる自分を、現実へと導いてくれました。
昔は凄かった。だけど、今は今で凄いことをしているんだ!と思えるようになってきました。予選落ちが続くことで、自分の足りないことが見えてくる、それを磨けば自分のウィークポイントが減るんだ。そうすれば、真のプロキャディーとなれる。目の前で起きていることが現実で、その現実を生きることで、僕は素直な心となっていきました。
そして、おのずと成績も上がり、プロゴルファーの方々に、僕の存在を認知され始めました。そして、その年末に丸山茂樹さんから声がかかるのです。

最大の危機に直面したご経験から、どのようなことが得られましたか?

自分が最大の危機に立っていると思っているその瞬間、世の中の人はもっとつらい状況にいる人がいっぱいいっぱいいるんだ、という事を考えるようにしています。
つらい時って、なぜか、自分だけがつらいとか、損してるとか、ついてない・・・って思いがちです。すごく孤独になります。だから、そういう時は、世の中にはもっとつらい人が、笑顔で生きてるよ、って自分に言い聞かせます。
僕の仕事はプロキャディーです。ですから、成績の悪い時はつらいし、嫌になる時もあります。だけどですね、目の前にいる、プロゴルファーの人がもっと悔しいし、つらいし、嫌になっているんです。僕の100倍はその思いがあると思います。
それなのに、僕が自分のミスで一喜一憂しててどうするんだ!、目の前で落胆している人を勇気づけ元気づけるのがプロキャディーの仕事だろ!!
その思いは今でも変わらないし、この先もずっと同じ気持ちです。なので、『感謝』という気持ちも自然と生まれます。

最後に、人生の危機に直面している人へ向けてアドバイスをお願いします。

感情は誰でもあります。それは素直に受け取っていいと思います。つらい、かなしい、いかり、イライラ・・・でも、大切なのはその後の考え方です。
その出来事は、あなたを苦しめるためにあるわけではありません。何かに気付くヒントだと思います。あなたがあなたらしく生きるための、パズルのピースを教えてくれているのです。
なので全ての出来事から『学び』を感じていけら、人生最大の危機が、人生最大のチャンスになるかもしれませんね!

杉澤伸章

杉澤伸章

杉澤伸章すぎさわのぶあき

プロ・キャディの第一人者

愛鷹シックスハンドレッドクラブでの研修生を経て、21歳の時に横田真一の専属キャディとなる。2002年からはプロキャディとして丸山茂樹と契約し、渡米。ゴルフに関する的確なアドバイスはもちろんのこと、選手…

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