大渕愛子 (おおぶち・あいこ)
弁護士
- ― テレビ『行列のできる法律相談所』など、大渕さんは「わかりやすい解説ぶりも印象的ですが、やはりお美しさがぱっと目立ちますね。いつ頃から弁護士を目指されたのでしょうか。
- 大渕 多くの方と同じように、高校2年生の3学期に進路を考えたとき、自分は仕事をもって生きたい、とまず思ったんです。付属の中高で、そのまま系列の大学に進んで普通にお嫁さんになるという選択肢を親は望んでいたようでしたが。
- ― しかしなぜ弁護士だったのですか。
- 大渕 法廷ものの映画が好きだったんです。『ショーシャンクの空』『告発』など、アメリカの法廷ものにとてもひかれました。私の祖父は検察官をしていましたが、家ではそんな話はあまりしませんので、日本の裁判のイメージは湧きませんでしたね。ただ、「弁護士」というのは資格が必要で、それがあれば女性としても安定して働けるという思いもありました。漠然と大学受験するよりも「弁護士になりたい」という目的があったからこそ、勉強も頑張れたと思います。下校してからも、毎日7時間は勉強していました。
- ― 7時間!それで現役で中央大学法学部に。司法試験合格もまた大変な努力が必要だったと想像します。
- 大渕 そうですね。大学2年の始めからはもう司法試験に向けて集中して勉強しましたね。直前は1日12時間は頑張りました。私は何かをやると決めたときの集中力がどうやらすごいんです。優先順位が明確で、これが1番、と決めたら、2番目以降のことは切り捨てられる。…うーん、人間的に冷たいのかも(笑)。
- ― いや、そうとも言えないでしょう。法律の勉強がとても向いていらっしゃった、ということもあるでしょうね。
- 大渕 それはありますね。法律は私にとって理解しやすい学問だなと感じました。なぜなら法律を学問として接する分には、白黒はっきりしているんですよ。でも弁護士になってみて、現実問題は白黒つきづらいものだなあと思いました。日々、また勉強ですね。でも自分が受けている困難を理不尽だと思うとストレスになる。その困難も経験のひとつ、自分にとっての糧になると気づいたら、ストレスではなく、通るべき道だと思えるようになりました。今はどんなことも乗り越えられるようになりました。
- ― 様々な人がまた大渕さんに困難を解決してもらおうと来るわけですから、いろんなストレスもあるし、忙しさも尋常ではないと思うのですが、どんな風に日々スケジュールを管理していらっしゃるのでしょうか。
- 大渕 1週間のスケジュールは火曜日に1時間単位で確定してしまいます。そこにはメールを打つ時間なども作って書き込んでしまうのです。そしてそれ以外の時間にはメールは打たないと決める。よほどのことがない限り割り込みのスケジュールは入れません。その場の感情で動かず、やらなくてはならないことを時間の中でやる、というふうにしています。
- ― そういうスタイルはどのように生まれたのですか。
- 大渕 以前は9年間、企業の顧問をしていたのでわりとさばさばとやっていけたのです。ただここ数年、個人の悩みを請け負っていますから、一つずつの感情に流されていくととても解決しきれない。1人につき2時間、年間400件以上の相談に乗ることになりますから。1週間に多いときは15人の人に会います。個人の悩みにどう入っていくのか、試行錯誤を繰り返しながら、なるべく多くの方の悩みを着実に解決していくためにも、自分の時間を管理することが必要だと思うようになったのです。
- ― 本当にたくさんの相談者に会っていらっしゃいますね。
- 大渕 法律相談という名前が重い方のために、カウンセリングをして今後の方針を決める「ウーマンサロン」を開設しているんです。すぐに裁判に持ち込むという例だけでなく、幅広くどこに相談したらいいかわからないという方々に門戸を開いています。主に離婚や男女問題が多いですが、話をするだけで血色がよくなって、来たときよりも元気に帰っていかれるのを見ると、私も元気をもらいますね。
- ― たくさんの人に重い案件を相談されるのに、本当にさわやかな佇まいでいらっしゃいますね。自分がそういうフラットな状態でいるために何かなさっているのですか。
- 大渕 基本的なことかもしれませんが、毎朝必ず事務所を掃除することです。全員ですみずみまでしっかりと掃除をしますね。身の周りをきれいにしていると、精神的にもすっきりしていられますから。個人的には、睡眠はできるだけとるようにしています。そして家には仕事を持ち込まない。家には猫が2匹いて、とても癒されます。仕事中に短い時間でリフレッシュしたいときは香りを使います。ハンドクリーム、オードトワレ、ルームフレグランスなど、好きな香りをかぐとほっとしますね。タクシーの中でシュッとスプレーしたりすることもあります。心構えとしては、常に相談者に対して客観的に、距離をもって必要なことを言えるように、と思っています。共感は必要ですが、親身になり過ぎることを求められているわけではありませんから。
- ― 聴けば聴く程、強く必要とされるお仕事だなあと痛感します。大渕さんは「美しく生きる」ということをどのように考えておられますか。
- 大渕 外見の美しさは内面からつくられるものだと思います。まずは自分がやりたいことを信じてやっていること。今、日本はまだまだ男性社会を抜け切れていないので、女性が社会に進出することに抵抗を感じる人も多い。その中へ自分をもって飛び込んでいこうとする姿は美しいと思います。私自身も、公私ともにしなやかさをもちつつ、主張できる姿をもっていたいですね。テレビの仕事もたまたまお声掛け頂いたのですが、新しいことにチャレンジできることはとても光栄です。まだまだ自分の可能性を広げていきたいので、枠を決めず、好奇心を大切にして、自分がやれることをやっていけたらと思っています。
美の逸品
「食事が偏ると栄養不足になりますし、胃腸に負担をかけたくないので、私は、野菜ジュースなどの液体に頼る事が多いんです(笑)。一つは新潟の津南高原の人参ジュース。リンゴも入っているので飲みやすく、美味しいです。伊藤園の黒糖と豆乳をブレンドした青汁も箱買いしています。家ではいろんな野菜を入れたみそ汁を作ることも多いです」
大渕愛子 (おおぶち・あいこ)おおぶちあいこ
弁護士
アムール法律事務所の代表弁護士。大手法律事務所での9年間の実務経験を経て、2010年1月に独立。東京・銀座に「法律事務所インフィニティ」を開設する。2011年3月、事務所を東京・表参道に移転し、事務所…
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