ご相談

講演依頼.com 新聞

これからは、笑顔にお金をかける時代です

物あまりの時代といわれ、不況の続く昨今ですがそんな中売り上げを伸ばすポイントとして今笑顔が注目されています。笑顔の奥にはどんな秘密があるのか、また笑顔だけで売り上げが上がるのか。笑顔で成功する秘訣について笑顔アドバイザー 諏訪ゆう子さんにお話を伺いました。

諏訪ゆう子(すわゆうこ)
笑顔セミナー主宰

1974年1月栃木県生まれ。
日本不動産学院卒業後、不動産会社、商社営業部にて勤務。
2002年、笑顔の大切さを知り笑顔教室の門を叩く。
2003年、笑顔セラピスト養成コース講演の部に合格後独立。
現在、笑顔セミナーを主宰する傍ら接客業、金融機関や
医療現場を中心に 全国各地で講演活動を行っている。
主な著書に『~幸運の女神を引き寄せる小さな魔法~笑顔力。』
(ゴマブックス)、 『仕事も人間関係もうまくいく笑顔力』
(あさ出版)がある。

これからは、笑顔にお金をかける時代です

-今、営業や接客販売で<笑顔>が注目されていますが、
諏訪さんはそうした流れをどのようにお感じになっていらっしゃいますか?

諏訪ゆう子 一番感じることは、クレームの質が変わってきているということです。以前は製品自体に対してのクレームがほとんどでしたが、今は人に対してのクレームが大きな割合を占めています。人に対してのクレームとは、対応に対してのクレームですね。

本当に些細なことですが、電話の出方で言えば、待たせすぎてしまうといったような従業員の態度・対応にお客様が敏感になっている訳です。お客様のサービス要求度が上がっているんですね。

その流れに乗って、自分たちはそうした対応の部分をしっかりやっているということが企業アピールのひとつになっているんだと思います。そして感じの良い接客を考えた時に、一番わかりやすいポイントであり、取り入れ易く、また自分たちではなかなか徹底しがたい、<笑顔>が注目されている、と私は考えています。

-<笑顔>がサービスの一環として、
また企業イメージの向上の手段として注目されているということなのですね。

そうです。みなさまご自身がお買い物をされる場合を考えていただければお分かりになると思いますが、店員が感じの良い人だっただけで、なんだか得した気分になったりしませんか?簡単にいうとそれと同じで、笑顔が付加価値となってサービスになるんです。

それに、企業ではお客様との一番はじめの接点が電話ということも少なくないと思うのですが、そうした場合は、声の笑顔というお話をしております。電話の前に鏡を置くなど工夫をして、お客様から見えなくても笑顔での応対を心掛けると、声のトーンも変ってくるんです。そうしたことが出来ている企業は、本当に笑顔というものをよく研究し、訓練されています。それほど笑顔で企業の印象が左右される時代だということですね。某消費者金融会社のCMでは、笑顔をアピールすることで業界の暗いイメージを一新されましたね。笑顔一つで企業ブランドを上げることも可能なんです。

-笑顔にまじめに取り組むことが企業やお店にとって大きなプラスを生むのですね。

諏訪ゆう子そうです。笑顔は簡単に取り組むことが出来ますし、企業イメージだけでなく販売員の方個人のイメージも真逆に変えることもできます。はじめにもお話しましたが、現代の人々は海外にもよく行くようになりましたし、様々なサービスを幅広い人々が経験するようになりました。だから、サービスされ慣れているんですよ。サービスされ慣れているということは、当然何に対してもサービス要求レベルが高くなってくるわけです。

また、それに加えて今日本の製品はどれも良いものばかりで○○社の製品はとても良いけれど、××社の製品は悪いというような製品による良し悪しが判断しにくくなっています。とすればどこで良し悪しを判断しているか、というと製品についてくる『付加価値』です。それが接客・販売では誰から買うかということにつながっていくわけです。これからは『物より事』の時代です。『事』とはどんな付加価値、つまりサービスがあるのかということなんです。

ものだけに注目していくと、売れないなら値下げをすればいいという考えに陥りがちです。しかし同じものを昨日までは1万円で売っていたのに、今日は5千円でいいなんてなんだかうさんくさいでしょう。それよりも、例え1万円でもまた来たいと思わせるお店作りが大事なことなのです。その為には、この人にまた会いたいという従業員がいることが必要です。それにはまず、お客様との距離を縮めることが大事な要素となります。その時、笑顔がとても役に立つのです。

 

-また来たい、会いたいと思わせる従業員の笑顔が鍵ですね。

心理学に『第一印象の法則』というものがあります。これははじめましてと出会ったときに人が一番印象に残る部分について調べたものですが、その一番はなんと表情です。その後には、話し方、話の内容と続きます。最後の話の内容は全体の7%しかありません。人は他人の話を聞いていないものなんですよ(笑)それほど第一印象での表情は重要なものなのですね。

ですから、そのはじめましての時にしかめっ面でいるか笑顔でいるかでは大きな違いが生まれてくるわけです。誰にだってニコニコした人の方が善人に見えるでしょう?そんな人からはだまされそうなんて、微塵も思いませんよね。だから、相手は話を聞いてくれるんですね。笑顔が営業の手始めになっているわけです。

この段階まで来たら、もう笑顔によってお客様にはあなたがとても魅力的な人になっているはずですから、とってもよく話を聞いてくれるでしょう。また第一印象はなかなか覆りにくいので、この人はいい人という印象を与えられたことで自然に信頼関係が築かれ、その後のお客様とのコミュニケーションがとりやすくなることも事実です。話を聞いてもらえて、善人だと思ってもらえて、コミュニケーションがしっかり取れれば売りたいもの自体は良いものなのですから、もう売れないわけがありません。物が売れること以上に企業のプラスを生むことはありませんよね。

-ニコっと笑顔を作るだけで物が売れてしまうとは面白いですね。
他に何か笑顔で起きるプラスはありませんか?

リピート率が高まることですね。

これにはタイの国がいい例です。タイは微笑みの国と呼ばれていますが、タイに行くと本当に国中笑顔でいっぱいです。高級レストランでなくてもすばらしい笑顔に出会うことが出来ます。タイの国は文化資産や世界遺産などもたくさんあるのですが、観光庁の方に言わせると一番の国の財産は国民の笑顔だと言います。

タイという国柄かもしれないのですが、目に見えないものこそが人の心を掴むのだとしっかりわかっている。だからお客様を迎えるための笑顔にもきちんと国がお金をかけているんです。世界遺産を作ったのは人で、それを伝えていくのも人。だから人こそが財産というタイの人々は、人の心理もよくわかっているんですね。

笑顔によってお客様のニーズが引き出せれば、お客様の望むサービスを提供することが出来ます。それは、満足感を生みます。また笑顔というのは、お客様に向かって提供するものです。常にGive(与える)です。道端に立って、道行く人に笑顔をしたからといってお金がもらえるわけではありません。お客様の満足のために笑顔を作るわけです。

それは奉仕の精神、つまりホスピタリティにつながります。そして笑顔から生まれたホスピタリティの精神が、満足の一歩先の「感動」を呼び、それがお客様を動かし口コミとなって評判を呼び、リピートという現象を実現させるのです。それがタイの国では人々に本当によく根付いています。タイは海外旅行客のリピート率No.1だそうですよ。

-なるほど、笑顔はホスピタリティという精神にも通じているのですね。
日本でもそうした例はありますか?

諏訪ゆう子あります。私が研修をしたあるパチンコ店のチェーンでは、笑顔のできている店舗に関しては女性客の伸びが著しく目立ちました。女性客はそういう対応や雰囲気に対して厳しいとは思いますが、結果にも出易い。

研修を担当させていただいていても笑顔に積極的な企業は、やはり売り上げの伸びが違うんです。人(従業員・社員)の教育にお金をかけている企業は売り上げが上がっているんですね。人が人を呼んでくるわけです。

-ただ、そうはいっても疲れていたり、いろいろな事情で常に最高の笑顔をキープすることが難しい場合もあると思いますが、そうした場合の対策といいますか、コツなどはあるのでしょうか。

まずは形からでいいんです。悲しいときでも苦しいときでもお客様にいい笑顔を向けられること、それがプロの笑顔というものです。笑顔をしようと思う心が既にホスピタリティなんですから。
お客様のためにどんな状況でもいい笑顔をしようと思っているわけでしょう。
笑顔を練習していれば、ホスピタリティも自然に身についてきますよ。

-笑顔を練習するんですか?

そうです。効果的な笑顔と、それを徹底するためには、
実は練習が必要なんです。

笑顔って案外伝わりにくい。笑っていると本人が思っても実は引きつっていたりとか、目が笑っていなかったりとか。表情筋が鍛えられていないんですよね。「笑顔を大切に」などというような目標を上げている企業でも、伺ってみると結構出来ていないことが多いんです。ですから、講演やセミナ会場に行ってそんな方がいらっしゃる場合には表情筋のツボ押しトレーニングをお伝えしています。

顔にあるツボを押していくんです。そうすると今まで使っていなかった表情筋がだんだんほぐれて思い通りに動いてくれるようになります。そこで今度は口角を上げるトレーニングをしていきます。このトレーニングは40種類ほどあって、その方によって組み合わせて練習していただいています。

実際にスマイルエクササイズをお受けしたい方は、是非講演で。毎回好評を頂いております。

-笑顔も自己流ではなく、スキルがあるんですね。本日は笑顔アドバイザー 諏訪ゆう子さんに売り上げの上がる笑顔についてお話いただきました。ありがとうございました。

文: 馬場真由香 / 写真:鈴木ちづる  (2005年10月17日 株式会社ペルソン 無断転載禁止)

 

  • facebook

講演・セミナーの
ご相談は無料です。

業界21年、実績3万件の中で蓄積してきた
講演会のノウハウを丁寧にご案内いたします。
趣旨・目的、聴講対象者、希望講師や
講師のイメージなど、
お決まりの範囲で構いませんので、
お気軽にご連絡ください。